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【0089】勝者の論理

「ボクのお父さんは桃太郎というやつに殺されました。」

このコピーを知ってますか?
2013年に「しあわせ」をテーマに実施した「新聞広告クリエーティブコンテスト」の最優秀賞に輝いたコピーです。
誰もが知ってる昔話の「ももたろう」を、鬼の子ども目線で表現していて、
物事は主人公側の視点だけじゃないということに気づかせてくれます。

最近ことにふれ、このコピーが頭をよぎるので考察してみました。

例えば日本の歴史について考えてみると
明治時代以前は、現代のようにメディアが発達していないので、
勝者側(時に権力者)が後世に史実を残すために記録した文書が残りました。それが現代の歴史観として認識されています。
例えば安政の大獄の井伊直弼なんて、当時の先進的な考え方を持った人物を処刑したので、ちょっと悪者っぽいイメージがありませんか?
でも、井伊直弼側から見てみると、国に忠誠を誓い、世の中の平和を維持するために、自分の信念を貫いたのではないでしょうか?
それって悪者ですか?
逆に、千円札にもなった伊藤博文なんて、とても立派な人物として認識されていますが、実はめちゃくちゃ女好きで、かなりのお金を女性に使ったという話もあるようです。
女性の立場から見たらいかがなものでしょうか?

また、日本はなぜか「お客様第一主義」が根付いていて「お客様ファースト」と認識されているようですが、
本当にお客様ファーストにしないといけないのでしょうか?
無理難題を言ってくるお客様はどうでしょう?
休日出勤して対応しなければいけないのでしょうか?

実際、ドイツは日本と逆で、従業員第一主義とのこと。
従業員の休日をとても大事にしていて、国民全体がそのマインドなので、
お客様だからと言って、無理難題を言うことはないそうです。

保険業界は歴史が長いので、過去いろいろなスタンスで販売を行ってきました。イヤな想いをされたお客様も少なくありません。
どちらかというと知識の差を利用した販売側優位な状況が続いてきました。

お金第一主義で、無理なノルマを消化するための販売側の理論で・・・

数年前に、お客様の意向を把握して、お客様目線で商品を販売するというルールができましたが、
本来、お客様側の目線、販売側の目線どちらが優位かなんて議論する必要もない気がしてます。

お客様が困っている、不安を感じていることに対して、リスクを明確にして、サービスを提供することが、自分たち保険代理店の役割であるならば、
もっと純粋に人間の深いところにある「困っている人を助ける」という「想い」に寄り添いたいです。

「想い」がない人のためにルールを厳しく設定することで、本来の純粋な「想い」に気づかなくなってしまっているように思います。

困っている人を助ける「想い」なんて、きれいごとでしょうか?

そうかもしれません。

でもきれいごとでいいじゃないですか。

「困っている人を助ける」もっというと「将来困る人を今助ける」
のが保険代理業の使命です。

世の中から絶対に無くしてはならない職業です。
そして、純粋な「想い」をもって、一方的な視点ではなく、あらゆる視点で物事を見ることができる人が携わる職業です。

誰でもできる仕事ではありません。
人間力、知識に関して高いレベルが求められるし、経験値も必要な職業です。

「ボクのお父さんは桃太郎というやつに殺されました。」
という人が出ないように、
場合によっては、鬼に農業を教えませんか。村人を襲わなくてもよくなります。
場合によっては、鬼が幸せになる方法を一緒に考えませんか。

現代は、鬼を倒してめでたしめでたしという「勝者の論理」が通用しない世の中になりつつあります。

これからも「将来困る人」を助けていきましょう。

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