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【詩】感情

インドの夕陽が
  車のボンネットを原色に変える

     脱力して
          手の平を
              もう一方の手の
     親指の腹で
              押す

指の付け根
  その隙間 
     生命線
       手首

     円を描くように
          もう一度
              次は反対方向

               凹みが
     戻ってくる
              解放される
          自由

感情って
       素晴らしい
              押すと
様々な
       弾力で
              反応する

ちぇ
ホテルを予約しておけば良かった
  隣で運転手が呟く

目的の無い旅行だから
  別に 構わないじゃないの

そんなこと言っても
  旅行なのだから ゆっくりと

            クスリと
      笑う
今のは
      頭の中の
            一人芝居

            時間が
      波に
変わる
      朱色が  
            二人の
中心まで染める
      
      運転手は
            わたしの
      膝を    
つねる            
            わたしは
      彼を
睨む 
            わたしの
      感情は
            そこにも
存在した

            彼の
      感情の
中心は   
      どこに
            あるのかしら

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