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世界で1番コーヒーを愛する北欧で、スタバが1番になれない理由を考えてみた

皆さん、世界で1番コーヒーを飲む国がどこか知ってますか?
2018の統計によると、次のようになっているそうです。

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ヨーロッパの中でのランキングではなく、これは世界ランキングです。(日本は25位圏外)

1. フィンランド
2. ノルウェー
3. アイスランド
4. デンマーク
5. オランダ
6. スウェーデン

みてわかる通り、いかに北欧の国がコーヒーを愛しているかみて取れます。日本では、勉強するにも読書するにも作業をするにもスタバに通っていたスタバ信者の僕は、きっと北欧にもさぞスタバが多いのだろうと思っていました。

北欧にはスタバが全然ない!

しかし来てみたら、スタバが全然ないんです。ハンガリー、ドイツ、チェコ、オーストリア、中国、韓国、シンガポールなど、僕が過去旅行したことのあるどこの国でも、街中を5分歩けばスタバがありました。たまにスタバに入ってスタバラテを頼むのは異国の地で謎の安心感があったものです。
しかし、スウェーデンには本当にスタバが全然ない。空港とストックホルム中央駅で見ただけで、街中を歩いててもスタバにはなかなか出会わない。

では、代わりに何があるのか。

espresso house です。街中どこを歩いても espresso house。駅にも観光地にも市街地にも学校にもどこでも目に入るのは espresso house。

実際に店舗数を比べてみても…
1枚目: スタバの店舗数(2019)
2枚目: espresso house の北欧での店舗数(2020年現在)

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北欧4カ国だけで比べると
スタバ:64店
espresso house:430店

(ストックホルムでは、スタバ:8店 vs espresso house:105店)

日本では名前も聞いたこともないコーヒーショップチェーンが北欧では一人勝ちしてるんです。これはスタバを信じていた僕にとっては衝撃でした。

スタバが一位になれない理由①: espresso house の存在

~espresso house とは?~

espresso house は1996年に創業したスウェーデン発のコーヒーチェーンです。なんと学生二人で立ち上げたブランドです!イタリア由来の品質の良いコーヒーと、アメリカのカフェの心地いい雰囲気を掛け合わせた espresso house は年々売り上げを伸ばし、北欧4カ国で一位の座をしめるコーヒーチェーンに成長しました。マクドナルドの北欧での店舗数が400店らしいので、マクドナルドと同じぐらい有名と思ってもらえればイメージが掴みやすいでしょう。

このespresso houseが1996年から北欧で展開しているのに対して、スタバが北欧に参入したのは2010年(スウェーデン・アーランド空港)。スタバが参入する10年以上前から展開していて、2005年には16店舗に、そこから指数関数的に増えていった espresso house にスタバはなかなか対抗できてないのが現状でしょう。

しかし、なぜespresso houseがこんなにも人気なのか。

心地よすぎる店内 ~culture fit~

espresso house の成功の一つの理由は、お店の雰囲気作りに徹底的にこだわっている点でしょう。余すところなく間接照明を使ったオシャレすぎる内装は、あなたの心を虜にすること間違いなし。espresso houseの公式ホームページでも、この暖かいオシャレな内装が、伝統的なスウェーデンのカフェと一線を画し espresso house が人気になれた理由だと紹介されています。

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また、スウェーデンの文化ともespresso houseの内装はマッチしています。スウェーデンには「fika」と呼ばれるコーヒー休憩の習慣があります。ただ、この「fika」は単なるコーヒー休憩ではなく、社交の場にもなっています。fikaという名目で友達や、家族や同僚とたわい無い話を楽しみながらコーヒーやカフェラテを楽しむ時間を大切にするのがスウェーデンの文化です。

学期初めに交換留学生向けに行われたオリエンテーションでも、"when you invited to fika, you have no choice but to go with. Definitely." とフィカが紹介されていました。

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実際、店内もカップルや家族連れが多く、macを開いて作業している人は日本ほど多くない印象です。確かにfikaという家族や友人との団欒の時間を大切にするスウェーデン人にとって、家にいるかのような居心地のespresso houseは少し高いお金を払ってでも来る価値があるのでしょう。

一杯44kr(≒450円)のカフェラテを買って、寒くて短く憂鬱になりがちな冬を元気に乗り越えているんですね。

~食事の充実性~

また、espresso house はスタバと比べて食事も充実しているように思いました。創業者の家で作られていたメニューをそのまま導入した伝統的なスウェーデンのシナモンロールは絶品です!

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シナモンロールを始めとしたスウェーデンローカルの味をお手頃に美味しく味わえるのも魅力の一つになっているのでしょう。

スタバが一位になれない理由②:味の好みの違い ~preference~

これはスウェーデンにきてから驚いたのですが、彼らは甘い飲み物をそこまで好みません。日本では大人気のスタバのフラペチーノも、スウェーデン人に聞いてみると「甘すぎて飲めない」というのです。

スタバはフラペチーノを始めとする甘い商品が多いので、もしかしたらアメリカや日本でウケる味の好みとスウェーデン人の味の好みが合わなかったのも理由かもしれません。

ただ、だからと言ってブラックコーヒーが好きかと言われたらそういうわけではなくカフェラテが1番人気なんだそう。また、お菓子は目眩がするほど甘いものも多く…

番外編:アルコールがなかなか買えない!

スウェーデン人を始めとする北欧人がコーヒーをここまで愛する理由は他にも。実は北欧では、政府によりアルコールの販売が制限されています。

スウェーデンでは、アルコール含有率3.5%以下のものはコンビニやスーパーで買えますが、それ以上のアルコール飲料は国営の酒屋(Systembolaget)に行かないと買えません。この国営酒屋は、営業時間も短く日曜や祝日は営業もしていません。また、公共の場での飲酒も禁止されているなど、気軽にアルコールが飲めない分、嗜好品としてコーヒーが特に人気になったのかもしれません。

最後に

いかがでしたか?今回のNoteでは、「スタバが北欧で少ないのはなぜか?」という素朴な疑問から、北欧で圧倒的なシェアを誇りスタバを寄せ付けない espresso house の紹介とスウェーデンの文化に関することを書きました。

最後まで読んでくださりありがとうございます!

Tsubasa

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