皐月 おうちビストロ ~爽やかなフィールドを感じるワイン~
5月が慌ただしく過ぎて行こうとしている。
2ヵ月ぶりのおうちビストロ。
毎日、毎週、投稿しているnoterさんは尊敬する。
なかなかコンスタントに書けない。
今回は、この前つぶやいたワインをご紹介しつつ、あとはさらっと!
上山市で栽培・収穫、足利市で醸されたワインに合わせて
GWに訪れた、上山市のウッディファーム。
そのブドウ畑を案内してもらったとき、プティ・マンサンという品種についてたずねたところ、ウッディファームとココ・ファームのつながりについて、色々と教えてもらった。
(以下、記憶の範囲と、これまで見聞きしたことを合わせてご紹介)
足利市にあるココ・ファームは、以前から上山市の契約農家にブドウを栽培してもらい、収穫されたブドウを購入してワインを作ってきた。
ココ・ファームは創業40年を超え、数々の醸造家などを輩出。
日本ワイン業界で大きな存在感のあるワイナリー。
かつてココファームの栽培責任者だった曽我貴彦さん(現ドメーヌ・タカヒコ代表)から「プティ・マンサンを栽培して欲しい」と依頼があり、それを引き受けたのが、ウッディファームの木村さん一家と知り合いの農家の方だったそう。
ココ・ファームのある足利市は、夏の気温が高い。
ブドウの実は気温が高いと、「酸味」が抜けてしまいやすい。
バランスのいいエレガントなワインづくりに酸味は重要。
近年、温暖化もあり、酸味が残る早い時期かブドウが熟すまで待つか、どの段階で収穫するのがよいかワイナリーにとっては大きな課題になっている。
一方、プティ・マンサンは酸味をしっかり残しつつ、糖度の高いブドウが実る稀有な品種。
曽我さんは、日本の気候にも適した品種としてプティ・マンサンを推奨しているとのこと。
今回調べてみて、長野県の塩尻市あたりよりも山形県の上山市の方が年間の平均気温が高いことを知った。
山形って以外とあたたかい。
ココ・ファームの曽我さんがきっかけで、ウッディファームでもプティ・マンサンを栽培することにしたそう。
現在、プティ・マンサンはアルバリーニョと共に、ウッディファームで力を入れている品種。
そして、ココ・ファームと上山市のつながりは現在も続いている。
2020年に、ココ・ファームが上山市に畑を作り、ブドウの苗を植えたそうだ。
畑の名は「カミノ・ヴィンヤード」。
この畑に植えられたのは、プティ・マンサンやシャルドネ、カベルネ・フランなど複数の品種。
カベルネ・フランも、本来のポテンシャルを見直されされつつある品種である。
その「カミノ・ヴィンヤード」で初収穫されたブドウを足利の野生酵母で醸したファーストヴィンテージワインが「2022 野帳」。
ウッディファームの木村さんが「記念に購入したんです」と見せてくれたワインのラベルが印象に残った。
トランペットをくわえた白い鳥、フクロウ、かみのやまの盆地を囲む山の木々、収穫したブドウを運び楽器を奏でながら歩く人々。
かみのやまの雰囲気を表現し、ブドウの収穫を称える、優しい印象のラベル。
「2022 野帳」は、かみのやま温泉の駅前にある「山形ワインカーヴ」でも見かけたが、ココ・ファームからオンライン購入した。
ファーストヴィンテージのブドウは、以下の6種類
シャルドネ 42%
カベルネ・フラン 19%
アルバリーニョ 15%
プティ・マンサン 13%、
シュナン・ブラン 8%
リースリング・リオン 3%
上記の公式サイトで、「野帳」と「相性の良い料理」としてあげられていたのがこちら↓
このなかから、「サーモンのミキュイ」と「ブラックオリーブとタコのサラダ」を作ろう。
ミキュイとは、半生の意味。
↑レシピはこちらのサイトを参考に。
まず、サーモンを200g用意する。
レシピどおり、ジップロックに、水、塩、砂糖、サーモンを入れて、冷蔵庫で10分おく。
サーモンを取り出して、水分をふき取り、新しいジップロックに、オリーブオイル、コショウ、サーモンを入れて空気を抜き、45℃で低温調理。
このとき、少し欠けた身をそのまま食べてみたら美味しかった。
10分塩水に浸けて、いい塩梅になったサーモンを半生な状態に加熱。
ボールに入れた氷水でサーモンの温度を下げてから、袋ごと冷蔵庫で冷やす。
(この状態で3~4日は日持ちするそう。)
もう1品のタコサラダは、何度も作っている、モッツァレラ、タコ、じゃが芋、生バジルのサラダをアレンジ。
ゆでたじゃが芋、モッツァレラ、タコを1.5センチ角に切り、オリーブオイルと塩、コショウで和える。
生バジルは入れずに、ブラックオリーブを加える。
サーモンにはレモン果汁をかけて爽やかに。
パンも添えて、いざ実食。
サーモンは盛り付け前に炙られたが、香ばしい風味もわるくない。
ミキュイは、帆立でも美味しくできそう。
刺身ともカルパッチョとも違ういい食べ方。
さあ、ワインと合わせてみよう。
最初、ワインの温度が低い時は、白い花、柑橘類、青リンゴのような香りがして、フレッシュでドライな印象。
しばらくして温度があがってくると、黄色い花、桃、トーストのような香りもし、厚みが感じられてコク旨な印象に。
余韻はやや長めで味わい深い。
さすが、同じ畑で育った6種類のブドウがブレンドされているだけあって、多面的で複雑なニュアンスのワインだ。
サーモンの旨味やレモンの香り、乾燥バジル入りクレージーソルトを振りかけたタコのミネラル感やハーブの香り、ブラックオリーブやオリーブオイルのコクに程よくワインが合う。
黒ブドウであるカベルネ・フランの存在は、白ワインらしい色合いからは全くわからないが、グリーンオリーブよりもブラックオリーブに合う感じは、カベルネ・フランブレンドならではかもしれない。
初収穫でこのワインか!
「カミノ・ヴィンヤード」の今後が楽しみ。
GWに訪れた山形県。
一般的にワインのイメージは薄いだろう。
だが、デラウェアやシャルドネの栽培量では国内の大きなシェアを占めており、山形県産ブドウを入手しようとするワイナリーも多いようだ。
山形県産ブドウで作られたワイン、これまで以上に注目していこうと思う。
さて、新緑が爽やかな5月のその他の料理とワインも簡単にご紹介。
オイルサーディンとソアヴェ
まずは、白ワインつながりで。
弥生のおうちビストロでご紹介したイタリアのワイナリー、アレグリーニ。
今回はソアヴェで、ルガーナより軽い印象。
オイルサーディンとブロッコリーや白菜サラダを盛り合わせ、蕎麦などとともに。
和風な料理とドライな白の相性がよかった。
チキンソテー ブルーチーズソースと赤
スーパーで安くなっていたボルドーの赤ワインと、半額ブルーチーズで作ったソースをチキンにまとわせた料理の組み合わせ。
たしか、肌寒い日に赤ワインの気分で組み合わせた。
ボルドーにしてはタンニンが強すぎず、程よく穏やかでチキン料理にも合った。
焼き肉サラダとロゼ
1年ほど前にも作った、焼き肉サラダ。
今回は、イタリアのカラブリア州のロゼと合わせた。
焼き肉サラダは、牛肉、えのき、しめじ、赤パプリカ、ネギ、ふと思い付いてプチトマトも加えて炒め煮。
仕上げに酢や一味も加えるので、ピリ辛ドレッシング和えっぽくなる。
たくさん作ったので、会社ランチにも持って行った。↓記録撮影。
カラブリア州は、イタリア半島のブーツの先にあたり、唐辛子入りサラミなど辛い料理を食べる。
そのピリ辛の料理に合うのが、ガリオッポという黒ブドウの品種。
今回はガリオッポのロゼ。
ワインはロゼにしては濃い色合い、ブラックチェリーのような濃い赤い果実の香り、ローズマリーのようなハーバルな香りもして、唐辛子やトマトが入った料理によく合う。
飲み応えがあって、他にはない個性的なロゼ。
チェラウドは、数年前からどんどん美味しくなり洗練されて注目しているワイナリー。
南イタリアのワインは個性的で面白い。
今度、改めてご紹介したいと思う。
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5月になんとか間に合いました!
思っていたより長い記事になりましたが、昨日、嬉しいお届けものがあったので、もう1つ追加でご紹介します!
新品種を畑に植えるためにクラウドファンディングに挑戦されていたノーザンアルプスヴィンヤードさんが、無事、目標金額を超えられて、そのリターンのワインが届きました。
今回ご紹介した「カミノ・ヴィンヤード」もそうですが、新しく苗を何千本も植えるのって大変だと思います。
でも、新しい畑って希望もたくさんありますよね。
新しく植えたブドウが実って、ノーザンさんのソーヴィニヨン・ブランなどのワインがいただけるようになるまで、数年間、楽しみに待ちたいと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました🍷