見出し画像

ニンジャスレイヤーをAoMシリーズから読む/【ラグナロク・オブ・ピザ・タキ】(後)

こんばんは、望月もなかです。
ピザタキトリオにザック少年が加わった結果、

  1. コトブキ暴走バイクにサイドカーが取り付けられ

  2. サイドカーが壁面にぶつからないよう暴走度がややマシになったのでマスラダとタキの負担が減り

  3. コトブキはピザ屋に前向きな仕事仲間ができて喜び

  4. 新事業(マスラダの依頼斡旋)に時間を取られピザ業リソースが圧迫される問題は少年の働きで解消され

  5. ザックも信頼できる大人の庇護下で衣食住が保証される

…と全方位にWIN-WINな関係性が構築されてるの、すごくいいな〜と思って眺めています。ザック少年もいつかは独立して自分の道を歩んでいくのかもしれませんが、背が高くなっても声変わりしても、ずっと「アニキ」「姉ちゃん」「タキ=サン」って呼んでいてほしい。思春期になってタキさんに反抗期して飛び出して失敗してマスラダとコトブキに連れ戻され俯きながら冷凍ピザ食べて泣いてほしいんですよね…見えるでしょ、ほら、未来が(壁を見つめている)(ヤバい)

前回の感想はこちら。

◇◇◇

今回のエピソードはこちらです。

AoM-PLUS/【ラグナロク・オブ・ピザ・タキ】後

同じ広場で競合するテイクアウト・ピザ。コトブキたちは、「ピザスキ」に提供スピードでもプロモーションの派手さでも太刀打ちできなかった。資金力が段違いなのだ……

 ♯3

「ただでさえケチがついてるのに、こんな天気になっちまって。まるで、カイシャクだぜ……」(略)
「ネオサイタマは雨天が多いんです。そんな時こそ、熱いピザを食べて元気を出したい人だって、居るに違いないですよ!」
「そうかなあ……」

雨に慣れていないザック少年かわいい。ネザーキョウは紅葉の国で、色彩豊かで晴れてましたものね。その気持ちわかるなー。

私も太平洋側(冬は晴天)育ちなので、いまだに日本海側(冬は曇天)の気候が肌に馴染まないんですよ。十五年以上住んでますし、生まれ育った場所よりも好きなんですけど、冬に青空が見えないことに違和感がある。異国に慣れるのって難しいなぁ〜と思います。ザック少年よくやってるよ。

タキさんの経営分析かっこよかったです。
ザック少年の抗議にもまぁ同意。

そ……それはタキ=サンだけだろ! 痛くも痒くもないのは! 姉ちゃんのお金だって、そのうち無くなっちまうよ。このままじゃ……」

ほんとにね…原材料がコトブキちゃんの貯金からなのはさぁ……堂々と自慢するようなことじゃないでしょ!www

一方で、そもそもコトブキちゃんは押しかけ従業員なので、お給料払ってるだけでもタキさんは偉いんですよね。とも思う。
「従業員がいなくても回っていた店に人件費が発生する」って結構な打撃じゃない? 経営的に……。しょっちゅう「マスラダについて冒険の旅に行く」という私的な事由で長期間不在にしますし、コトブキちゃん目当ての客足が遠のくとか掃除が行き届かないとかの不便は多少ありますけど、コトブキ不在でも常連客はいましたからね。
KOLに賠償金請求を上積みしてピザワゴン購入(設備投資)してくれて、口出しせずコトブキのやりたいようにやらせてくれて、経営分析とアドバイスまでしてくれてるんだから、かなり良心的だと思うなあ。

「……とにかくだ。ネオサイタマってのは冷てえ街だから、コトブキみたいな脳天気なヤツの態度は、ささくれた心に染みるンだよ。(以下略)」

ふふ、ふふふふ。
そう……なるほどね。タキさんのささくれた心にもコトブキちゃんの馬鹿正直で能天気な態度がじんわりと染みた日があったんですね(曲解)。ふふっ。
まだマスラダたちがナスカで行方不明になる前のこと……クソみたいに胸糞悪いビジネスがあった翌朝、雨音に紛れて、常連客のくだらない話に相槌を打つコトブキの笑い声を聞きながら、カウンター奥でオレンジ色の髪を横目に啜ったコーヒーの味はなぜだか思ったより…首を傾げたタキは怠い瞼を見開いてコトブキを見……コトブキちゃんは視線に気づいて首を傾げ、にっこりとタキに笑い返す。…そう。そういう温かな瞬間が二人にもあった。今私には見えた。はっきりと。あなたにも見えた。ほらね☆(塀に話しかけている)(ヤバい)

タナパシさんの謎悪夢のシーン、まあメチャクチャなんですけど、ちょっと興味深かったです。ひょっとして、忍殺世界において、夢ってインターネットなの?

 己の置かれた状況に気づいたタナパシは驚愕し、逃れようともがいた。動けない。頭上では黄金の立方体が静かに回転している。
 ゴーン。ゴーン。鐘の音が鳴る。赤い溶岩じみた大地と闇の空。川向うでは前傾姿勢の不気味なグール達がデーモンに鞭打たれながら行列している。

これ、オヒガンの風景…というか正確にはヤモトさんが旅し、明智光秀が君臨したネザーオヒガンの風景に近くありません?

「いいですか、基本原則。インターネットはオヒガンであり、現代においては、この世に超自然的なものを呼び寄せるものです。規定事実ね、これ」

S3第8話【カレイドスコープ・オブ・ケオス#3

シルバーキー氏やサロウの「コトダマ空間への自由な干渉を可能にする力」の名前が「ユメミル・ジツ」なのも気になっていたんですよね。
忍殺世界においては、夢の中もまたオヒガンに準じる世界であるってことなのでしょうか。各人の無意識的領域にローカルコトダマ空間があり、そこからインターネット世界へログインできる(【ヴェルヴェット・ソニック】でサロウがやっていた)以上、あり得ないことではないかもしれない。
イコールではないにせよ、オヒガンの世界と混ざりやすい場所なのかな……

◇◇

 ♯4

ピザスキは焦っていた。初動で圧倒的な差をつけることができず、ピザタキの巻き返しを許してしまったのだ。狼狽えたマトウは鉄仮面ディーンの甘言につられ、非合法な妨害工作に手を染めてしまう。

 スパーン! クローンヤクザはノマを押さえつけ、尻を卓球ラケットで打擲した。そして凄んだ。
「私はここで偶然あなたと卓球をしているだけです。暴力とはどういう意味でしょうか? 名誉毀損的ですね。訴訟しますよ」

訴訟?訴訟なら俺に任せろ。並んだお前らのサングラスをこの鋼鉄入り卓球ラケットで片っ端から叩き割る。裁判官も俺。有罪。有罪なので片っ端からお前らの角刈りを丸坊主にする。判決、焼却炉に収監。以上。

妨害が頭おかしすぎる。
一線を超えるとか越えないとかそういう問題じゃなくない??

「救急車! 救急車たのむ! 安全な救急車を……!」

安全じゃない救急車あるんか……(ありそう)(ネオサイタマ最悪!!)

でも、俺たちはヤクザじゃない。暗黒メガコーポなんだ。

お、おう。営業成績を求めるあまり越えてはいけない一線を越えてしまった一サラリーマンの悔悛が味わえる良いシーンなんですけど困惑が拭えない。暗黒メガコーポが善良みたいな言い方をされても困る。

彼が持ち込んだ三体のカニドロイドは、せっせとベッドの綿を解体し、ソファを破壊し、カーペットを切り刻んでいる。

カニドロイドって何?
何でそんなものが商品化されているんですか? 商品化されているってことは、つまり誰かがビジネスになると判断してハンコを押し、商品化の流れを作り生産工場のラインに乗せたってことなんですけど。カニの形のロボット? なぜ? どうして? 何のために??? うそでしょ?

「あ……ありがと!さすがタキ=サンだぜ……!」
『オレはテンサイ・ハッカーなんだ。こんなのはよォ、ピカソが社内報のカートゥーン描くようなもんだぞ。もったいねえンだぞ!』

一般人レベルの小競り合いになるとタキさんが情報&ハッキングで無双しまくれるの最高~~~~!!!!超気持ちいい~!ヒューッ!(マスラダ!お前こんなスキル持ちにタダ働きさせてたらそりゃ文句の一つも言われて当然なんだぞわかっているのかマスラダ!!!)

◇◇

 ♯5

コトブキたちはハイウェイ配達サービスを足掛かりに、ピザタキワゴンの盛り返しをはかる。ピザスキ側もまた、ハイウェイをピザタキの墓場にすべく最終兵器・武装ピザワゴンを繰り出した!  仁義なきイクサはついに最終局面へ――!

ピザの話ですよね?

キモンの専用カスタムバイク「狛犬」のネーミングがかっこいいです。作画されたの見たい!

「感謝しています、タキ=サン!」
「タキ=サン! タキ=サンしかいねえんだ! 頼みの綱なんだ!」
「まったく仕方ねえ連中だぜ」
 タキは舌打ちしたが、己が頼りにされて懇願される事に心の中で確かな快感を覚え、鼻をふくらませ、不快表情の口角をぴくぴくと動かしていた。

チョロQ〜

タキさんチョロすぎて心配になる。そんなんだからヒモ黒猫に寄生されるんだと思います。

「ピザスキはピザチェーンなんだ。なぜ炎とかジゴクとか、そういう物騒な言葉が出てくるんだ……!」

まったくもって一言一句その通りだよ!!!

ハァッハァッ 突然襲ってきた危機的事態に秒で対応するタキさんとコトブキちゃんの息の合ったツーカーっぷりに興奮のあまり顔を覆ってのたうち回ってしまい、私は私は私は!!!!

「運転変われ!」
「エッ……? わかりました!」
 タキは助手席に移動し、後ろから這ってきたコトブキにハンドルを任せた。(略)
「どうにかすッから! しばらくキアイで動かせ!」
 激しい蛇行運転の中で、タキはダッシュボードにLAN直結した。

アアアアアアァァァ!!

ニヤニヤするニヤニヤする、もう駄目です!!!! タキさんとコトブキちゃんのタッグ大好き!!! 「どうにかすッから」が好きすぎて表情が駄目!!

「アイエエエエエ!」
 着弾し鉄板が歪む悲鳴じみた音! 激しく蛇行するピザタキワゴン! 頭を抱えてうずくまるザック!

ザックくん、夢のネオサイタマに来たと思ったらピザ売ってるだけで装甲車両の銃撃戦に巻き込まれるのかわいそうすぎる。シーズン4ではピザ配達してるだけでニンジャ拡張肢男に誘拐されたし……同情します。ごめんね。異常な都市だけどネオサイタマのこと嫌いにならないでほしいな……カラテビーストよりはましだと思うから……いや、そうでもないな?どっちもどっちでは?(我に返る)

何が異常なのかわからなくなってきた、忍殺世界はどこもちょっとずつヒドくておかしいから……。

「Wasshoi!」

ゲヒヒヒヒヒヒヒヒヒwwww マスラダwww 

『お前……な……何しに来やがった』
 慌てる電子タキの背後に、不機嫌な顔の電子ニンジャスレイヤーが立った。タキのニューロンに繋がったニンジャスレイヤーのIRC通話である。『こっちのセリフだ。どうなっている、これは』

マスラダほんとピザタキのピンチには必ず来るんだからオホホホホホ
あと慌てるタキの背後に電子的に立つの良すぎてもうむりでーーーーーーーーす!! ヒャヒャヒャヒャ!! 変な笑いが止まらなくなってる!何度読んでもだめ!全然慣れない!! 

っていうか「こっちのセリフだ」っていうセリフが気安すぎてギャーってなっちゃうんですけど何これ、ねぇなんですかこれ!!?!? こっちのセリフだ!? シーズン1では絶対言わなかったでしょこんな……こんなのさあ!!! やったーーーーー!!!!

「待ってください!? ではピザタキは関係ない……」

そうね

タナパシは涙を拭った。
「焼くのはピザです。ハイウェイでも、街でも、ピザタキでもない」

そうね。

ピザスキが真のピザスキ魂に目覚めてなんとかなった。怒りに耐えられず拘束金具がはじけ飛ぶシーンのガバガバにバカな描写(誉め言葉)大〜好き!!

「ピザタキ、一筋縄じゃいかんなあ」(略)
 KOLネオサイタマ支部のサラリマン達はため息をつき、紙ファイルを後ろに投げた。
「まあいいさ……これぐらいの嫌がらせをしておけば、報告書もまとまるだろ? 間が持つっていうか」
「まあ、そうですよ! ハハハハッ!」

KOL……こ、この……ネオサイタマとAoMのクソを魔女の大釜で煮詰めたスタイリッシュ泥棒猫カンパニーがよ……

ちゃんと報復行為して片を付けるタキさんカッコいい! 今回タキさん大活躍でしたね。嬉しいです。めでたしめでたし。

マトウとタナパシ、そして彼らの直属上司であるカカリチョは、タタミの上に横並びで正座させられていた。両腕は後ろ手に縛られ、膝の上には仕置きの真鍮ピザが何重にも重ねられていた。これは一種のイシダキ拷問といえた。

仕置きの真鍮ピザって何?

お話はめでたしめでたしで終わったはずでしょ? 何言ってんの? このピザ屋おかしいよ。「部下除名嘆願」もいいシーンみたいに書かれており(実際ことなかれ主義の権化だと思われていた上司が部下のために命を懸ける熱いシーンではありますが)、騙されそうになりますが、そもそもイシダキ拷問の時点でおかしいし膝に乗せるのが真鍮ピザなのはさらにおかしいですよ。

「火曜日のみ石窯ピザ稼働! コトブキとザックの日」

もうザックくんも立派なピザタキの一員であり、ピザ屋店員ですね。馴染めたみたいでよかったよかった。めでたしめでたし、

 向かいのビルの屋上、赤黒の影は窓越しに店内の様子を眺めながら、スシ・パックのスシを咀嚼し終えると、身を翻し、跳び去った。

ピザ食えよ。

何なんですかマスラダくん!??!?? 石窯なら食べてくれるんじゃなかったんですか!!? 何で!? タキが見てるから!!? 跳び去るな! 食べてけ! ピザを食べていきなさいよコトブキとザックの日なんだぞ!!!コラーーーッ!!!


おまけ・手書きノートログ

いつもの。
手書き感想ノートを端末カメラで撮っただけのやつです。内容はほぼ同じですが、ところどころ記事では取り上げなかった感想メモがある+こんな感じの

ちまちましたノート隅の落書きがたまにあります。
補足代わりにどうぞ。


シーズン4もいよいよクライマックスということで、長らく続いたクソガバ儀式にどうにか決着をつけてまたマスラダくんがピザタキに帰れるようになってほしいです。日常に戻ったらまたこういうどうしようもないお話をエピソード化してほしい!

ではまた、次回の感想でお会いいたしましょう!

--------------

参考:過去のピザNTR関連記事

--------------

【AoM感想目次】


楽しいことに使ったり楽しいお話を読んだり書いたり、作業のおともの飲食代にしたり、おすすめ作品を鑑賞するのに使わせていただきます。