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ピザを食べないマスラダ・カイまとめ

「なんでアイツがピザを食うんだよ。オレの店で他所のスシを取るような外道だぜ! アイツがなんでピザを食うんだ!」

【ラグナロク・オブ・ピザ・タキ ♯2】より

◇◆◇

正確には「タキのピザを食べない」マスラダ・カイまとめです。いつかは書こう書こうと思っていた「ピザタキのピザを食べないマスラダ・カイまとめ」。それが……まさかマスラダはコトブキ&ザックのピザなら食べる(=タキのピザだけを食べない)という事実が公式から投下されるなんて思わないじゃん……?

なぜマスラダ・カイがタキのピザを食べないのか。

パック・スシは食べるのに、なぜ冷凍ピザはダメなのか。

ピザ拒否だけならまだしも、わざわざピザ屋店主のタキに命じてスシをデリバリーさせるのはなぜなのか。さすがに外道が過ぎるでしょマスラダくんそれはさぁ…。

理由は誰にもわかりません。我々にできることは、ただ淡々と事実を拾い集めることだけなのです……


【ピザを食べないマスラダ・カイまとめ】

 

シーズン1

「なあ、ピザ要るか?ピザ屋なんだ。一階はな」
ニンジャスレイヤーは懐からスシ・パックを取り出し、カウンターに無造作に置くと、蓋を開けてマグロ・スシを食べ始めた。
タキは眉根を寄せた。スシの調達をしたのか? なんて奴だ。(略)
「へえ、スシか......」「......」ニンジャスレイヤーはタキを睨みながら黙々とスシを食べ終えた。

S1第2話 【マーセナリイ・マージナル ♯1】
怪しげな猫缶ピザ など食べない

はじめてのピザ拒否。
はじめてのピザタキ店内スシ行為。

自力調達したパック・スシを食すマスラダから、タキへの警戒心がビンビンに伝わってきます。

◇◆

タキは両手を挙げて観念した。「ッてことはお前、ナハトローニンを殺ったと! オーケイ! 追加の情報もあンだろ? よかったぜ、これでオレの情報収集も更にはかどる......はかど......ピ、ピザ食えよ。アツアツの!」
ニンジャスレイヤーは両手をタキの肩に乗せた。「要らん」彼は言った。
(略)「......」ニンジャスレイヤーはやがて言った。「スシをとれ。今すぐにだ」
「スシだと」恐怖を一瞬忘れ、タキは傷ついた目で見上げた。「ふざけるな、ここは ピザ、屋......?」
ニンジャスレイヤーはタキを押さえつけたまま気絶していた。店内に正気の者はほとんどいなかった。半日もすれば誰もがこの恐怖の記憶を失ってしまうだろう。タキは溜息をつき、スシ屋にIRCを繋いだ。

S1第2話 【マーセナリイ・マージナル ♯3】

初期のギスギス期からしか取れない貴重な栄養素があります。ありがとうございます。

タキの情報に価値を見出したマスラダが、ピザタキに己の意志で戻ってきた記念すべきシーンです。マスラダが、エピソード冒頭では自力で調達していたスシを、帰宅後はタキに調達させた、という変化に注目してください。

これはマスラダの転換点なのです。

忍殺世界においてスシは生命力であり、尊厳とほぼ同義語です。

マスラダはタキの前で「ピザを拒否する」ことで、「お前に気を許したわけじゃない」という主張を態度に表しているんですね。

一方で、「スシはとらせる」という変化がありました。マスラダが「タキの情報屋スキルに僅かなりとも敬意を抱いた」ことの暗喩です。
ナハトローニン情報が本物だったことで、少しだけ、ほんの少しだけ、マスラダの警戒心が薄れたわけですね。サツガイ情報をタキに調べてもらうため、ピザタキに戻ってきた。ニンジャスレイヤーと情報屋タキのタッグが名実共に誕生したのは、このエピソードからなのです。

繰り返します。
シーズン1第2話の冒頭/結びで繰り返された、
「ピザ食うか?」「(拒否)(スシもぐもぐ🍣)」
……このやりとりが、ニンジャスレイヤーの転換点なのです!

タキには知るよしもなかったでしょうが、彼がマスラダのためにスシを取らず一目散に逃げ出していれば、死神は遅かれ早かれ自滅していました。でもタキはスシ屋にIRCをつないじゃったんですよね……ばか…好き……ふふっ。ふふふふふ。


◇◆

「タキ=サン。調べ物だ。今すぐだ」市場で買ったものか、彼は手にした林檎のワックスを服で拭いながら入って来た。

S1第7話  【ダメージド・グッズ ♯2】

ストーム・イナ・ユノミを経てそこそこピザタキに馴染んだマスラダくんです。市場で買った林檎を、ピザ屋に持ち帰って食べるらしい。そこの冷凍庫にピザあるでしょ。食べなよ。

◇◆

「いや、いい」マスラダは素っ気なく手で合図し、ピザタキの奥へと向かった。バチバチと火花を散らす裸電球の下を通り、ドアを越えて、見えなくなった。
「ピザもありますよ」「ほっとけほっとけ、あいつワーカホリックなんだよ」マスラダが居なくなるのを見計らってから、タキは残念そうな表情のコトブキに言った。

シャード・オブ・マッポーカリプス(28):ネオサイタマのアクション映画とVHSテープ

コトブキちゃんの誘いでもだめです。
ピザタキでピザは食べない。

こうして見ると、シーズン1において、マスラダ-タキ間でピザスシ攻防が発生したのは【マーセナリイ・マージナル】1エピソードのみなんですね。意外に少ないことに驚きました。

じゃあなんで『あの事件』が……あんな空気を纏っていたんですか!?
というわけでシーズン2の大事件。

シーズン2


【シトカピザNTR事件】

「ガガピー......ザリザリ......オイ、なんだそりゃ? ピザか?」モニタには薄汚い金髪の男の顔が表示された。タキだ。ネオサイタマからのIRC接続が確立された。「ピザを食うのか?」ロボットは卓に近づいた。マスラダはピザを大きく取り、無言で齧りついた。食べながら、さらに大きく取った。
(略)黙々とピザを頬張るマスラダにスージーがタッパーを渡した。「ほら。スシだよ。お望みの」マスラダは頷き、受け取った。
ピザを呑み込み、自家製のジンジャーエールで流し込み、スシタッパーの中からマグロとイカを取り、順に咀嚼する。コトブキがビスマルクの一切れをマスラダに手渡す。半熟の卵の黄身が滴り落ちる。手ですくい、生地に乗せ直して、かぶりつく。フジキドもスージーにスシを所望した。
タキはモニタ越しに彼らの食事を無言で眺めている。

S2第5話 【カウンシル・フジミ ♯1】

衝撃の事実。
マスラダは……ピザタキのじゃないピザは、食べる。

タキの眼前でわざわざその事実を見せつけるマスラダ。タキの打ちのめされた心情を把握しているのはこの場でマスラダ・カイ一人だけ(多分)。
ほんとなんなんでしょうね?  私も知りたいよ。


シーズン3


ネオサイタマに帰る。彼女の遺志を俺が継ぐ。
譲れない思いを胸に、ニンジャスレイヤーは、リアルニンジャ明智光秀を打ち破った。コトブキとともにピザタキへと帰還した彼はカウンター席に座り……

 マスラダは立ち尽くすタキの横を通り、カウンターに向かった。
「スシのデリバリーを頼む」
 席に座るなり、彼はタキを振り返って、言った。

シーズン3 ボーナストラック 【バック・イン・NS】

はい(頬杖)。

なに?
「おれ達はまた『ここ』から始めるぞ」宣言ですか?

なるほどね。そういう「おれたち」にしかわからない符牒で帰宅後の第一声を。タキにならわかってもらえるっていう甘えを感じますね。いやまあこれは幻覚ですがマスラダが精神的にタキに甘えているのは私の贔屓目を引いても事実といっても差し支えないのではないかと思うんですよねそうなるとこのあまりにも舐めきった再会第一声はやはりマスラダからタキへの遠回しな「ただいま」であると解釈してもそこまで的外れではないんじゃないでしょうかだとすればなぜ「スシのデリバリー」が「ただいま」たりえるのかという命題が発生するわけですがここで重要な証拠となるのはAoM全編を通して唯一これに酷似したやり取りが発生していたのがシーズン1第2話であるという事実d……というかこうして振り返るまで「ピザ食うか」「(無視)スシもぐもぐ」の応酬がシーズン1第2話、あれ1回切りのやりとりだなんて思ってなくてさぁ私はさぁ!(机バーン!)つまりつまり、🍕🍣攻防が「毎度お約束のやりとり」じゃなかった以上これは…これは「二人の始まりを違う形でもう一度」なんですよ明らかにこれは……ハハハハいやそんなことある?私にあまりにも都合が良すぎるが!?幻覚じゃない!?幻覚……じゃない!ええぇマジでぇFooOOO!?

要は
ニンジャスレイヤーと情報屋タキのタッグが名実共に誕生したのは、S1第2話の「ピザ食うか?」「(拒否)(スシ🍣デリバリー要求)」のやりとりからである】
という仮説を踏まえてシーズン3ラストを読むと、何度でも狂えるってわけですよ。わかりますね。わかってください。私は事実を精緻に組み上げた限りなく現実に近い推論について話しています。(渦巻き目)


シーズン4

ピザタキに日常が戻って来た。
だが平穏な日々は長く続かない。

1.KOL社との地上げバトルでビルが炎上

 マスラダは息を吐き、その場にアグラした。コトブキも隣に座った。「芋を焼くぞ!」戻ってきたキタノスクエアビル居住者を、タキはしかめ面で見た。「芋なんか食ってられッかよ!」(略)
「まあ結果オーライ。買ってきたピザ出せ。焼いて食うから」「なんだよォ。ちゃんとわかるように説明してくれよな!」「後でな、後で」
 オカモチ・カーゴに山と積まれた冷凍ピザ。マスラダはそれに背を向け、他の居住者と共に、芋を火に投げ込んだ。

プレS4【キタノ・アンダーグラウンド】♯5

なんでこの文脈で家族団欒に背を向けたんだおまえは。

人の目があるから絶対に食べないってこと…? そこまで引っ込みがつかなくなってるの…? ザックくんが運んできてくれたピザなのに? コトブキちゃんが隣にいるのに? なんで食べないの??? マスラダの気持ちがわからないよ???

◇◆

2.ピザワゴン勝負が勃発。

「この前、依頼ミッションの合間を縫って、ニンジャスレイヤー=サンも来てくれました。味にもゴーサインを出してくれたんです」
「ハァ? 何だと?」
 タキは聞き捨てならなかった。
「なんでアイツがピザを食うんだよ。オレの店で他所のスシを取るような外道だぜ! アイツがなんでピザを食うんだ!」

「きっと応援してくれたのです(略)
 ザック=サンは一人前の人間として、自分の面倒を見てくれているタキ=サンの役に立ちたいと考えています。義侠心と、やり甲斐に燃えているのです。ニンジャスレイヤー=サンも、そんなザック=サンの熱い心に、なにか感じ入るものがあったに違いありません……!」
「オレの店で出してるピザは……ピザは昔からあるんだ。冷凍のやつが! それを、アイツ……! 依頼を回してやってるのはオレなんだ!」
「タキ=サン……?

【ラグナロク・オブ・ピザ・タキ】♯2

やっぱりコトブキちゃん、タキーマスラダ間のピザをめぐる繊細な機微に気づいてないんですよね……いやなんで二人で……そんなお前らは……何してんの??シテンノ!??パータコ姐さんコメントもらっていいですか!!?

つまりあれですか。ザックとコトブキが焼いたピザならOKと。タキの冷凍ピザを食べるのだけを断固拒否していると。そういうことなんでしょうか。なんでだよ。

 コトブキは巧みなローラースケート操作でテーブルを回り、接客する。ザックは得意げにタキを見た。タキは鼻を鳴らし、エッチ・ピンナップのページをめくった。
 向かいのビルの屋上、赤黒の影は窓越しに店内の様子を眺めながら、スシ・パックのスシを咀嚼し終えると、身を翻し、跳び去った。

【ラグナロク・オブ・ピザ・タキ】♯5

店入って食えや!!!!!!!!!!!!!

石窯やぞ。コトブキとザックの日やぞ。美味しいピザじゃん。ゴーサイン出したんじゃん。何が不満なの? タキの見てる前だからダメってこと!? ピザは浮気相手かなんかなの!?

◇◆

3.リアルニンジャたちのクソガバ儀式に巻き込まれる。

シーズン4本編、カリュドーンの儀式に強制参加させられたマスラダ・カイ。不透明な状況下、ピザタキに帰れない彼の元に現れたのは、心強い仲間だった!

「途中から訊かせてもらいました……! そのう、そこの外で!」そしてコトブキは手にした紙パックを差し出した。「配達ピザ、食べますか!」「スシがある」

S4第2話 【ケイジ・オブ・モータリティ ♯2】

輝かしい後光と共に現れたコトブキちゃんが差し出したピザになんという言い草でしょう。許せません。フィ氏のスシとコトブキちゃんの配達ピザ、両方食べればいいじゃないですか。シトカではピザとスシを同時にがっついていたじゃないですか。なんで? まさかモニター越しにタキが見てるから? 浮気相手かなんかなの!?

◇◆

狩人マークスリーのアリガト・パーティーで不本意ながらピザタキに戻ったニンジャスレイヤー。コトブキもザックもタキも、熱々ピザに舌鼓を打つのだが。

 マスラダは懐からスシ・パックを出し、しかめ面で咀嚼した。
(略)
 コトブキはマスラダを見る。手振りでピザを勧める。マスラダは首を横に振った。今この時も、彼はマークスリーの奇襲を警戒し、不測の事態を警戒し続けているのだ。

S4第3話 【マスター・オブ・パペッツ ♯3】

まあこれはね。ピザを食べる→「隙を見せる」判定なのかな。スシは食べてるけど違いがわからないな。引っ込みがつかなくなっているだけのような気もするな。 

追記:シーズン4・最終話~エピローグ

2023年6月17日のTwitter連載で、シーズン4が完結しました。
シーズン4は最終話からエピローグまでずっと熱い展開でしたね。

何より第8-9話【ビースト・オブ・マッポーカリプス】では、ピザタキの石窯ピザワゴンが大活躍。ハッキングチームを守るため、必死で石窯ピザをワンオペ提供しまくる健気なザック少年の成長は記憶に新しいところです。

さて。ようやくすべての戦いが終わり、マスラダくんはネオサイタマに帰ってきました。半壊したマルノウチ・スゴイタカイビルには、ザナドゥ&マスラダのアートが輝いています。懲りないネオサイタマ市民はさっそく自撮りのために集います(あほなの?)
見物客を狙った屋台も競い合い……

「スシ!青空記念だ!」「ならウチのソバは磁気嵐消え記念!」「なんだと?」屋台の諍い。 48

「記念のソバ!」「ネギ!」「こっちは記念のスシだ!」「こっちはピザだ!ピザが一番栄養あるぞ!」「何だと!?」屋台の言い争いに、聞き慣れた声が加わった。

そう、我らがピザタキワゴンもやってきたのです! 修羅場を乗り越え、ピザ屋接客が板についてきたザック少年! マスラダとコトブキを案じる素直じゃないタキさん! ハァハァ、最高……

ところで、
第8話【ビースト・オブ・マッポーカリプス(前編)】で、タキはマスラダくん相手にこんな通信をしています。

「よう、やってるか? モシモシ、こちらは稲妻みてェに迅速な移動ピザ屋、ピザタキでござい。腹減ってるんじゃねえか?」ギャルルルル! タイヤが唸り、ダッシュボードの上を多面体ドロイドが行ったり来たりする。「こっちの調子は上々。必要なら、ピザを届けてやってもいいんだぜ?

なおマスラダくんからの返答は書かれていません(描写自体がないので)。結局ピザの宅配は行われませんでした。頼んでくれなかったんだろうな…

カメラを儀式終了後に戻しましょう。

ボロボロのコトブキちゃんと寄り添って立つ、これまた満身創痍のマスラダくん。青空に輝くインスタレーション展示。すべてが終わりました。
連戦に次ぐ連戦で、マスラダくんは相当に消耗しているはずです。
おなか……すいてるよね!? ねっ!?

マスラダとコトブキはそちらに向かって歩き出した。「ピザタキのピザ!石窯だぜ!」ヤケクソでアッピールし、ピザを売りつけるザックの横で、タキがマスラダに気づいた。タキはニヤリと笑った。「よォ、迷惑野郎。問題は片付いたかよ」「片付いた」「ならピザでも食って……」「兄貴、売り切れた」

なんでだよ!!!!!!!(地団駄)

まあ、今回は、マスラダくんの意志で断ったわけじゃないし。売り切れなのでやむを得ないともいえます。だがもし売り切れでなかったとして、マスラダくんはピザを食べたのでしょうか。スシ屋台の存在感が急に大きくなってきましたね。私はちょっと懐疑的ですね。

しかしタキさん、ビースト~でもエピローグでも、なぜか急に積極的にピザをおススメしてきてますね。これまでは「オレにスシ取らせやがってあの野郎!」くらいの態度だったのに、繰り返し「ピザ食う?」って明るく話しかけてるの、ちょっと違和感がある。

やはり、「コトブキちゃんとザック少年の石窯ピザは食べた」という事実に傷ついているのでは?

オレのピザは? オレのピザも食べるよな? という焦燥を感じます。
疎外感を感じちゃったのかもしれない。不憫。


追記2:シーズン5幕間〜デス・アウェイツ・ピザ・タキ

時は西暦2023年12月31日深夜。
恒例の年末年始プログラムが始まりました。特別更新プログラムとしては珍しいことに、シーズン4〜シーズン5の幕間にあたる、公式時系列のエピソードです。

雪降りしきる大晦日の夜。除夜の鐘めいて108回復活可能なサツガイギフト持ちニンジャが現れた!空気を読まずに2回目で爆発させたマスラダ・カイであったが、大怪我を負い、ピザタキ店内で回復に努める…

「まあとにかくよォ」染めた金髪を雑に後ろで縛った男……ピザタキ店主の「タキ」は、床に落ちた血が染みになる前に、急いでモップで拭く。「命あっての物種だ」「……」カウンター席では殆ど突っ伏すような状態で、ニンジャスレイヤーが深く呼吸している。溢れる血の殆どは、その場で蒸気と化す。

店主に血を掃除させるマスラダ、どこからどう見ても精神的に甘えており、(こっ、こいつ……!)となる。スシより先に、タキのそばに帰ってくるのさぁ……ほんとさあ…。

「スウーッ……フウーッ……」背中が上下するさまを気まずく見ながら、タキは頭を掻いた。「急に来られても、こっちは年末ピザ配達の準備があッから。そう簡単にウチのピザが食えると思ったら甘いんだぜ

やはりタキさん、ラグナロク・オブ・ピザタキの事件を経て、マスラダにピザ食べてほしい気持ちを隠さなくなってきている。「お前だって本音ではピザ食いたいんだろ?(そうであってほしい)」という気持ちがダダ漏れ。かわいい。

「スウーッ……フウーッ……」ニンジャスレイヤーは立ち上がった。奥の冷蔵庫を開ける。

オッ? 冷凍ピザを出すのかな?

 冷蔵庫の中にはスシ・パックが入っていた。

なんでだよ!!!!(机を拳で叩く)

店の業務用冷蔵庫に勝手に自分の食べ物を入れるんじゃないよ。しかも生ものを……!それはさすがにダメだぞ!マスラダ!!!

……でもね。まあね。これは私の持論なのですが、忍殺世界観において、スシと尊厳はほぼ同じ意味ですからね。つまりピザタキの冷蔵庫に自分のスシをこっそり仕舞って、たまにタキの前でこれ見よがしに取り出すマスラダって……考えようによってはピザなど比べ物にならないほどのデレ行為だと思うんですけど……いやいや。ふざけるなよ。なんですかそのわかりにくい甘え方は。いい加減にしろ。

ニンジャスレイヤーはパックを取り、スシを口に運ぶ。タキを睨みながら咀嚼する。「……」「ピザは食わねえのか!?」「要らん。配達しろ」

タキさんのセリフ語尾が「?」じゃなくて「!?」なところに必死さすら感じる。す、すれ違っている。タキはマスラダに(冷凍ピザを)受け入れてほしいが、頑なに拒否されている。雪降りしきる大晦日の街の片隅でピザタキ店主は今宵も密かなショックを受けており、マスラダは…タキを睨みながらこれ見よがしにスシを……いやいいじゃんピザくらい食べても!? 何がお前をそこまで頑なにさせる!?

別にいいじゃん二人きりなんだからさぁ〜。コトブキやザックに目撃されることもないし…一口くらい食べてあげてもバチは当たらないと思うんですけど。そもそもなんで冷凍ピザをチンして食べるか否かだけでこんな秘密めいた空気が伴っているんだ。おかしいよ。

 マスラダは深く息を吐き、再びスシを食べ始めた。タキはマグカップにチャを注ぎ、カウンターを滑らせた。「マジで平気なのか? お前?」「……食って治す」マスラダはチャを取り、スシを流し込んだ。

お茶は飲むのかよ……

マジでなんなんだ…マスラダの気持ちがわからないよ……

とりあえずピザを食べないマスラダ・カイまとめは以上です。ほんとに食べないなコイツ。(シーズン5幕間まで)(増えたら追加します)

◇◆

番外編。

 ニンジャスレイヤーとザナドゥは言葉をかわすことなく、アブストラクト・オリガミと桃のネオングラフィティを前に、ウメ・オカカのオニギリを食べた。

S4第5話【デストラクティヴ・コード】

アート仲間のオニギリは食べる。
終わります

楽しいことに使ったり楽しいお話を読んだり書いたり、作業のおともの飲食代にしたり、おすすめ作品を鑑賞するのに使わせていただきます。