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ニンジャスレイヤーを第4部から読みはじめる/シーズン2_23「アルター・オブ・マッポーカリプス」(4)+おまけ(5)

出戻り初心者ヘッズの望月もなかです。こんばんは! 
ついにシーズン2のフィナーレです。苦しみも恐ろしさも後悔も、すべてを内包し、力強く駆け抜けた戦いでした!面白かったー!! というわけで感想です。

あといつもは雑談記事に手書きノート画像つけてるんですけど、シーズン3を少しでも早く読みたいので、今回はこの記事末尾にノート画像をつけてます! 有料になってるのはおまけ画像だけなので、感想はいつも通り読めますよ~。(おかげでスクロールバーがすごいことになってますが許してください……)

(1)読了後の錯乱した音声感想

(2)前回の感想

【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識

・6年前に書籍第一部を3巻まで読んだところで中断。だいぶ忘れてます。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・2019年11月~2020年3月にかけてAoMシーズン1を読了。
・実況は一度だけ参加しました(20年2月の3部野球回再放送)。

【前提2】感想の方針

・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の前知識はあえて入れないようにしています。よって、単語がわからずよく混乱していますがそっと見守っていただければ幸いです。

◇◇◇

今回のエピソードはこちらです。

シーズン2「アルター・オブ・マッポーカリプス」(4)

マルノウチタスゴイタカイビルで、いったい何があったのか。マスラダ・カイは、すべてを思い出す。アユミが願い、マスラダが叶えた。そう、――マスラダ・カイはサツガイを知っていた。アユミがなぜ死んだのかを知っていた。最初から。始まりの日から、ずっと。

 ♯10

サツガイさんとの戦い、渾身のカラテをぶつけるニンジャスレイヤーに対して、カラテじゃないもので返されているというか……不思議な手ごたえのなさを感じます。ここまで読んできた感触として、「カラテ」は即ち使い手のエゴ、「自己」のようなものとリンクしている概念じゃないかと思うんですけど(合ってる?)、サツガイさんからは「自己」が感じられないんですよね……だから拳は届いているのに読んでいて手ごたえがない。

その身体は宙に高く飛び上がった。否、地の底から呼び出したのである。砂色のエネルギーによって生成されたカラテの大蛙を。

なぜ大蛙……。


彼は満面に邪悪な笑みを浮かべた。「これだ……これだよニンジャスレイヤー君!これなのだ!」(中略)「然り然り……然り……?」クローザーの目の前に今、ジェットブラックのニンジャが立ちはだかる。

あーあ。サツバツナイトさんと同じ大陸にいるのによそ見するから……クローザーさんの自業自得だね。しかたないね。黒橙のその人、とどめを刺さなかったら何度でも来ちゃうんですよ。

「当然そのボーは返してもらう」サツバツナイトは言い放った。

前後の文脈とまったく関係なく繰り出された「当然」という接頭語が意味わからなくて笑うんですが、フジキドみがあふれていて楽しい場面です。好き。

「ド畜生がコラ……」インシネレイトは目を剥いた。「オニイサンが絶対黙ってねえぞコラ……俺はソウカイヤの宝……!とっととコロセッコラー!百回呪ってやるッコラー!」

自分で言っちゃう?www

いやでもわかります、私もそう思うよ。インシネレイトくんはソウカイヤの宝!

さほどのダメージはないが、クローザーは苛立つ。そして打撃のたび、呼吸のたび、サツバツナイトはカラテの質を増している……!

呼吸のたび強くなるフジキドさん。なんて怖い敵なんだ。ぜったい戦いたくない!(ニンジャスレイヤーに近寄らせないという強い覚悟で強敵に立ちはだかる姿はすごく格好いいです)

「ゾーイ」ニンジャスレイヤーは呼びかけた。「待っていろ」

ここで呼びかけるの、もーーーー!
バカバカバカ!! 好き!!!!!!

噛んで含めるようにわかりやすく「お、な、じ、な、ん、だ」って言い聞かせてくれるサツガイさんの話を「だからどうした」でズバズバぶった切るマスラダくん。話が通じないね。マジレスにもほどがある。

そしてゾーイちゃんに腕を伸ばして手を握り合うシルバーキー氏……!(涙)あまりにも良い……美しい……。

それはそれとして改めて気づいたんですけど、シルバーキー氏……こいつ人たらしですね?

「俺はお前の最初の友達だ」シルバーキーがゾーイに微笑んだ。「ユウジョウに応えねえと。後はお前の別の友達が、よしなにしてくれる。マスラダ=サンがな

「お前の別の友達」て。こ、こいつ……!! しかもちゃっかり名前で、本名(マスラダ)で呼んでやがるんですが、こ、これ……、ぜっっっっったい人たらしでしょこの人、あっわかったこうやってフジキドさんのことも誑したんですね!? あの頑固一徹生真面目おじさんにもこんな風にさらっと自然に距離を詰めて、気を許しあう関係に持ち込んだんでしょ!?? 見てないけどだいたいわかった!!! こわいよ、シルバーキー氏も別の意味で怖いよ。フジキドさんとお似合いだと思いますよ、復縁して子育て(仮)の悩みでも相談し合えばいいんじゃないかな~!?

ゾーイちゃんはシルバーキー氏の腕の中に。よかったね、ゾーイちゃんよかったね……!

そして、サツガイもまた爆発四散。「爆発四散」はしましたけど、「サヨナラ」ではなく「ヤラレタ」ですし、最後まで「ジツ」ではなく「ニンポ」とか言ってましたし、滅びたのは「ブラスハートのものであった肉体」なんですよね。サツガイ自身が明確な仇でなかったこともあり、ほんとうにこれで全部終わったのだろうか、という釈然としなさもあります。いわゆる「フハハ……いずれ第二、第三の俺が」的な展開になる可能性もあるのでしょうか。


 ♯エピローグ

サツガイは滅びた。ゾーイはシルバーキーの腕に抱かれ、銀の浜辺に帰った。……アユミの仇を求める戦いは終わり、混沌の時代が訪れる。

ニューロンに届いた帰還命令を明確に拒否し、旋回するシャドーバージ隊から飛び出したニンジャが一騎あった。「否だ!」彼の名はヘラルド。

……誰?

ごめんなさい、忘れてました(感想ノートめくってたら見つけた)。
えっと、『ザイバツ・シャドーギルド ♯8』が初出ですね。ニンジャスレイヤーとはデジ・プラーグで初邂逅。顔をぶっ飛ばされたが生き残り、その後、仮面姿で『ソウカイ・シンジケート ♯5』でも再登場。「この傷の屈辱を…!」と叫んでいるので……マスラダくんに負けたことをまだ恨んでるのかな。初登場時から「陰気」って書かれてるしそういうタイプなのかもしれない。

破壊のあとのシトカで炊き出しするソウカイヤが微笑ましい。市民感情を大切にするタイプのヤクザだ……絶対チバさんの方針だ……。

「押すな小僧!」「アイエッ!」サイバネ犬を連れたニンジャがダグを押し退け、タイダルテンペストに向かってゆく。

ブルハウンドさんコラコラwww ちゃっかり生き残ってるあたり逞しいですね。

そしてダグ……! よかったね、よかったね。ゾーイちゃんともまた再会できる日がくるのかな。くるといいな。

フジミ・ストリートの「澱み」しかり、このイクサで二度と元に戻らなくなったものもきっとたくさんあるのだけれど、それでも奇跡は気まぐれに起きて、なにか偉大で尊いものが輝いては受け継がれていく。忍殺世界の、そういう寂しさの果ての優しさと強さみたいなものを大事に描いてくれるところ、信頼できるし、とても好きです。

スーサイドさんも、こうなったら腹をくくって生きるしかない。まさに「ライフ・アフター・デス」。プレシーズン2で魔性の男が「家族は出来たかい……家族は大事だぜ」と語ったとおり、これからはこの場所が、本当の意味でスーサイドの「家族」になっていくのかもしれませんね。

エピローグを読んでいると、チバさんの「俺の妹だ」という発言も含めて、シーズン2はつくづく「さまざまな家族の在り方」を描いた物語だったんだなと思います。離れ離れになった家族がふたたび手を取り合って、新たなスタートを切るまでの話。シルバーキー氏とゾーイちゃんもそうですし、ダグ・リロイ・ジェシの三人もそうです。異邦の男だったスーサイドによってオールドストーンというシトカの父が帰還する話でもあり、チバさんは母の墓に手を合わせながら妹を発見する。

そして、この文脈で再会するシルバーキー氏とフジキドさんはなんなんだ。って話になるんですよね……えっなんだったのあれ……。

アンブラちゃんのお姉ちゃんムーブめちゃくちゃかわいいね。アンブラちゃん登場に興奮しすぎてシャドウウィーヴさんもアイサツしてたのに読み飛ばすところでした。ごめんね。ハデスネットなる新たな概念が出てきて(?)ってなりましたが、この辺りは過去分を読むことでわかるのでしょうか。

セトの場面はあまり思い出したくないです。忘れたい。あのジャッカルの面は写実である。じゃねーんですよ……そんなわけがないだろ……信じないぞ……。

そして問題のシーン。

「そうか」フジキドはハンチング帽のつばをずらし、ゾーイを見た。「ア……」ゾーイが息を呑んだ。 

元カレが来たのを義娘が知らずに止めて「あっ……」ってなった場面にしか見えないんですけど……これは……。

でもまあ、この時点では、ちゃんと待つフジキドさんはマスラダくんとは違うな~!アハハ……と笑って読んでいたので、まだ余裕があったんですよね。

「(略)……すまん、俺ばっか喋り過ぎだな。どうも俺、時間の感覚が……」シルバーキーはフジキドを見て笑った。「ああ。俺だ」

…………え……。

なん……あの……雰囲気が明らかにヤバいんですけど、なんなのこの空気……私お邪魔ですかね……。そもそも「待たせてもらおう」なフジキドさんの空気も妙に穏やかで珍しくて(おおう)って思ってましたけどそれ以上にシルバーキー氏が喋りすぎて言い淀んじゃって、フジキドを見て笑う……その流れが完全に洋画の離婚した夫婦(気持ちが残ってる系)の再会シーンというか、あの……、思っていたよりずっと……その、なんか「昔の恋人との再会」みたいな空気が漂ってるんですがこれは……ええぇ…。 

わりとめちゃくちゃに動揺している。

「昔の男」って言ってたのは半ば本気でしたけど半ばは冗談でもあったんですよね、ノリといいますか「昔、特別な相棒関係だった」くらいのつもりで、別にこんな、離婚した夫婦の再会シーンを見せられる覚悟とかぜんぜんしてなくて私、あの、もうだめ休憩休憩休憩!!!!!!!

しばらく休憩していたら動悸が正常値に戻ったので続けます。いやしかしなんだったんだあれ……見ちゃいけないシーンだったことくらいしかわからないな…

ボロボロになってカナダ国境付近のお店でスシを食べているマスラダくん。

「サンダーデビルだ!わかるか?」「おれは……」若者は拳を握り、思いを巡らし、低く答える。「おれはマスラダ・カイだ」

自分の名前を名乗ってる……記憶を取り戻した自分の名前を……しくしく(感極まって泣いてる)。
ニンジャの名乗りをしないあたり、様子がおかしいですね。ナラクちゃんは休んでるんでしょうか。ご老体だからつかれたのかな。

その時であった!「ニンジャスレイヤー=サン!」バイクの唸りと、叫び声!身構えるヘラルド!弧を描いて闇の中から飛び来たったモーターサイクル!それにまたがる旅姿の女が、手をのばした!

あーーーーーーーーっ!!
コトブキ王子~~~~~~~~~~~!!

はぁコトブキちゃんなんて頼りになるんだ。なんてかっこいいんだ。最高ですよ。マスラダがコトブキちゃんにしがみつくのも最高……最高すぎる……大切なものは目に見えないんだよってサン・テグジュペリも言ってる……。

「一緒に行きましょう。どこに向かいますか?」「わかった」「何ですか?」「スシを」「スシですね?」「ああ。スシが足りない」

この「わかった」「一緒に行きましょう」への答えなのが、ヴ~~~~~~~~~ッ!!! 

マスラダはもうひとりじゃないんだ……シトカの戦いでバラバラになった家族は今ふたたび結びつく。だから、一人きりになりかけたマスラダを、もうコトブキちゃんは逃がさないんだ……Thank you……。

(やっぱりこの流れでフジキド&シルバーキー氏がヨリ戻し劇場したの、文脈の「圧」が強すぎでは……と思いますがこれ以上考えると錯乱するので止めます)

マスラダくんが浜辺に流れ着いてから、いろんなことがありましたね。新たな人々との出会い、フジキドのインストラクション、その果てに待っていたのは思いもよらぬサツガイとの対決でした。まさかシトカで決着がついてしまうとは。復讐の決着がそのまま人生の終着点にはなりえない。今のフジキドさんの在り方を鑑みても、ニンジャスレイヤーの物語はその姿勢が一貫しているのだろうと思います。

冷静な感想はここまでです。


 ♯お正月特別編

前後の文脈から当時リリースされたシューティングゲーム世界のことだというのはわかりましたが、だからといってロブスターと巨大バイオズワイガニが無限に湧き出しピンポン玉で戦うゲームは狂っていると言わざるを得ないので、死んだ目で読み流しても罪には問われないと思うんですよ。

「まあいいか。オイ、どうにかしてネオサイタマに帰ってこいよ。ASAPでな」タキは頭をかき、コトブキとマスラダに向けたIRCタイプを打ちながら、笑った。



画像59

(心象風景)

ねおさいたまに、かえってこいよ

えええええぇぇぇええええええ、、だってだってだってさあ、タキさん最後にマスラダ&コトブキが旅立つとき(『オラクル・オブ・マッポーカリプス』)には「勝手に行って、勝手に死ね」って言って送り出してたじゃないですかそれがそれがそれがさあ、「帰ってこいよ」だけじゃなく「ASAPでな」の一言まで付け加えてるのもうなにもうなに!?

真っ白に燃え尽きては復活し、タキさんのセリフを読んではまた燃え尽き、その繰り返しでもはやどうしていいのかわからない。

えっ、なにを読んだ……。

だ、だって、あの、さっさと帰ってこいよ、って、嫌味でもなんでもなく、ただ笑って呟き、メッセージを送ってる、のは、タキさん、どういう心境の変化で…………ルーベンスの絵を見上げたネロのような気持ちで私は………死んでいられるか……パトラッシュ行くぞ……次の戦場へ……

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次の戦場はこちら。


おまけ《手書き感想ノート:第5弾》

というわけで「おまけ/手書き感想ノートまとめ(第5回)」です。
私のニンジャスレイヤー感想記事は、読みながらノートに書いた感想メモを再構成したものであり、その手書きノートをバックアップも兼ねてアップロードしているんですね。

基本的な内容はnoteの記事と同じです。差分として、ちょこまかしたお絵描きと、読みやすさを優先してnoteには書かなかった細々したツッコミがあります。

◆こんな感じの画像です(2枚ほど抜粋・縮小版)◆

画像58

こういうのが、合計57枚……あります。多いね…。
今回は、「べリアル・アンダーカバー」~シーズン2のラストまで。途中Twitterで公開されたシャード(ピザタキ)の短編感想も入ってます。

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過去の手書きノートまとめはこちらです。

手書き感想ノート・スズメバチの黄色
手書き感想ノートまとめ・1

 「AoM予告編」~「ストーム・イナ・ユノミ」
手書き感想ノートまとめ・2
 「ダメージド・グッズ」~「オラクル・オブ・マッポーカリプス」
手書き感想ノートまとめ・3
 「フラワーズ・フロム・フロスト」~「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」
手書き感想ノートまとめ・4
 「コールド・ワールド」~「カウンシル・フジミ」

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画像があまりにも多い&制限なしに生原稿を晒すのは少し恥ずかしいため、ここから先は「おまけ」ゾーンです。


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