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Internal Medicine Residency

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アメリカ内科レジデンシー体験談
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米国内科レジデンシーを修了して思うこと

歴史のある大きな内科プログラムにマッチしたはいいものの、初の日本人IMGということで特に最初は不安に感じることもありましたが、3年の内科研修を無事に終えることができました!私のように日本で初期研修及び後期研修を終えて指導医として働いていた人がアメリカの内科レジデンシーからやり直すパターンは稀なので、そういった目線で米国の内科研修を振り返ってみたいと思います。 SummaryIMGが多く占めるプログラムにも関わらずフェローシップマッチにかなり強いプログラムで、多くのAMG向け

内科チーフレジデントになるメリット

結論から述べると ①競争率の高いsubspecialtyを希望する人(Cardiology, GI, PCCM, H/O) ②卒後年数が若い人 ③将来教育やリーダーシップポジションに興味がある人 は内科チーフレジデントになることを考慮すべきです。 ・・・ チーフレジデントは3年間の内科レジデンシーを終えた後の1年間を指導医として内科チームを率いたり、レジデントの教育に携わったり、スケジューリング等の管理業務を行うポジションです。私のいるプログラムのような100人を超える内

米国内科レジデンシーの2年目を終えて

1年目のレジデンシーを終えての感想、そして2年目の目標を昨年記事にしましたが、それから早くも1年が経ち、明日から内科レジデンシーの最終学年となります。この1年で自分が学んだ点、成長した点を記事の中でまとめたいと思います。ちなみに現在は循環器フェローシップに申請する準備にフォーカスしており、落ち着き次第フェローシップに関する記事も公開していく予定です。 米国レジデンシーはやっぱりintense休みの量やElectiveの時間が多いことを考えるとアメリカのシステムの方が総合的に

早く辞めたい?! 米国内科レジデンシーの1年目を終えて

アメリカのレジデンシーはintenseIntern yearであるPGY1は雑用含む仕事量がどこのプログラムも多いです。ただそれをこなすだけであればまだ良いのですが、数時間あるattending round、1時間の昼カンファ、日によっては夕方にも1時間のレクチャーがあり、空き時間に全てのことをしないといけないので大変です。それよりも、患者の理解力やバックグラウンドの複雑さ、言語の壁(英語を話さない患者がそれなりに多い)が原因で時間を費やすことが多く、日本では経験できないスト

臨床問題 -アメリカで実際に経験した症例より-

症例:40歳台男性 主訴:腹痛x1時間 現病歴:朝食時にびまん性の腹痛を突然自覚。疼痛は持続的で背部への放散痛も伴う。性状は「sharp or burning」。痛みの程度は10中6。軽減または増悪因子なし。病院に来るまでに一度通常排便あり。その他の自覚症状はなし。 手術歴:肥満のため胃バイパス術(15年前。現在BMIは25)。胆嚢摘出術(2年前) 既往歴:吻合部からの上部消化管出血(5年前)。麻薬中毒(現在buprenorphineとnaloxoneを服薬中)。 社会歴:タ

米国内科レジデンシーを半年終えて

時間が経つのが早いもので、レジデンシーを始めてからすでに半年が経ちました。この半年間で気付いた点や学んだ点をいくつかまとめておきます。 ・・・ 先輩レジデント恐るべしICUから始まったレジデンシー。手技の同意書取得はもちろんのこと、家族への病状説明やGOC (goal of care)のdiscussionなどもバリバリこなすPGY2−3には本当に驚きました。近い将来自分も英語でしないといけないと考えるとかなり敷居が高いです。 そして内科病棟で行われるsocial wor

ある意味1番忙しい一般病棟のローテーション

ほぼ全ての内科疾患を担当し、良くも悪くも教育の時間がしっかりと確保されている内科一般病棟のローテーション。Attendingとのラウンドも長く、その後短時間に入院患者の指示、コンサルトを終わらせないといけないため自ずとカルテ書きは優先順位の最後になります。現在一般病棟を担当している私の一日はこんな感じです。 ・・・ 5:30-5:45 起床 6:20 徒歩通勤 6:30- カルテチェック、1人で回診 7:00-7:15 sign-out Night teamから担当患者の