スポーツ特集!トレカ・NFTからパーフォマンス管理まで(資金調達ニュース 11月前半号)
こんにちは!
早いもので、2021年最後の資金調達ニュースです。今年はW venturesの2号ファンドの組成、インキュベーションプログラム『SCRAMBLE』の開始など、私たちにとっても新たな挑戦に取り組んだ一年でした。来年もいろいろ仕掛けていきますよ!
それでは、W venturesが注目するエンタメ、スポーツ、ライフスタイルの分野における国内外の資金調達、M&A/IPOについてお届けします。
今回は、スポーツ領域の様々なスタートアップの資金調達を取り上げています。これらのスポーツテック、エンタメは投資先にも同様のテーマで事業を推進しているスタートアップがあり、私たちもとても注目している領域です!
紹介していきましょう。
資金調達ニュース(11月前半)
■デジタルトレカのマーケットプレイス「Alt」がシリーズBで$75Mを調達
*Source:https://www.onlyalt.com/
「Alt」はデジタルスポーツカードの売買取引所を運営している。
$50~$100kの比較的安価なカードを中心に取引されていることが特徴で、手数料は買主はかからずに売主からのみで1.5%と低く設定されている。(ebayなどの料率は売主から12.5〜25%)
また、カードを倉庫に保管するサービスを提供していて、資産額の0.4%/年の料金で利用できる。Altでのカード取引は基本的に、倉庫に保管した状態で売買取引が成立することが多く、所有権が購入者に移るのみで実際に手元に取り出すことは少ない。実際にユーザーの99%が利用していて、保管する資産総額は$70Mに相当する。
直近は、スポーツカード以外にも遊戯王やポケモンカードの取引や、ユーザーが保管しているカードを担保にお金を貸す機能の開始を予定するなど、サービスを拡大させていた。
今回、約$3Bの評価額で$75Mの資金を調達した。今後は、人材採用とモバイルアプリ立ち上げを進めていく。また、NFTなどにも取引カテゴリを拡張し、新規事業にも取り組む予定である。
■アスリート向けパフォーマンス支援「Kitman Labs」がシリーズCで$52Mを調達
*Source:http://kitmanlabs.com
「Kitman Labs」は、アスリートのパフォーマンスや健康管理を支援するプラットフォームを開発している。人工知能を活用したデータ分析で、選手のパフォーマンス分析、健康管理、評価、スカウト、リクルーティング、およびトレーニング管理など多様なソリューションを提供している。
様々な種目に対応していて、NFL、NHL、MLB、独ブンデスリーガ、英プレミアリーグなど全世界で40以上のリーグ、700以上のチーム、20万人以上の選手が利用している。また、国内ではプロ野球チームの横浜DeNAベイスターズやNTTドコモのラグビーチーム等と提携し、日本市場での基盤拡大に注力している。
今回 、ソニーなどから調達した資金はデータサイエンスの研究投資、プラットフォームの開発、グローバルチームの拡大に充てられる。
■NFT分析プラットフォームの「MomentRanks」がシードで$4.2Mを調達
*Source:https://momentranks.com/
「Moment Ranks」はアトランタ発のスタートアップで、主にNBATop Shot のコレクター向けにNFTの分析ツールを提供している。加えて、コレクター同士の交流や、ファンタジースポーツとしてオリジナルチームを作って遊ぶこともできる。
NBA Top Shotの他に、The Sandbox、Fidenza by Tyler Hobbs、Bored Ape Yacht Clubなどにも対応していて分析と購入ができる。MomentRanks内のソーシャルグループやDiscordのグループがあり、他のコレクターと対話できるコミュニティがあることが特徴的である。
今回、2021年にファンド組成した暗号通貨向けVCのAcrylicをリード投資家に、Coinbase Venturesなどから資金を調達した。なお、今年7月にはDapper Labsなどからも調達していた。今後は、コミュニティの拡大と人材の採用を進めていく。
■クリケットNFTマーケットプレイス「Faze」がシードラウンドで$17.4Mを調達
*Source:https://www.faze.app/
「Faze」はインド発のスタートアップで、クリケットのNFTコンテンツを購入、販売、取引できるNFTプラットフォームを開発している。
これまでは、Dapper Labsの協力のもと、NBA Top Shot上で類似プロジェクトを行ってきた。今回、新たに国際クリケット委員会(ICC)とパートナーシップを締結して、ブロックチェーンFlowを活用した独自NFTマーケットプレスの実現を目指していく。
クリケット領域のNFTのマーケットプレイスは、少数のクリケットリーグが参加するRario(8月サービス開始)を筆頭にいくつか存在するが、Fazeは世界最大規模となっている。
今回の資金調達は、Dapper Labsが主導し、Tiger Global Management、Sequoia Capital India、Coatue、Samsung Nextなどが参加した。今後は製品開発、ユーザーベース拡大、および人材採用を推進していく。
M&A/IPOニュース(11月前半)
■スポーツストリーミング企業「DAZN」がビデオテクノロジー企業「TEXEL」を買収(金額非公表)
*Source:https://www.dazn.com/en-US
買い手である「DAZN」は、世界最大級のスポーツストリーミングサービスである。
野球、サッカー、F1など様々なスポーツを配信していて、現在は日本、ドイツ、スイス、オーストリア、カナダ、アメリカ、イタリア、スペイン、ブラジルで事業を展開している。2020年12月からは、ボクシングなどファイトスポーツのコンテンツを200以上の国と地域で配信するなど、グローバル展開に注力している。
*Source:http://texel.live/
売り手の「TEXEL」は、エンターテインメントやスポーツのOTT * プロバイダー向けに、ユーザーの視聴体験を向上させるテクノロジーを提供するイスラエル企業である。
主にAR/VR、パーソナライズ視聴、360度ライブ、5G配信、マルチスクリーン配信といった最新のテクノロジーを駆使し、視聴者とのインタラクティブ性を取り入れている。
グローバル市場を狙うDAZNは今回の買収を通じて、より魅力的でインタラクティブなコンテンツ開発に注力することで視聴者のエンゲージメントを高め、新たな収益源を構築する狙いがある。また、イノベーションハブDAZN Xを設立し、ライブ配信上のユーザー体験の向上に注力していく方針も発表した。
競合ではスポーツライブストリーミングの米国企業FuboTVが、ストリーミングテクノロジーのフランス企業Molotovを買収し、コンテンツの開発とユーザーエンゲージメントの向上に取り組んでいる。
■ヘルスケアフィットネスチェーン「cure.fit」がシリーズFで$145Mを資金調達&フードデリバリー「Zomato」傘下のフィットネスアプリ「FITSO」を$50Mで買収
*Source:https://www.cure.fit/
買い手の「cure.fit」は、インド最大のヘルスケア・フィットネスチェーンである。
cult.fit(フィットネスジム・オンラインフィットネスクラス)を主軸に、eat.fit(健康食品ブランドのEC、デリバリー)、care.fit(ヘルスケアクリニック)、mind.fit(ヨガやメンタルウェルネス)などの事業も展開している。
*Source:http://www.getfitso.com/
売り手である「FITSO」は、パーソナルフィットネス事業を運営している。
デリー周辺の70以上のフィットネスジムのパーソナルコーチングを検索・予約でき、フィットネス、水泳、バドミントン、筋力トレーニング、テニス、瞑想、ダンス、ヨガ、卓球などの様々なクラスが提供されている。
今回の資金調達は、FITSOの親会社Zomatoが主導し、米VCのAxcelやシンガポール政府系ファンドTemasek Holdingsなどが参加した。
買収を通じてcure.fitは、FITSOの顧客にリーチすることでフードデリバリー事業におけるクロスセル、フィットネス事業の拡大を狙っている。
いかがだったでしょうか?
今後も、エンタメ、スポーツ、ライフスタイルの分野を中心に国内外の資金調達ニュースを定期的にお届けしていきます。
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