Play-to-Earnからファンタジースポーツまで!エンタメ特集(資金調達まとめ 11月後半号)
こんにちは!
2022年も引き続き、わたしたちW venturesが注目するエンタメ、スポーツ、ライフスタイルの分野における資金調達ニュースをお届けしていきます。
また、インキュベーションプログラム『SCRAMBLE』もキックオフし、2号ファンドの新規案件も続々と決まってきています。
W venturesも投資先の皆さんと一緒に、2022年を飛躍の年にしていこうと思っています!
今回は、スポーツ、コミュニケーションサービス、NFTベースのゲームと様々な領域のスタートアップの大型の資金調達がありました。
特定の領域だけでなく、幅広い意味でのエンターテインメント領域のスタートアップに注目が集まっています。
それでは、紹介していきましょう。
資金調達ニュース(11月後半)
■インド最大級のファンタジースポーツ「Dream Sports」がプライベートエクイティラウンドで$840Mを調達
「Dream Sports」は、約1億4000万人のユーザーを誇るインド最大級のファンタジースポーツアプリ「Dream11」を運営する企業である。
その他にも、スポーツストリーミングなどのプラットフォームの「Fancode」や、Dream11内決済サービスの「Dreampay」を展開している。また、注力領域であるスポーツ、ゲーム、フィットネスなどに投資する「Dream Capital」を傘下に持っている。
今回のラウンドを通して、同社のバリュエーションは$8Bに達しており、インドのメディアによると、「過度に盛り上がっている株式市場の状況が収まった段階で上場を考える」、とコメントしている。
3月にも同社は$400Mの大型調達を実施しており、Facebook、Linkedin、Netflixなどに出資した米国のTCV社から出資を受けていた。しかし、その急成長の中、過去M&Aは1件のみとなっており、21年8月にモーションコントローラーを活用したゲームを開発する企業「Rolocule Games」を買収したのみであった。(VR技術をファンタジースポーツやストリーミング事業に転用する狙いがあった)
今回の資金調達により、海外のユーザー獲得とニッチ競技(カバディ)への参入を目指す。なお、海外展開の背景にはインドの法規制があり、今年10月カルナタカ州南部でオンラインゲームを禁止する新法の成立後も、同社がサービスを提供し続けたとして、バンガロール警察から訴訟が提起されている。
■リモートワーカー向けチャットサービス「natter」がプレシードで$1Mドルを調達
「natter」はアルゴリズムにより、マーケティング・テクノロジーなど興味に応じた相手が表示され、その人たちと話すことができるウォータークーラーチャットサービス * をリモートワーカー向けに提供している。
加えて、様々なコミュニティも用意されており、交流を深めることができる。今後の展望として、数ヶ月以内に10万人を超えるユーザーの獲得を目指している。
元BBC、Google、Salesforce、Farfetch、Facebook、Deloitte、Uberの幹部のチームによって設立されたサービスであり、かねてより投資家の注目を集めていた。
今回の資金調達には、ロンドンとシリコンバレーから、テクノロジーに明るい多くのエンジェル投資家が参加している。プレシードで得た資金は引き続き、ウォータークーラーチャットサービスのためのバーチャルコミュニケーションツールの開発に使用される。
■NFTゾンビシューターゲーム「Zomfi」がシードで2.6Mを調達
「Zomfi」は$Zomfiトークンを収集できるNFTゾンビシューターゲーム。武器の価格が20ドルからと多くのプレーヤーが参加しやすい設計となっている。
東南アジア市場をターゲットにしており、今後フィリピンの人々のための奨学金プログラム(新しいプレーヤーにゲーム資産(奨学金)を貸し出し、収益を共有するモデル)を提供する予定である。
2021年11月に、$ZomfiトークンがMEXCおよびCoinGeckoやCoinMarketCapなどにIDO * された。
2021年12月時点で、Twitter約39,300人、テレグラム約11,100人、Discord約9,460人、Facebook約1,000人のユーザー数を記録している。
今回のラウンドでは、Roseon Finance、X21 Digital、Everse Capital、Basics Capital、Magnus Capital、およびMisfit VenturePartnersなどが投資した。調達した資金は、NFTマーケットプレイスの構築やゲームのリリースに向けて使われる。
なお、Zomfiのチームは過去5年以上、ホラー、ゾンビゲーム等の複数のゲームを制作した経験があり、強力なゲーム開発のバックグラウンドを有している。
■オーストラリアのPlay-to-Earnギルド「Avocado Guild」がシリーズAで$18Mを調達
「Avocado Guild」は主にフィリピンとインドネシアから7,000人のプレイヤーを受け入れている。Axie InfinityのようなP2E * ゲームの操作方法を指導するだけでなく、メンバーにWeb 3.0についても知見を共有している。
Avocado Guildでは、新しいプレーヤーにゲーム資産(奨学金)を貸し出し、収益を共有するモデルを採用することで、彼らがゲームを始める支援をしている。現在、Axie Infinity、Cyball、RevvRacingを含む7,000のゲームに対応している。AvocadoGuildやYieldGuild Gamesのようなギルドでは、プレイヤーはAxieのようなアセットを購入する必要はなく、代わりにこれらのギルドから借りることができる。その代わり、ゲームで得た報酬はプレイヤーと50対50で分配される。
今回のラウンドでは、Animoca Brandsがリードし、Three Arrows Capital、Golden Tree Management、Solana、Hashed、Binance Capital Managementなども参加した。
この調達により、メタバースなど新たなゲームに事業を拡大していくことを目指している。また、P2Eゲームのプレイ方法をメンバーに教える奨学金プログラムの対象者を約7,000人から10,000人以上に増強する予定である。
M&A/IPOニュース(11月後半)
■自然言語生成技術のリーディングプロバイダー「Arria NLG」が、スポーツ向けデータテクノロジー企業「Boost」を買収(金額非公表)
買い手である「Arria NLG」は、人工知能の一形態である自然言語生成(NLG)分野の世界的リーダーである。
同社のテクノロジーは、複雑なデータソースからインサイトを抽出し、その情報を自然言語で伝えることを可能にする。現在、金融サービス、保険、製薬、消費財、ニュース、気象情報、選挙報道、メディアなど、様々な分野に利用されている。主にスペルチェックアプリ、グーグル翻訳、Siri、Cortana、Echo、チャットボット、広告文作成、ECの商品説明、報道記事の執筆支援などに応用されており、食品・日用品世界大手の英ユニリーバや化粧品チェーンのセフォラなども顧客に名を連ねている。
売り手の「Boost」は、コンピュータービジョン、データ分析、自然言語生成の技術を活用したスポーツ業界向け技術プラットフォームである。試合分析やデジタルマーケティングなど幅広い用途で利用できるため、コーチングやスカウトでの活用だけでなく、メディアやスポーツブックでの活用も進んでいる。
今回の買収を通じて、スポーツメディア、ギャンブル、eコマース向けのサービスを強化し、エコシステムにおけるArria NLGのプレゼンスをさらに強固なものにする狙いがある。
■アシックスが、豪No.1のレース登録サイト「Register Now」運営企業を$3.8Mで子会社化
買い手の「ASICS Ventures Corporation」は、スポーツ&健康、先端テクノロジー、サステナビリティの3領域に重点投資しているアシックス傘下のベンチャーキャピタルである。
同社は、革新的な製品とサービス、技術、人材を持つベンチャー企業とアシックスの持つ資産を掛け合わせることで、イノベーションの創出を加速させることを目標としている。また、親会社アシックスは中期経営計画2023の戦略目標である「デジタルを軸にした経営への転換」の観点から、消費者とのタッチポイント拡大と同社製品の売上向上を目指している。
売り手である「Registration Logic Pty Ltd.、以下RL社)」は、オーストラリア・メルボルンに拠点を置くスポーツ企業で、オセアニア地域などを中心にランニングレース登録サイト「Register Now」を運営している。
同社は、ランナーがレースに申し込む際のウェブページを中心に、その他にもレース結果の照会ページなどを提供している。同社の年間売上高は150万オーストラリアドル(約1億2600万円)である。
オーストラリアにおいて、アシックスはパフォーマンスランニングのカテゴリーでシェアNo.1を獲得しており、加えてレース登録プラットフォームでNo.1のRL社を買収を通じて、ランニングイベントのマーケティングチャネルを拡大し、ランナーとの交流を加速させていく狙いがある。
また、ランナーのオンライン上の活動(asics.com、トレーニングアプリRunkeeperの利用など)において、メンバーシッププログラムOneASICSを軸に、あらゆる場面でランナーが「アシックス」ブランドに接する機会を拡大する。
いかがだったでしょうか?
今後も、定期的に国内外の資金調達ニュースをお届けしていきます。
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