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[Pro's Bookshelf] 01:老舗温泉旅館経営者・一條一平さんの一冊

プロフェッショナルたちは、どんな本を読んでいるのか?

様々な業界の第一線で活躍されているプロフェッショナルの方々に、愛読書を一冊教えていただくという「Pro's Bookshelf」(プロの本棚)のコーナーを、『トップリーダーズ』にて始めることになりました。

意識を変えるきっかけとなった本、自分の仕事の飛躍のヒントをくれた本、常に勇気と自戒を繰り返してくれる本…。プロフェッショナルの方々の人生の傍らには常に、良い本が存在しています。しかし、他の業界の人たちがそんな本を教えてもらう機会はなかなかありません。

そこで、人生のどんなタイミングでその本に出会い、その本を読んだことで自分にどのような変化があったのか、といったことをお話し頂こうと思います。

皆さんもきっと、ご自分の業界の第一線を突っ走っているプロのお一人だと思います。皆さんがこれからもプロ意識を持ってその道を走り続けるために、それを支える読書の本選びのヒントを見つけて頂ければと思います。


■ビジネスは、劇だ!/老舗温泉旅館経営者・一條一平社長の一冊

600年の伝統を持ち、宿泊クチコミサイトでもお客様から絶大な人気を集める、宮城県の老舗温泉旅館「時音の宿 湯主一條」。

その第20代当主である一條一平社長は、家業を継ぐことになった時にその経営立て直しに非常に苦労したそうです。

「旅館は良い部屋、良い風呂、良い料理を提供するべし」というのは、どこの業界コンサルタントも当たり前のようによく言うこと。しかし歴史あるこの旅館は建物が古く、価格でも勝負したいけれど、当時は26室と部屋数が少なくて、「どうしたらお客様に満足いただける旅館になれるのか」と悩んでいたのだとか。そんな時にたまたまウェブ上で見つけたのがこの本。


『経験経済—エクスペリエンス・エコノミー』 (B.J.パインII氏、J.H.ギルモア氏著/流通科学大学出版)


この本を読み、自分がやりたい旅館にするには「まず自分が泊まりたい旅館にすることだ」と考え、限られた予算の中でもできる改革モデルを作り上げていったのだとか。

モノづくりの時代だった20世紀には、世の中にモノがあふれて価格競争になりましたが、21世紀での価値は価格ではなく「経験」。お客様にただの商品(サービス)を期待させる(提供する)ことをやめ、お客様の思い出に残る経験を創出するための指針を提供する本だ、と一條社長は同書をお薦めしています。

一條社長が特にその改革モデルにヒントを得たのが…、

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