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「そこの部分」が欲しい人と、気づける人

美容室でシャンプー中、「どこか痒いところはありませんか」と聞かれたら、私は大抵痒いところがないから「ありません」と答える。

そもそもこれに「あります、ここです」と答える人はいるんだろうか? といつも思う。「ここです」を伝える人はどうやって伝えているんだろう。指をさす? それとも口頭で「脳天からおでこ側に3㎝ずれたところです」とか「右耳から脳天に向かう道筋全体です」とか?

ムズスギル。

伝える私たちお客さんも、汲み取る美容師さんもムズスギル。


なんて思っていたある日、テレビから「なんで美容師さんは『痒いところありませんか』って聞くんですか?」という声が流れてきた。

「え!! ほんとにそれ!!」と思い、洗っていたフライパンを流しにそのままにして、テレビと向き合う。

「そう聞かれて、みなさんどうしてます?」と司会者が聞くと、「僕は言ったことないですね」「私もです」とパネラーが返す。


やっぱりそうなんだ。


すると美容師さんは、「実は、一定層『痒いです』と言われるお客様がいるんです」と答えた。


えーーーー!!!! いるんだ!!!

「なので、お伺いするのが美容師のサービスとして当たり前になっています。こちらからお伺いすると、お客様も言いやすくなりますから」

なるほどなあ、と思った。

私は一定層の中に入っていないから「必要?」なんて思うけれど、それが必要な人だっているのだ。私の常識は、私の外の非常識。改めてそう思う。


今、もちもち感がアップした雪見大福が発売しているけれど、それも「バニラアイスより、もち感を楽しみたい!」と思う人がいるから発売されたのだろう。私はバニラアイスを楽しみたい派だから、「そんなにもちもちさせる必要ある?」と思っていた。

他にも、メロンパンの上の部分だけの「メロンパンの皮焼いちゃいました」とか

めちゃめちゃ細いポッキーとか

この世には「そこの部分」を欲しい人が、やっぱり一定層いるのだ。

そして、その「そこの部分」に気づける人もほんとうにすごいなあと思う。

毎回同じようなことをスリーコインズに行くたびに思うし、スーパーに行っても私は感じている。


”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。