小学生の自由研究、2人でエジプトの海底遺跡についてまとめた話
昨日に引き続き、小学生の夏休み宿題、自由研究第2弾。ちょうど昨日のnoteを書いていたら、引っ張られるようにして思い出したもう1つの自由研究があったので、記念にそのこともnoteにしておこうと思う。
2弾目にして最後にするからお付き合いくださいませ。
それは確か小学校3年生ぐらいの自由研究だったと思う。
「ねえねえ、一緒に自由研究しない?」
夏休みまで、あと1週間。お昼休みに、そう声をかけられた。
私の小学校は、私の2つ上の学年から人数が少なくて全学年が1クラスになった。1年生の1クラス、2年生も1クラス、3年生も1クラス、4年生も1クラス、以下同文。私のクラスは30人ぐらいのクラスで男女はちょうど半々ぐらい。
私に声をかけてくれたのは、Mちゃん。女の子は15人ぐらいしかいないから、みんな友達で、特別仲がいいというわけでもなかった……と私は思っていた。もしかしたら彼女は私のことを仲良しだと思ってくれていたかもしれない。今となっては、お互いその確認のしようもないけれど。
その日、夏休みの宿題について説明があって、自由研究は1人でもOKだし、友達と一緒に共同でしてもOKと担任の先生から言われていた。
だからだろう。昼休みに、そう声をかけてくれた。
「え、私と?」
「うん! 一緒にやりたいんだけど……どうかな?」
そのときの私は、断る理由もなければ、断る術も見つける前だった。
「い、いいね! 一緒にやろう!」
わーやった! とMちゃんは喜んでくれた。
こうして2人で自由研究をすることになったのだけど、その研究内容はまさかだった。
夏休み、自由研究について話す兼遊ぶ、ということでMちゃん宅に向かった私。
「自由研究どうする?」
「実はね……これにしたくて!」
そう言って彼女が見せてくれたパンフレットは、横浜の美術館で期間限定で開催される、エジプトの海底遺跡の展示会だった。
「この展示会見に行って、エジプトの海底遺跡をまとめようよ!」
このときの私は、断る理由もなければ、上手にいなして「別のことしようよ」という術を見つける前だった。
そんな私の様子に気がついたのか、Mちゃんは「だめかな……?」と聞いてきた。
「ぜ、全然だめじゃないよ! エジプト、海底遺跡、いいね!」
結局、私は横浜の美術館にMちゃんの家族と一緒にいった。あとでわかったことだけれど、横浜市にはMちゃんのおばあちゃんが住んでいて、お盆の帰省がメインの目的だった。
つまり、お盆で横浜のおばあちゃんちに行くタイミングでたまたまエジプトの海底遺跡展がやっていたからそれを自由研究にした、みたいな感じだった。エジプトの海底遺跡に興味があった、というよりも、おばあちゃんちに行くが先行だった。
まあ、断らなかった私もいるし、おばあちゃん宅に宿泊までさせてもらったから、どうこうはないのだけど。
ないのだけど、エジプトの海底遺跡展を回っているとき、私はずっと「つまらんなー」「どういう意味かわからん」「どうやってまとめるんやこれ」と思っていた。
そして、隣の彼女を見ても「すごいねー……!」「おお……」「うんうん…………」と展示を回るごとに、勢いが尻すぼみになっているのを感じ取っていた。
きっと、彼女も「しまった」と思っていたのかもしれない。今となってはその真偽はわからないけれど。
帰ってきてから1週間ほどMちゃんの家に毎日のように入り浸り、ほぼほぼパンフレットを模造紙にコピペする形でまとめあげた。
あの自由研究はなんだったんだろう。今の私の記憶の中には、エジプトの海底遺跡の内容はまったく残っていない。全然覚えていない。
ただただ、自由研究のために2人になり、エジプトの海底遺跡という謎テーマをまとめた、ということだけを覚えている。
不思議な自由研究だった。
”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。