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#25 キャリアの多角化戦略


アンゾフの成長マトリクス(Ansoff Matrix)は、

事業の成長について考える際に効果的とされるフレームワークですが、
私、この商品を「自分」「自社」と置き換えて、市場と自分のキャリアの横展開、縦展開、多角化を考えてみるといいのではないか?と思っています。

経営を取り巻く環境が大きく変わるなかで、成長を続けるためにはどのような成長戦略をとれば良いのか。そのヒントとなる考え方、フレームワークの一つが「アンゾフの成長マトリクス」です。

経済産業省や中小企業庁でも経済社会の変化に対応するために、事業者のみなさまが事業計画の検討を行うにあたって、「アンゾフの成長マトリクス」を頭の中に入れておくことをすすめています。

あなたのキャリアや自社の製品はどの再構築をめざしますか?


アンゾフの成長マトリクスは「製品」と「市場」を軸として、それをさらに「既存」と「新規」に分けた2×2のマトリクス図で表現します。
アンゾフの成長マトリクスの発案者は「経営戦略の父」と呼ばれるイゴール・アンゾフ(Igor Ansoff)です。

1.市場浸透戦略(既存製品×既存市場)

市場浸透戦略は今までの市場に既存の製品・サービスを投入する戦略です。
具体的には、価格の引き下げや流通ネットワークの改善、マーケティングへの投資などによって、製品をより多く販売しようとします。
他の戦略に比べると、ローリスク・ローリターンな戦略です。

例えば私は税理士です。その場合、既存の製品(伝統的な税理士の仕事である帳簿作成や税務申告など)になります。
他との差別化がなければ、価格競争になり低価格化、大量の顧客が必要なラインになります。デジタル化やAIにより判断業務だけをする、そんな工夫が必要な業務になります。(ただし、伝統的な業務もAIができない前例がないため、誰でもできない仕訳や税務判断があることはお伝えさせてください(笑))

2.新製品開発戦略(新規製品×既存市場)


新製品開発戦略は今までの市場に新しい製品・サービスを投入する戦略です。
既存の製品に関連した新製品やグレードアップモデルの販売などにより、既存顧客からの売上を増やすことを目標とします。

既存市場のニーズに対応した製品やサービスを開発すること、競合と差別化を図ることができる製品やサービスを開発すること、それができるかどうかが、重要なポイントになります。たとえば、ヘアケアの商品を提供していた化粧品会社が、スキンケアの新商品を展開する場合は、この新製品開発戦略に当てはまります

3.新市場開拓戦略(既存製品×新規市場)


新市場開拓戦略は既存の製品・サービスを新しい市場に投入する戦略です。
ある企業の製品が 1 つの市場で非常にうまくいっている場合、同じ製品で新しい市場に参入することを検討します。既存製品の海外進出・海外展開や新たな顧客層の獲得などが該当します。

IKEA は母国スウェーデンと文化的に比較的近い市場への進出から開始し、それからアジア圏に進出する戦略を取りました。
営業力・販売ネットワーク等の「売る力」が勝負を左右することも多くなります。既存製品の海外進出・海外展開は、新市場開拓戦略の一例と考えることができます。


4.多角化戦略(新規製品×新規市場)


多角化は新しい市場に新しい製品・サービスを投入する戦略です。
既存のビジネスとは異なる方法で収益を得ようとすることになるため、アンゾフは多角化戦略を最もハイリスク・ハイリターンの成長戦略としています。

リスクがあっても新しい収益源を求める時、または求めなくてはならない時に、ハイリスク・ハイリターンの多角化戦略がとられます。

この多角化戦略について、アンゾフは以下の4つのパターンに分類しています。

・水平型多角化 既存技術と関連性の高い新製品を、既存と類似した市場に投入
・垂直型多角化 既存技術と関連性の低い新製品を、既存と類似した市場(川上・川下等)に投入
・集中型多角化 既存技術と関連性の高い新製品を、異なった市場に投入
・集成型多角化 既存の技術や市場とは、全く異なった事業に進出

パラレルキャリアは、既存の業務を横縦展開しながら、多角化も視野にいれる。


「本業だけで儲けないでそれ以外でも稼ぐ」
「実は○○屋」という多角化戦略

これ、面白そうですよね?
アンゾフの成長マトリックスを応用し、自分という製品を市場にどのように参入するか。既存の自分の戦略方法考えたい。


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