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なぜ1on1で本音が出ないのか?

 90年代半ば以降に生まれた世代をZ世代といいます。この世代は、幼少期からデジタル機器に触れSNSを使ったコミュニケーションは当たり前、私生活や仕事では何より効率性を求め、「どうやるか」ということよりも「なぜやるか」ということを重視する傾向があると言われております。
 
 確かに、丁寧に意思疎通を図ろうと、とりあえずの打ち合わせを提案すると、Z世代に「それって意味ありますかね?メールで良いのでは」と言われたりすることが何度かあったように思います。
 
 ただ、中には私のような昭和世代に付き合ってくれて、打ち合わせで無駄話をしてくれたり、目的が今一つ不明確でも「とりあえずやりながら考えていきましょうか」、とかいってくれるやさしい20代の方もいます(笑)。
 
 人の特徴を測定するツールに人事アセスメント(適性検査)なるものがあります。アセスメントには大きく二つの考え方があって、一定の基準で幾つかのタイプを明示していく「類型論」と、複数の指標をスケール表示し細かい人物像を捉えていく「特性論」というもの。使い勝手が良いのは勿論「類型論」で、解釈は難しけれども、人物像が細かく分かるものが「特性論」になります。
 
 私たちは人の特徴を、アセスメントで言う「類型論」で大雑把に把握してしまう傾向があります。その方が効率的だからです。例えば、あの人は外向的なタイプだよね、といってその人の特徴をまとめてしまったり、○○世代だから、○○は苦手なんじゃない、といって世代で行動を予測してしまう、さらに、自分の知人の中で一部だけ似ている人をその人にあてはめ、全体を特徴づけてしまうなんてこともあるかと思います。
 
 多くの企業で導入されている1on1ですが、普段指示出しが多い管理職にとっては、難しさを感じる人も多いようです。そして、その原因の一つは、部下をタイプで把握しそれに固執し過ぎることが挙げられます。
 
 自分が思っている部下のタイプをベースに、聴くことやテーマ、進め方等を想定し過ぎてしまう。そして、本当に本人が話したいことをスルーしてしまい本音に到達できず、結果として表面的な話で終わってしまうといった流れになっているパターンが多いように思います。
 
 タイプを想定し、その人の性格や特徴について「仮説」を立てることは否定しません。しかし、実際に話をしている中で、少しでも「仮説」に違和感を持ったら、すぐに手放し、その人の様々な可能性にオープンマインドで接していくようにすることが大切です。

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