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強みを知る機会を増やせば、人は成長を加速させていく

  今年も早いものでもう10月。プロ野球について言えばいよいよ大詰めで、来週からクライマックスシリーズが始まります。そのプロ野球の選手たち。突然ですが、彼らは何月生まれが多いと思われますか?いくら野球が好きの方でも気にされたことはないかもしれません。今年2月時点の日本のプロ野球選手計1009人を誕生月ごとに分けると、下記にようになります。

ベースボール・ライター宇根夏樹氏調べ

  こちらを見ると、前半と後半で人数差があるのが分かります。特に、4月~6月生まれは325人、1月~3月生まれでは177人となり大きく差が開いています。プロ野球選手の誕生月の考察は以前から行われています。名古屋大学経済学部の田中駿氏の論文「同学年における誕生月の差が子供に与える影響」の中で、2010年時点での人数がカウントされています。そこでは、4月~6月生まれが258人で、1月~3月生まれが124名と実に2倍以上の開きとなっています。

 発達期の子供においては、同学年とはいえ半年から一年もの「年齢差」は運動能力の差に繋がります。論文では、同じ傾向が出ているサッカー選手についても取り上げられています。そして、運動能力の差が早生まれの子供たちに、自分は他の子供に比べて下手であると学習させ、中学・高校へ進学する際に続けにくくさせ、結果的にプロ選手になり難くさせている、と考察しています。

 1on1サービスを企業に提供している人材開発支援会社エールの代表取締役櫻井氏は、このプロ野球選手の誕生月のデータを用いて「人はみなしたようになる」と言います。人はとても主観的な動物で、周りからみなされたように、もしくは自分で自分をみなしたように現実を作り上げていく。と説明しています。

 人材開発で大切なことは、成長の出発点である自己のイメージをどう持つかということ。企業では学校のように共通科目が決まっているわけでありません。皆が様々な仕事に従事しチームで成果を上げることが多いため、人と明確な優劣を感じることはそう多くありません。さらに職場では課題や弱みばかりを認識することが多く、わたしたちビジネスパーソンは適切なセルフイメージを持ちにくくなっているのではないでしょうか。

 「人はみなしたようになる」ことを前提に考えると、企業はもっと社員一人ひとりの特長を知る機会を増やす必要があります。それが個人や組織の健全な成長に繋がるはずです。昨今多くの企業で導入している1on1は本人が上司から気付いていない強みをフィードバックされる良い機会です。また、360度評価は上司のみならず同僚や部下の評価やコメントが纏まって提示され、自己を知る上で大変貴重な機会となります。
「自分にはこういった特長があったのか!」
と知らなかった自分に出会うことは、その人を前向きにさせ、新たな課題に挑戦するエネルギーを生み、さらなる成長を加速させるはずです。


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