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大学生がつくるマイプロジェクトアワード:東京都Summit 2021

今年度も全国高校生マイプロジェクトアワードのエントリーが始まりました。

ウィルドアでは毎年、関東地域でチャレンジするたくさんの高校生たちを受け入れるため企画に努めてきましたが、今年度の東京都Summitは初の試みとして、大学生が中心となって企画・運営を進めています。

高校時代に地域・社会にある学びのタネに触れて大学生になった3人のインターン生たちに、その想いを聞きました。
今年度の東京都Summitは、大人が必要だと感じる学びの仕組みを提供するだけではなく、若者自身が自分たちのナマの体験・感情を伴って生みだすマイプロジェクトアワードになりそうです。

〈インタビュイー紹介〉

◯ 石飛友里恵(とびー)
東京都の中高一貫校出身。
先生からの紹介をキッカケに様々なビジネスコンテストに参加。マイプロジェクトアワードにも、学外で中心に活動していた「校外プログラム大全」でプロジェクト発表を経験。

◯ 風越遥(ごっしー)

神奈川県の進学校出身。
高校時代は部活動のtwitterアカウント運用を通じて他校の高校生たちと繋がり、世界の広がりを感じる。その後、学校横断の合唱プロジェクト(KHC)に参加し、運営へも参画。

◯ 岸桃花(ももか)
東京都の進学校出身。
高校2年次から学校外の活動に踏み出し、アプリ甲子園、慶應義塾大学のビジネスコンテスト、ブラストスクールに参加。各参加したイベントではそれぞれ賞を受賞。

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マイプロジェクトに、どんな可能性や価値を感じていますか?

◯とびー
学びの在り方がカラフルなことが魅力で、可能性だと感じています。
マイプロのキャッチコピーは「きみだけのドラマを語れ」なんですけれど、Summitの場には本当に多様なテーマとドラマが集まってきています。
それが結果だけじゃなく、裏にある個人のストーリーまで含めて語ってもらえて。

他のビジネスコンテストは良くも悪くも、得られる学びがしっかりと設計されているので、高校生が持ち帰ることができる学びが統一的なものに感じられるんです。

固定的な「持ち帰れる学び」を伝えないマイプロだからこそ、参加者みんなが背伸びせず、それぞれの学びに目を向けてもらえるし受け容れてもらえるんです。

一人ひとりに寄り添って学びをすくいとるのは難しいし、ファシリテーターにも技量が求められるんですけれど、それができる大人が支えているのが素敵だし価値だと感じています。

◯ごっしー:
わたしはマイプロ参加経験はないんですが、卒業後に知ったマイプロには自由と面白さを感じました。

「与えられるだけの学び」には高校時代から何となく違和感があったんですが、塾のアルバイトで学びを「与える」側に立ってみて、よりその違和感を強く感じたんです。
マイプロでは、自ら「つくり・きわめてみる」プロセスを通じて色んな人と出会えるし、今まで知っていた人たちの違う側面も見られたりする。
そういう出会いから「自分が本当はやりたかったことや選択肢」が見えてくるんじゃないかと思うんです。

◯ももか:
自己分析の機会ができることも良さだと感じています。
勉強に部活にと忙しい高校生にとっては、自ら好きなことを調べる時間が持てません。マイプロがあることで、自分の「好き」や心惹かれることを見つける時間を持てるようになるんです。

また「好き」の先で自らアウトプットしていくことで、探究することの楽しさから視野や可能性の幅が広げられると感じています。

つくり手としてマイプロに関わってみて感じる難しさはありますか?

◯ももか:
参加してくれる高校生の層が限られているのが悩みです。
わたし達の発信ツールや繋がりある人は限られているので、アプローチできる高校生の層が固まってしまいがちになってしまいます。

いろんな高校生にマイプロの学びを届けたいので、課外活動が盛んな学校のみならず、多様な学校にマイプロを届けていきたいです。

◯ごっしー:
「プロジェクトにすること自体」が目的化しないようにもしないとな、と感じています。
自分の興味があること・好きなことから始められるのがマイプロの良さだと思うんですが、「プロジェクトをやろう!」だけで終わってしまうと、そこにある面白さ・楽しさが削がれてしまい、「わたし」に接続できない体験になってしまうので。
わたし達自身、本当に気をつけなきゃいけないところなんですけれど。

◯とびー:
協力していただく方が、どうしても教育関係者だけに寄りがちになってしまうことも課題です。
マイプロの学びはカラフルだからこそ、教育の専門家だけじゃすくいとれない感情や学びがある気がしていて。“環境”や“国際”といった分野のプロと、高校生をつなぐ橋渡しの役割として、教育に関わる人たちが居る形が理想なんです。

わたし自身、教育業界以外に繋がりを広げて、そのつながりを教育に還元できていけるようになるといいなと思います。


今年度の東京都Summitはどんなものにしたいと思いますか?

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◯ごっしー:
予定調和じゃない場を作りたいです。
たくさん学びのスイッチになりそうなものをバラまいて、あちこちでそれぞれの学びが湧き起こっている‥。そんなイベントになったらワクワクしますね。

いろんな大人や高校生に出会って、いろんなことが巻き起こって、そのなかでそれぞれが自分自身にとっての学び・気づきを拾っていって欲しいです。

◯とびー:
「ここに集まる人がみんな、それぞれの場所・大きさで社会を変えたり・つくったりしているんだ」ということ、そしてその中で「自分が担っているピース」にもワクワクして欲しいです。

学び・気づきも大事ですけれど、もっと感覚的に。Summitで生まれる学び・落ちている価値に、高揚感を持ち帰れる場になってもらえると嬉しいですね。


◯ももか:
大会って、どうしても周りからの評価を気にしてしまいがちですけれど、高校生はもちろん、ファシリやサポーターの方々にとっても、何かしらの学びやワクワク感を持ち帰ってもらえる場できたらと思います。

最後に、高校生や高校生の学びに関わる人たちに向けてメッセージをお願いします。

◯ももか:
ぜひ、いろんな経験を持つ高校生に来てもらえれば嬉しいです。
マイプロって「社会課題」や「学び」みたいなワードが近しく連想されるので堅苦しく感じるかもしれませんが、ぜひ難しいモノだと捉えずに来てみてください。

「他者からの物差し」を気にしないで良い場なので。ぜひそれぞれが取り組んできたものを発表し、まわりから吸収しにきてください!

◯ごっしー:
高校生と「学び」って言葉が組み合わせると、なんだか真面目な「受験勉強」に狭く捉えられてしまいがちになりますよね。けど、そうじゃなくて、もっと「面白い」を極めてほしいなと思います。

わたし達はこうして学びの機会をつくっていますけれど、その瞬間は「学び」だと感じていないことでも、後から振り返ると大事な学びになっていることがたくさんあります。

今、それが「学び」だと思うかどうかに関わらず、大事だと思うことに一生懸命取り組んでみてください。それがどんなものであれ、高校生時代に経験したことは自分にとって大切な体験になっていくはずです。

もしそれが「マイプロだ!」と気づいた人が居たら、ぜひSummitに来てください!

◯とびー:
私が高校生だったとき、マイプロの学びには「形がない」ことに良さを感じていました。
けれど「一方向からのインプットだけでない新しい学びの形」が広がってきた一方で、また何か「枠」みたいなものが生まれてきてしまっている感覚があります。

マイプロは、「誰かが評価者」なのではなくて、自分の物差しで測れることが良さだと思うので。難しいですけれど、あえてあやふやな抽象度を保った上で広がっていけると素敵だなと思います。

それぞれが新しい学びのあり方を定義できている・それぞれがそれぞれの評価者でいられる、そんな柔軟な学びの在り方を、わたしたちも含め教育に関わる人みんなで大事にしていきたいなと思います。

--- インタビュー 了 ---

インタビュー終了後、大学時代に同様にマイプロジェクトアワード関東Summitの企画を努め、今は社会人として彼らを見守っている長谷川梨央(まりお)より、東京都Summitチームに向けてコメントをもらいました。

大事な体験や感情も、どうしても時間が経つと薄れてしまっていきます。
わたし自身も、5年も経ってしまうと、高校時代に感じた怒りや熱は、思い出せはしても生々しい温度を伴っては出てこなくなってしまっています。

彼女たちのつくる東京都Summitには、そんな「あたたかい感覚」が伴っています。

「あの時感じたこと」との距離が離れていない中で、つくられているものは、やっぱりきっと高校生たちにより近く寄り添った、良いものになっていくはずです。

--マイプロジェクトアワードへのエントリー・観覧の申込みはこちらから--

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