だが、いきなり好きなことにフルベットするべきか
私の投稿の多くは、組織や家庭に疲弊したサラリーマン、偏差値偏重主義の教育に違和感を持ち、わが子の教育に対して悩みを持っている方々に向けて書いている。
現に私がそうだからだ。
お金や時間の問題で、全く自分らしく生きれていない。
自分のしたいことができない。
それだけでなく、将来不安もある…
そして、子どもにもそんな人生を送ってほしくない、そんな思いから書いている。
そんな中で、これまで、
「好きなことでないと生き延びれない」
といったような記事を挙げてきたし、これからもこの類のテーマは挙げていきたい。
しかし、実際のところ、本当にそんな安直に好きなことにまっしぐらでよいのか、というと、子どもじゃあるまいし、そんなことは当然ないだろう。
そして、この手の議論は結構されているし、書籍もかなり出ている。
私個人も、これに対しては、結論が出ている。
それは
「好きなことやるなら、何でもいいから稼いでからだ」
ということだ。
今回は、そのあたりを書いてみた。
■「好き」と「稼ぐ」のはざま
「好き」という思いと、
「稼ぐ」という行為
は全く異なる軸の話である。
「好き」は個人的な一方的な思いであり、
「稼ぐ」は他者のニーズの充足により叶うものである。
この両者を結び付けるには、からくりが必要である。
つまり、結びつけるためには、確実にスキルや経験、考え方の柔軟性が必要だということだ。
初めから好きなことに突き進んで、さらにその分野に適性もあって、収益を上げることができた、というのは、とても運のよいことだ。
だが、多くの人はそう簡単にはいかないだろう。
■「稼ぐ」に必要なスキルと経験
まず、収益につなげられるようになるほどのスキルや経験を持っていることが最も大事である。
本業以外で、新しい分野でその状態になるには、一定の時間が必要となる。
時間が必要ということは、その間、己を食わせるためのお金も必要となる。
好きこそものの上手なれ、といったことわざもあるが、
好きなことをなんとか続けていけば、やがてスキルも身に付くかどうかというのは、己の適性が分からない以上、未知の領域である。それゆえに非常にギャンブルとなる。
であれば、既に持っているスキルでお金を稼ぎながら保険を取り、徐々に好きな分野でチャレンジする方が合理的ではないだろうか。
ただ、もちろん、人それぞれの現況によっても全く異なる。
学生なのか、はたまた、独身の社会人で自由が利くのか、家族持ちなのか、それぞれに許容できるリスクも時間もお金も異なる。
リスクを取れる状況であれば、試してみてもいいのかもしれないが、それでもそれ相応の覚悟は持っておいた方がいいし、うまくいかなかったときのセーフティーネットも用意しておくべきだろう。
リスクをとって、退路を断って挑戦したからと言って、自分の能力が突然飛躍するわけではない。
したがって、好きなことで稼ぎたい、あるいは、好きなことでないと生き延びれない世界になるからと言って、いきなり全時間、お金、リソースをフルベットするのは、辞めた方がいいと思っている。
■勤め人の時間がない問題
とはいえ、務め人は雇用契約で時間が拘束されている。
その中で、準備をしなければならない。
これは非常に難しいことだ。
気力、体力、時間的リソースを振り絞って、立ち向かわなければならない。
今の境遇から抜け出すためには、地獄のような積み上げ期間が存在する。
そのためにはどんな手段も取る検討することだ。
たとえば、私も実行したが、残業時間の少な目の働きやすい環境を求めて転職したり、副業が公認されている会社に転職したり。
そうしたあらゆることを選択肢に入れるべきだ。
■自分は何のゲームを戦っているのか
そうした選択肢を考えるにあたって立ち返るべきは、自分がいったい何のゲームを攻略しようとしているのかを確認することだ。
これは、好きなことで稼ぐために、限りあるリソースをどこに振り分けるのか、という問題と同じだ。
この場合、少なくとも会社職場内での評価を得るゲームに全リソースを入れてはまずいだろう。
人生において自分が大事にしたい事を真っすぐ見つめ、行動する。
これがなかなか実は難しい。
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