般若心経写経用紙

苦しいとき、声に出して唱えよう。「心配すんな、大丈夫だ」

メチャメチャ天気よかったですが、増上寺で行われた「般若心経トークショー」に行ってきた。

別に仏教徒でもなんでもないが、真言宗、曹洞宗、臨済宗などいろんな宗派のお坊さんによる般若心経解説に興味があったので。

3時間というロングトークショーだったが、面白かった。

お坊さんたちが「般若心経」の言葉の意味より、リズムの小気味よさとしてとらえているところとか、木魚の打ち方にジャズのような「裏打ち」があることとか聞けた。

いろいろ知れたこと

・「般若」イコール「仏の知恵」のこと。般若のお面だとばかり思ってた。

・「色即是空」の「色」って「形あるもの物質すべて、認識できる意識すべて」のこと。目や耳や鼻や舌、触感などに加えて、頭の中で理解したことも含むらしい。「色」っていうから、ずっとエロい欲望のことかと思ってた。

・釈迦の教えと大乗仏教のひとつである般若心経とはとらえかたが違うということ。

・般若心経の後半部分は、宗派によって解釈が違うということ。

などなど…。

一番印象的だったのは「空とはなんぞや」というお話。あるお坊さんが空とは「充実したゼロ」だという言葉を使っていた。心の中にある自我がなくなると世界が広がる。何もなくなってしまうのではなく、そこに充実感とぬくもりを感じれるようになる。言葉や概念にとらわれない。私たちは情報や知識の習得で世界を把握したような気になるが、そんな感じになることすら、私の存在というフィルターを通しているものだから、それすら捨て去るということ。

そんなこといったって、人間なんだから無理。それができたら本当に悟ったということなので。と、坊さんたち。

思考しない、選択しない、決断しない、ということではなく、自分の考えとは別にたくさんの考えが存在するのだということを知りながら生きるということが肝要だ、と。

また、宗教は学問ではない。論理性や論拠を求めるものではない。論拠がないからこそ救われることもある。それが宗教だという話もなるほどと感じた。



そもそも般若心経に興味もったのは、ツイッターとかで話題になったロック調現代語訳を見てから。

全文は以下。

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超スゲェ楽になれる方法を知りたいか?誰でも幸せに生きる方法のヒントだ。もっと力を抜いて楽になるんだ。苦しみも辛さも全てはいい加減な幻さ、安心しろよ。

この世は空しいモンだ、痛みも悲しみも最初から空っぽなのさ。この世は変わり行くモンだ。苦を楽に変える事だって出来る。汚れることもありゃ背負い込む事だってある。だから抱え込んだモンを捨てちまう事も出来るはずだ。

この世がどれだけいい加減か分ったか?苦しみとか病とか、そんなモンにこだわるなよ。見えてるものにこだわるな。聞こえるものにしがみつくな。味や香りなんて人それぞれだろ?何のアテにもなりゃしない。揺らぐ心にこだわっちゃダメさ。それが『無』ってやつさ。生きてりゃ色々あるさ。辛いモノを見ないようにするのは難しい。でも、そんなもんその場に置いていけよ。

先の事は誰にも見えねぇ。無理して照らそうとしなくていいのさ。見えない事を愉しめばいいだろ。それが生きてる実感ってヤツなんだよ。正しく生きるのは確かに難しいかもな。でも、明るく生きるのは誰にだって出来るんだよ。菩薩として生きるコツがあるんだ、苦しんで生きる必要なんてねえよ。愉しんで生きる菩薩になれよ。全く恐れを知らなくなったらロクな事にならねえけどな、適度な恐怖だって生きていくのに役立つモンさ。

勘違いするなよ。非情になれって言ってるんじゃねえ。夢や空想や慈悲の心を忘れるな、それができりゃ涅槃はどこにだってある。生き方は何も変わらねえ、ただ受け止め方が変わるのさ。心の余裕を持てば誰でもブッダになれるんだぜ。

この般若を覚えとけ。短い言葉だ。意味なんて知らなくていい、細けぇことはいいんだよ。苦しみが小さくなったらそれで上等だろ。嘘もデタラメも全て認めちまえば苦しみは無くなる、そういうモンなのさ。今までの前置きは全部忘れても良いぜ。でも、これだけは覚えとけ。気が向いたら呟いてみろ。心の中で唱えるだけでもいいんだぜ。いいか、耳かっぽじってよく聞けよ?

『唱えよ、心は消え、魂は静まり、全ては此処にあり、全てを越えたものなり。』『悟りはその時叶うだろう。全てはこの真言に成就する。』

心配すんな。大丈夫だ。

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これの最後にある「心配すんな。大丈夫だ」という言葉。

これに対応する言葉はお経の中にはないんですが、今日の話を聞いて、般若心経そのものがこの言葉に凝縮されていると感じた。

苦しいとき、声を出して唱えろ「心配すんな。大丈夫だ」と。

それは、呪文でもあり、願いでもあり、祈りでもある。


ニコ動では、初音ミクによる「ポップ般若心経」や「ロック般若心経」もある。

きわめつけは「R&B般若心経」。

もはやひとつの曲として成立してるwww


現代語訳からの英訳バージョンまである。


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