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米津玄師”おさげ髪の新アー写”は何を意味しているのか?

米津玄師が、NHK朝ドラ「虎に翼」の主題歌として書き下ろした「さよーならまたいつか!」のリリースに先駆け、新しいアー写を公開した。

米津玄師公式Xより
米津玄師公式Xより

三つ編みおさげが放つ強烈なインパクト

米津玄師がパワーショルダーセットアップに身を包み、朝日を浴びて佇んでいる。背景のグリーンに映える真っ赤な衣装、真っ白な肌、シャープな眼差し、うねる黒髪・・・って、ちょっと待て!!

思わず二度見した。なんだこの三つ編みのおさげは…。

流行りの生成AIかなんかで誰かが加工したフェイク画像かと思ったが、ちゃんと公式から発信されている。

米津玄師の女装ならすでに「POP SONG」で見ているが、あれはゲームキャラクター的なコスプレの類。

POP SONG アー写

今回のはどうみても女装やコスプレというわけではない。モードとおふざけのギリギリキワキワを攻めている?

試しに指で”おさげ”を隠してみると、キレイな写真ではあるがよくある普通のポートレートだ。このたった2本のヘアエクステンションの破壊力たるや!

さらにグリーンとレッドの強いコントラストも相まって、パッと見のインパクトや話題性十分ではあるが、米津の狙いは当然それだけではないだろう。これはただの奇を衒ったファッションフォトではない。

精緻に練り込まれたクリエイティブコンセプト

よくよく見ているうちにこのアートワークのコンセプトが朧げながら浮かんできた。

どこか土着的でプリミティブなトライバル感、あるいは祭祀のようなセイクリッドな空気感がある。XのTLにも「ネイティブアメリカンっぽい」とか「神話」っぽいと感じる人が多くいたようだ。

で、職業柄多くのクリエイティブコンセプトを書いてきた筆者が、なんの根拠もない勝手な想像でアー写の表現意図を考えてみた。

まず、米津は「虎に翼」にこんな公式コメントを寄せている。

まさか夜中でばかり生きている自分が朝ドラの曲を作ることになるとは思いもしませんでした。寅子ともこの生きざまに思いをはせ、男性である自分がどのようにこのお話に介入すべきか精査しつつ「毎朝聴けるものを」と意気込み作りました。よろしくお願いします。

この太字部分に着目すると、夜型人間の米津がこのアー写では新鮮な朝の光の中にいることに合点がいく。朝日は単純に1日の始まりというだけでなく、”夜明け”、”黎明期”を表している。それは”女性初の弁護士”として女性の未来を切り開いた寅子(「虎に翼」の主人公)へのリスペクトにも通じる。

さらに、雄々しいパワーショルダーにフェミニンなおさげ髪でというジェンダーレスな装いで、寅子が対峙したジェンダーバイアスを軽やかに超えている。


日本神話の神「ツクヨミノミコト」がモチーフ?

ヘアスタイル だけ見れば「ネイティブアメリカン」っぽさが強いが、前述のように”朝日の中にいる夜型人間”、”ジェンダーレス”というキーワードから鑑みると、日本神話に登場する「ツクヨミノミコト」という神が思い浮かぶ。(「ツクヨミ」「ツキヨミ」とも言われ、漢字では「月読命」あるいは「月夜見尊」などと表記される)

「ツクヨミノミコト」は夜を統べ月を司る”月の神”で、男神か女神か不明とされている。

国生みという大業を成した伊邪那岐命(イザナギノミコト)が、黄泉の国から戻り、禊ぎをした時にその”右目”から生まれたのが「ツクヨミ」だ。その時、左目から生まれたのが「アマテラス」鼻から生まれたのが「スサノオ」。「ツクヨミ」はあまりにも有名な兄弟二神の影で物語にほとんど登場しない地味な存在ではあるが、「ツクヨミ」が月を読むことから暦が生まれたと伝えられている。(諸説あり)

右目を見せ、自身もまたコンタクトレンズを入れた右目で世の中を見渡してから約1年。それが何かの禊ぎなのかはわからないが、こうして考えてみると、このアー写の米津が現代に蘇り、夜の住処から朝に降り立った「ツクヨミノミコト」の生まれ変わりのように見えてくる。

プレスリリースでは、纏っている衣装の色を単に「赤」とせず「レッドオレンジ色」と記されている。つまり「朱色」=太古から”魔除・厄除”として神社の鳥居などにも使われている色だ。

この衣装にはそんな意味も込められているのかもしれない。

そして、このアー写が公開された3月25日が満月だったのが偶然ではないような気がしてならない。

さて「さよーならまたいつか!」はどんな曲なのか?ますます楽しみが募ってきた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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*カバー画像は淡路島にある伊弉諾尊(イザナギ)と伊弉冉尊(イザナミ)の二柱をお祀りしている伊弉諾神宮です。

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