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組織開発インタビュー【ハイライト】曽山哲人さん、佐俣奈緒子さん

Widgeがインタビューした記事のハイライトをnote編集長がpickしてお届けするページです。まずは、株式会社サイバーエージェント 曽山哲人さんのインタビューから。

曽山哲人さん【株式会社サイバーエージェント】

伊勢丹時代にECプロジェクトにアサインされたことをきっかけに、ネット業界の可能性を確信し、一番最初に内定が出たサイバーエージェントへ入社されたエピソード、営業統括という立場から人事への抜擢、マネジメントの失敗経験をはじめ、数々のトライ&エラーや、大切にしている行動軸など、泥臭い積み重ねのリアルが語られています!

曽山さん②

プレーヤーの頃は、自分だけ厳しくすれば一定の結果が出せることがわかりました。とにかく自分を追い込めば、その分結果が出ると。
ところが、メンバーが増え、チームのマネジメントをしなければならない立場になっていくにつれ、僕は何回も失敗をしてしまって……。
自分の成功体験であったり、自分流のスタイルを押し付けるという、ダメなマネージャーのパターンになってしまったんです。
結局、自分とは合わない部下が他の部署に行ったら活躍するという例を何度も見て、「これは自分が問題だ」とやっと気付くことができました。
そんな時に、たまたまコーチングというものに出会って、「聞き出す」ということを学びました。それをやってから、すごく組織が回るようになったんです。
僕は本人の意思をどれだけ引き出せるか、引き出せばあとは本人が責任持ってやってくれると思っています。どれだけ言いやすい関係性を作り、どれだけ本音を言ってもらえるか、組織づくりではそこが大事だということを学びましたね。

曽山さん③

経営人事として僕が大切にしていることは、「経営の言行一致」です。
社員はミッション、ビジョン、バリューを見て入社をしてくれるので。
「どうやったら風土をつくれるか」って皆さんよく悩まれるんですけど、答えはシンプル。事例を増やすのみだと思います。
よく「今の若者はビジョンがない」とか言うじゃないですか。それはそうだろう、と。だって分からないですもん、社会で何があるか。知識もないのにビジョンを持てというのは、あまりにかわいそうですよ。
だからこそ、「こんなことができたら楽しいかも」と思わせるのが先輩の仕事で、会社に入ったら「こんなことできるんですか!」と驚いてもらえるような環境をつくることが、大人のやることだと思いますね。

曽山さん④

発掘しちゃ駄目なんですよ。あるんですもん、才能が。世にいる若者はみんな才能があるので。
だから、どれだけ化けさせることができるかなんです。大化けさせられるかは僕ら先輩のやるべきこと。若い人は自分の才能に気付いてないことが多いと思いますね。

目立ちたがりだった学生時代のエピソードから始まり、マネジメントの試行錯誤から得た先輩の役割、経営人事として組織運営のズバリな本質まで、何度も読み返したい内容のオンパレードとなりました。曽山さん、ありがとうございました!

佐俣奈緒子さん【ヘイ株式会社】

統合と新規採用を同時に進めた理由や、意識的に相手方の文化を優先させた背景、オンボーディングに力を入れることがなぜ有効なのか?など、冷静な分析の一方で、「仕事は最高の趣味」と言い、ファン作りの楽しさを語る佐俣さん。組織運営のヒント満載な佐俣奈緒子さんのインタビューです!

佐俣さん①

すごく異なった文化を持っているわけじゃないという前提はありつつも、私がそこを担う上で注意したのは、相手に対してリスペクトを持つということでした。
つまりストアーズ・ドット・ジェーピーに対して、「過剰なほどのリスペクト」がないとキレイに一つになることはできないな、と思っていたんです。
リスペクトを持つ上ではまず理解しなければならないので、「どんな会社なのか」「どんな人がいるのか」「何を大事にしているのか」ということに関して、深く理解をすることに注力しました。
その上でストアーズ・ドット・ジェーピーの良いところは取り入れるし、変えた方がいいところ、あるいはコイニーがもっと良いところを持っているんだったら、それを双方持ち寄って、新しいものとしてヘイをつくるという感じです。ヘイのあるべき形をとることが最も重要なので。
ただ、どちらを優先させるかというと、ストアーズ・ドット・ジェーピーをすごく意識的に優先させましたね。新しいものって思考から排除してしまいがちで、無意識でいるとどうしても自分の過去の成功体験からの意思決定やプロセスに寄ってしまうので。

ヘイ社内

やっぱり30人の組織と、300人の組織で、あるべき動き方などは全然違っていて。例えば「小さい組織に戻りたい」という人や、「もう一回ゼロイチやりたい」とかいうところでフィットしなくなるケースとかは正直あります。経営サイドとしても、やり方を随時変えて経営統合をしたり人を増やしたりしているわけなので、そこは働いてくれている人たちも同じで、そこにズレが出てくるというケースはあると思います。
もちろん、経営サイドの意思決定を丸投げすることはなく、きちんとフォローはしますがそれでも絶対に残ってほしい、みたいなことはあまり思っていないです。
個々人の人生・キャリアの中で、最適なものを選んでもらえればいいと思っているので、目指すものが変わって、方向性の違いが出てくるのは一定数あって仕方ないと認識しています。毎回もちろん寂しいですが。一方で、新しく採用した人たちが本当に合わなくてすぐ辞めるというケースはあまりないですね。

オンボーディング

仮に組織をプロダクトだと思うと、新しくサインアップしたユーザーは、サインアップ当初はテンションが高いんですけど、やっぱりどんどんモチベーションって下がっていくと思うんですね。でも、はじめに一定レベルまでテンションが保たれた場合は、そこからアクティブ率が落ちないんですよね。例えば、昔SNS言われていましたけど、「最初の7日間に何人の友人と繋がれたか」という指標があって、その期間内で一定数の友人と繋がった人はそこから サービスを使い続ける、みたいなものと同じで。
社内においても、最初に成功体験とか、安心感が培われた状態になっていくと棄損していかないので、早期のそうした体験をどう作るかがとても重要だと思っています。そこまで立ち上がれば、あとは自走してくれる方ばかりを採用しているので、そこまでの投資だけに集中するように、我々の場合は取り組んでいますね。

Tシャツ

(仕事は)最高の趣味ですかね。誤解を恐れずに言うと、ただ楽しいからやっている状態で、いわゆる「仕事」みたいな感覚はあんまりないんですよね。 なので、プライベートとビジネスとか、遊びと仕事みたいな分け方をしていなくて、全然飽きずにずっと考えられますし、ずっと動けますし。
基本的に楽しいことをやった方が結果が出ると思っています(笑)

佐俣さん、ありがとうございました!ヘイのこれからがとても楽しみです!