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CxOヒストリーインタビュー【ハイライト】サイボウズ株式会社 チームワーク総研シニアコンサルタント 山田 理さん

Widgeがインタビューした記事のハイライトをPickしてお届けするページです。
今回ご紹介するのは、ITツールでチームの生産性と働く人の幸福度を両立する、サイボウズ株式会社にて副社長兼米国社長を務めていた(現在はチームワーク総研シニアコンサルタント)山田 理さん。2000年に最高財務責任者として同社へ参画して以来、IPOならびに東証二部・東証一部への上場を牽引してきた同氏のビジョン、サイボウズ流チームワークについてなど様々なお話をいただきました。
 
大阪に生まれ育ち、少年時代は野球に明け暮れていたという山田さん。高校時代には甲子園への出場、アメリカでのホームステイをご経験され、大学時代にはバックパッカーとして7ヶ月の間に26ヶ国へのひとり旅を実現。道中で立ち寄った、中国のシルクロードで見た光景が現在の山田さんを築く上で大きな影響を及ぼしたそうです。

シルクロードに行くと、何もないんですよね。砂漠の中で、道路さえも舗装されていなくて、牛が交通手段みたいな。そこに村があって、建物はみんな土でできているんです。そして、食堂のようなところに入っても、水道なんかなくてもちろん電話もなければ車などない、お世辞にも衛生的とは言えないような状態だったんですが、そこにたくさんの笑顔があるんですよ。

それを目の当たりにした時に、なぜ「いい家に住みたい」とか、「いい車に乗りたい」とか、「単純にお金持ちになりたい」とか、「そういうのが勝ち組だ」とか、そんなことを思って受験勉強したり、人と競争したりしていたのかというように感じて。ここにはそんなものが無くても、これだけの笑顔があるやんって。人の幸せって何だろうって。そう感じた時に、僕は「失うものはないんだ」って思いましたね。

幸せはお金じゃないんだっていうのを本当に実感して、僕にはもうリスクはないんだと。とにかく自分のやりたいことを突き詰めて、活き活きと毎日を過ごす。これが正しいんじゃないかと。こういう人生を歩んでいきたいなと学生ながらに思いました。

大学を卒業後、新卒で日本興業銀行(現:みずほ銀行)へ入行。市場部門などで経験を積む中で、業務の中で多くのITベンチャーの経営者と対面する機会があり、業界への関心が高まっていったそうです。興銀の吸収合併を機に、サイボウズ株式会社へCFOとしてご入社することを決断されました。創業者の高須賀さんと対面した際に聞いた経営者の考え方に非常に強い共感を覚えたそうです。

会社は人なんだとか、売り上げというのは、お客様からお金をお預かりして、それでさらに良いものをお客様に提供していくためにあるものなんだとか、利益は世の中に対しての役立ち高なんだとか。
そして、「公明正大に経営をするんだ」と。「隠しごとなく経営をしていくことが大事なんだ」ということを強く話されていた時に、すごいなって思ったんですよ。
設立して2年目くらいで、15人くらいで、まだどうなるか分からない状態にもかかわらず、ここまで言い切れるってすごいですよね。それでこの会社・この人と一緒に仕事がしたいなって思ったんですよ。

入社してからおよそ7ヶ月後にはマザーズ市場への上場を達成。その後創業から4年7ヶ月という史上最短記録で、東証二部への上場をも達成。しかし順風満帆に見えるその裏側では相当な苦労と葛藤を抱えていたそうです。

業績が上がるとこんなに殺伐としていくものなんだって思いましたよ。常に人が足りないので、どうしても頭数をそろえなければと思って採用をしてしまう。ただ、価値観の理解に追い付かないので、コミュニケーションも上手くいかない…。
自分達の目標を高く掲げて、それを達成できなければ、当然のように叱責もしました。だいぶ現場にはプレッシャーも与えていたと思います。そして皆が疲弊して、退職者も増えていく。離職率28%を叩き出していましたからね。

業績が伸び、企業規模が拡大する中で煩雑化する社内のコミュニケーションや人材の流出など、これまでにはなかった新たな課題に直面し、コーポレート機能の強化を中心とした人事制度改定などの大胆な改革を行ったそうです。コーポレート部門において重要なことを伺ったところ、

端的にいうとオープン。透明性ですね。
オープンになっているから指摘も他から入りますし、少し恥ずかしさもあるかもしれないけれど、いろいろと指摘をしてもらえる環境の方が絶対に良いと思います。
いわゆる「隠す仕事」の無い経営をしていかないといけないので、そのための経理であったり法務であったりですからね。管理部門の役割は非常に大きいと思います。

とのこと。コーポレート部門は『管理する』だけでなく、臆せずに挑戦することも大切にしていかなければならないと語られています。

事業側の人は、前を向いてどんどん可能性にチャレンジをしていかないと。
だからこそ、そこに出てくるリスクをいかにミニマイズして成長をサポートしていくかというのが管理部門の役割だと思うんですよね。僕らはコストセンターじゃない。僕らは成長するためのバリューというか付加価値を創っていくプロなんだと自覚を持たないといけないと思うんです。

サイボウズが大切にするサイボウズ流チームワークを国内のみならず世界へ広めていくことを目標に、2014年からは米国に拠点を移して生活しながら、“チームワークあふれる「社会」を創る”という理念のもと、国内外で企業向けにサイボウズ流チームワーク研修を行うなど精力的に活動されています。
サイボウズを通じてワクワクする人生を、社会を作っていきたいという山田さんの貴重なインタビューはこちら(https://media.widge.jp/interview/read/19?page=4)からご覧ください。