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上海のジブリ展に行って感じたこと

「上海でジブリ展をやっている?!」
と上海の日本語新聞を読んで知った私は、早速チケットを取って行ってみた。

宮崎駿監督が好きな父の影響で、小さい頃からジブリ作品を見て育ってきた私は大のジブリ好き。
これは行かなければ!と半ば使命のように感じて会場へ向かった。

中国語でジブリを「吉卜力」と書くらしい。そのまま中国語の発音で読める当て字になっていて面白い。

展示の名前は「吉卜力工作室物語」。
直訳すると、スタジオジブリの物語?かな。

展示会場に着いたら「好久不见我的朋友们」と大きくどーんと書かれていて、ここからジブリの温かさに感動した。

お久しぶりです、私の友人たち。
3つのエリアがあってかなり広かった


3つのエリアがありとても広い会場だったのと、たくさん写真を撮りまくったので、全て回るのに2時間程度かかった。

会場に入ってからまず、ナウシカの世界観が待っていた。

入口からワクワクが止まらない

そしてこの入口を通ると、各作品のポスターとともに、それぞれのアニメの名シーンが飾られていた。

もうジブリ好きには堪らない空間だった。

この3人がいる時代に生まれて良かった

また、もののけ姫のブースのプロジェクションマッピングは本当にその世界に入ったかのようで、"こだま"と"シシガミサマ"が目の前にいるようだった。

この一つのエリアでかなり満足なのに、次のエリアの全てが最新作の「君たちはどう生きるか」になっていた。結構攻めてるなあと思ったのだが、展示の一部で流れていた動画の鈴木敏夫プロデューサーの言葉を聞いて理解できた。要約するとこんな感じだった。

まず、上海でジブリのイベントをやることができて嬉しい。中国の方々に喜んでもらえる展示を考えた。ジブリは常に時代を読んで作品を作ってきた。小金井で起きていることは東京でも起きているし、東京で起きていることは日本全体で起こっている。そして日本で起こっていることは中国でも起こっている。今は決して明るい時代ではない、その前の時代であると思っている。ここからどうにか抜け出そうとしている私たちはどう生きるのか、その問いかけがこの作品に込められている。

鈴木敏夫プロデューサーの言葉

これはただ単にアニメ作品の展示なのではなく、作品を通して、「君たちはどう生きるか」と私たちに問いかけているんだと理解した。

確かにこのエリアから感じる熱量は大きかった。
それほど鈴木プロデューサーは私たちに問いかけたいのだと感じることができた。

私はこの最新作を見た時、今までのジブリ作品と違って内容を理解するのに時間がかかった。

"大人たちがこうすれば幸せだと指南してくれるが、それは均衡を保つためなんだと、それを壊してでも、死の世界ではなく、自分の世界で大切なものを見失わすに生きろ"
"鳥は自分の心の声を具現化したもので惑わしてくるけど、自分の本当の声を聞くんだ"
と自分なりに解釈したのを思い出した。

今この作品を見たらどう感じるのだろうか。
また見たくなった。


日本のジブリがこんなに世界で受け入れられていることに勇気をもらった。
また新聞には、中国の祝日である労働節期間中(5/1-5/5)の映画興収で、日本のアニメが上位に食い込んだと書いてあった。1位から3位までは中国映画で、4位がSPY×FAMILY、5位がハウルの動く城だったらしい。

ジブリってすごい。

中国人に楽しんでもらえるように作ったものだが、日本人の私が見てもとても楽しい最高の空間だった。

上海行きのネコバス
上海駅で待っているトトロ


ネコバスの行き先が上海になっていて、トトロが待っているのは上海駅になっていた。
なんて素敵な仕掛けなんだと胸が熱くなった。

最後は千と千尋の神隠しの世界になっていて、中国文化満載の空間に感動した。

この先には油屋がある


展示会場の最後に、どんぐり共和国のグッズが買えるようになっていて、上海限定のステッカーとクリアファイルがあったので購入した。

日本にいるジブリ好き妹にプレゼント

こんなに上海でジブリの世界観にどっぷり浸かることができるなんて思わなかった。かなり圧巻の展示だった。

好きなものに触れる時間は自分を元気にしてくれる尊い時間だなと改めて思った。

推し活は本当に楽しい。

ジブリの哲学を考えるのもまた楽しい。

最高の空間をありがとう!ジブリ!と心の中で叫んで、ジブリの曲を鼻歌で歌いながら帰路についた。

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