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あなたとぴりか《金》ご参加ありがとうございました!

昨年のクリスマスに行われました企画「あなたとぴりか」。
予想を遥かに超えた、多くの皆さまの作品が集まりました。
お忙しいなか、本当にありがとうございました。


本日は、私の前半👇


の後半を書いてくださいました、10名11作品のご紹介をさせていただきます。

noter さん、おひとりおひとりの個性輝く、全く違った後半!!
やはり創作って素晴らしい、と改めて感じました。


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律子さん
「こがねいろの願い」


律子さんの後半は、ヒカルとツカサの二名が主人公として展開されるストーリー。
その二人の独白が交互に行われることで、話が進んでいく。
そして、最も注目されるべきことのひとつが、「ピリカ湖」である。

だけど北海道の地図を見ていた時に、たまたまピリカ湖っていうダム湖を見つけてさ。一瞬それがピカリ湖に見えて。ほらヒカル、ピカって呼ばれてただろ、中学の時。
検索してみたら、ピリカってアイヌ語で美しいとか綺麗っていう意味らしい。そしたら、北国の美しい湖を俄然この目で見てみたくなった。

律子さん「こがねいろの願い」から引用


さすがの律子さん。
「あなたとぴりか」にしっかりと、北海道のピリカ湖を登場させてくださる、このご配慮!
ピリカさんご本人も、泣いて喜ぶサプライズでした!

北大受験を控える若いふたり(その時点で、ふたりとも優秀!)の「こがねいろの願い」はその後無事叶ったかな?
ピリカ湖、ふたり一緒に見にいけていたらいいなあ、とほんわか余韻の残る青春ストーリーをありがとうございました!


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ぱんだごろごろさん
「チェーンのブレスレット」


ぱんだごろごろさんの後半は、2023年の最初の13日の金曜日が、1月13日、共通テストの前日、という事実に基づく設定から展開。
きちんと調べてくださったこと、驚きました。

数Ⅲの問題集とノート、筆箱を鞄にしまうと、僕は立ち上がった。

まだあれこれとしゃべっている、ツカサたち4人に、
「じゃ、お先」
と言って、教室を出る。

ぱんだごろごろさん「チェーンのブレスレット」から引用

この入りの部分が、前半の内容をとても自然に引き継いでいて、すっと後半に入ることができ、素晴らしいと思いました。

当日を、双子たちの誕生日とし、家で妹のカオルから揶揄からかわれるのを避けて、学校でプレゼントを渡す主人公。
そして、そのプレゼントは、金のチェーンに合わせての、ブレスレット。
合格祈願のお守りの意味も込められている、という技!

ふと見上げると、銀杏のてっぺんに残っていた黄金の葉が、ひらひらと揺れていた。
『大丈夫、まかせとけ』
今なら、どんな問題だって、解けるような気がする。

ぱんだごろごろさん「チェーンのブレスレット」から引用

最後に、前半最初の銀杏の黄金の葉を再びもってきてくださったところなど、細部にまで気を配ってくださった作品、お見事と思いました。

後々、結婚までゴールインするといいなあ、などと思える、安定感のあるふたりのお話、ありがとうございました!


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しめじさん
「僕のクリスマスイブ計画」


しめじさんの後半は、私の最後の最後の「ヒカル、僕は知ってたよ、もちろん。この学校に入る前から」を受けての、「普通高校の受験最終日」から始まる。

私の今回の文章の綴り方、短めの文章を句点で切って行替えをする、という特徴をしっかり意識なさっての文章は、その後、主人公とカオルとヒカル姉妹との出会い、交流を展開させていく。

途中、始まりの教室へもどってからの、この一文!

手を繋ぎながらイルミネーションを見たあと、アレしてコレして……。
危うく、涎が垂れそうになった。

しめじさん「僕のクリスマスイブ計画」から引用

も~~、しめじさんなんだからあ!🤣🤣🤣
おいおい、と思った直後の、

窓の外の銀杏の木から最後の一枚の葉が舞ってゆくのが目に入った。
最後の力で輝いているように見えるその黄金色の葉は、直ぐに見えない所まで冷たい風に飛ばされていった。

先約?
僕は小さく舌打ちすると、ヒカルのあとを距離をおいてつけていった。

しめじさん「僕のクリスマスイブ計画」から引用

この文章の後から、物語の様相がガラリと変わっていく。
私の前半最初に登場の銀杏の木の最後の一枚が散って、見えないところへ飛ばされていく、この景色を織り込んでくださった直後の、新しい流れ。
しめじさん、うまいなあ!!
(先ほどの、何やらは許してしんぜよう笑)

結局、物語の最後は、かなり悲惨な結果に終わるのだけれど、なんと、その展開は、さわきゆりさんの「始まりのクリスマスイブ(或いは祝福の13日の金曜日」の後半へと続くのでした!

四色コンプリートなさったしめじさん!
さすがの仕込みでしたね。ありがとうございました!


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闇夜のカラスさん
「きんいろの結晶」


六年前。午後四時三十分。僕は小児科の入院病練にいた。

闇夜のカラスさん「きんいろの結晶」より引用

この一文から始まる、闇夜のカラスさんの後半。
高校の教室の前半から、え?小児科の入院病棟?
ガツンと読み手の興味を掴む出だし。

その後、闇夜のカラスさんらしい丁寧な状況説明と、端正な文章で、小学生時代のヒカルと、主人公リクトとの出会いが描かれていく。

それが姉との最後の会話になった。

闇夜のカラスさん「きんいろの結晶」より引用

姉の死後、僕らの家族の目に見えない何かが、決定的に変わってしまった。

闇夜のカラスさん「きんいろの結晶」より引用

そして二月十三日の金曜日。僕の前にヒカルが再び現れた。

闇夜のカラスさん「きんいろの結晶」より引用

気がつくと僕はボロボロ涙をこぼして泣いていた。

闇夜のカラスさん「きんいろの結晶」より引用

インパクトのある、でも、その後の物語の展開に必要不可欠な一文を挟みながらの、予想を遥かに超えた内容展開に、私は目が離せなかった。

主人公リクトの自分の内面についての表現も、深く、また美しい。

こんなふうに、誰かに思いきり悪意を叩きつけたのは初めてだったけど、結構スッキリした気分を自覚した途端、自分が嫌になった。時間が経つほど自己嫌悪が大きく膨らみ、しまいには押しつぶされるに違いないという予感。こういう事を何度も繰り返したら、僕の魂がどんどん黒く蝕まれてゆくだろうという確信。

闇夜のカラスさん「きんいろの結晶」より引用

最後まで、丁寧な描写で綴られた圧巻の「闇夜のカラスワールド」!!
非常に整った文章の作品を拝読できたこと、非常に貴重でした。
企画発表早々に「金色で書けたら書きたい」という旨のコメントをくださったことも嬉しかったです。
ご参加、本当にありがとうございました!


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りみっとさん
「笑顔の約束」


主人公は、ヒカルとカオルとは幼なじみ、という設定から始まるりみっとさんの後半。
物語の鍵を握るのは、仔猫。
生真面目な主人公の心からずっと離れなかった、悲しい仔猫の想い出。

あの日から、ずっと心に棘が刺さっている。僕の13日の金曜日の、小さな呪い。

りみっとさん「笑顔の約束」から引用

高校三年生になるまで、仔猫のトラウマに縛られていた、生真面目な主人公を、ヒカルの熱い想いがぐいぐいと引っ張っていく。
そして、無事、お互いの気持ちを確認し、心の棘も抜け、将来への心構えも決めることができた主人公。

途中、私の前半に綴られた、裸の銀杏の木を登場させてくださり、

裸の銀杏の下を、並んで帰る頃には、夕焼けで空が黄金色に輝いていた。ちょっとだけ、何か良いことが起きそうな気分になった。

りみっとさん「笑顔の約束」から引用

また、最後の部分では、

デートの予行演習だ。駅前の、大きなクリスマスツリーの前で待合せ。ツリーのてっぺんの金色の星が、なんだかやけにキラキラと輝いているように見える。でも、一番輝いているのは、ヒカルの笑顔だった。

りみっとさん「笑顔の約束」から引用

などなど、幾度も「金色」を強調させてくださって、嬉しく思いました。
ハッピーエンドで終わる、心優しき爽やかな青春ラブストーリー、ありがとうございました!!


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ブルーGTさん
「スラローマーは人工降雪機の夢を見るか?」


人工降雪機がフル稼働する脇をカオルの乗るリフトが上昇していく。コース開きの今日、とりあえずスラロームコース一本分の雪面は確保できていた。

ブルーGTさん「スラローマーは人工降雪機の夢を見るか?」から引用

から始まる、ブルーGTさんの後半。
なんと、スキー!しかも、ミラノ・コルティナダンペッツォ次期冬季オリンピックでの表彰台への期待高まるヒカルとカオル姉妹、という設定。

ああ!
金のネックレス、銀のネックレスから、オリンピックの金銀メダルへと発想を飛ばしてくださったのだな!と。

そして、スキー姉妹の間に、やはりスキーヤーのツカサが登場して、物語は進んでいく。

「あのさ、競技が佳境に入る次の週だけどさ。2026年の2月13日は何曜日か知ってる?」
「さあ?」
「金曜日よ。13日の金曜日。私のラッキーデイ」

ブルーGTさん「スラローマーは人工降雪機の夢を見るか?」から引用

13日の金曜日の設定は、なんと、次期冬季オリンピック開催中の2月13日。
その金曜日を、ラッキーデーとするヒカル。
やはり優勝は、ヒカル?
銀のネックレスのカオルは、金には届かないのか?
一方で、ツカサはどうなる?

「金色」をしっかりと意識し、オリンピックの結果はどうなるのかというワクワクを埋め込めてくださった展開、とても楽しかったです。
ありがとうございました!


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はそやmさん
「報酬は三角チョコパイ」


「真面目にふざける精神で頑張りま~す🙌」
で金色にも挑戦してくださった、はそやmさん。
さて、どうくるか?( ´艸`)

金銀のチェーンを見ないと見分けがつかないヒカルとカオルと違い、僕達は双子と自己申告しないとわからないくらい似ていない。

はそやmさん「報酬は三角チョコパイ」より引用

ひゃ~、なんと、男子側も双子設定!!!

「ヒカルの好きな人ってツ……サ……よね?」

はそやmさん「報酬は三角チョコパイ」より引用

しかも、男子双子の名前、似ているらしい???

「ツバサくんどうしたの?」
「お、ツバサ!」

はそやmさん「報酬は三角チョコパイ」より引用

おお!ツカサとツバサ!
その二人と、ヒカル・カオル、との四角関係?( ´艸`)
物語の展開の楽しさに引っ張られていたら、おや???

ところで僕達と一緒に三角チョコパイを食べているこの方々は?

はそやmさん「報酬は三角チョコパイ」より引用

いやいやいやいや、やはり登場なさいました、スイーツ探偵✨

最後、しっかりとハッピーエンドな混乱青春ラブストーリー。
スイーツ探偵での四色コンプリートの、はそやmさん、しっかり笑わせていだたきました。ありがとうございました!



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めろさん
「Cats Rule the World Ⅲ(Gold)」

「Cats Rule the World the Final(Four Colors)」


前略 めろ様
あなたとぴりかの企画へ、Four Colors+Fanal、全五作品のご参加を、誠にありがとうございました。
その壮大な「めろワールド」への感想を、どう綴ればよいのか考えた末、単なる言葉の感想では、到底、私の気持ちは表せつくせないことがわかりました。

なので、超アナログな手書きによって、五作品の相関図を書かせていただきました。
今年還暦を迎えた脳みそでは、なかなか全ての関係性を覚えられず(笑)、もしかしたら漏れもあるかもしれませんが、改めて、各作品を隅から隅までじっくりと楽しませてもいただきました!


題して「第152回 冬ピリカーンDANCEBATTLE」相関図!

裏紙ですみません🤣(何やら透けてる💦)

オフィシャルな登場人物以外に、誰かさんや、誰かさんが隠れていますよね!
そのあたりも併せて、本当に楽しませていただきました。

きっと、密かにお腹を抱えていた方々も多かったことと思います。
ブラボー✨✨✨



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大橋ちよさん
「ヒカルとカオルの裏家業」


なんとなんと!ちよさんの作品には、あのお方が!

そう、あれは世にいうジェイソンだ。13日の金曜日に出現してはこうして暴れまわっている。

大橋ちよさん「ヒカルとカオルの裏家業」から引用

ジェイソン!!
なにせ、13日の金曜日ですものね(笑)
やはり、ジェイソンが登場する作品も書きたくなりますよね。

ただ、それほど狂暴性のある描写はなく、それよりも、ジェイソンをやっつける双子たちの状況の方に興味がいきました。
何故?どういう状況?

 「でも…うちはこういう家系だから」

ヒカルの金のネックレスがキラリと光った。

「母さんからこのネックレスを受け取った日から私ら姉妹は定めには逆らえない運命だったんだ。こうしてジェイソンと戦うという…」  

大橋ちよさん「ヒカルとカオルの裏家業」から引用

ここに金のネックレスが登場。
そうか、、金と銀のネックレスが、ジェイソンと戦う定めという運命を決めたんですね。
面白い!!!
ツカサの「…どんな家系だそれ…」とつっこみたくなる気持ちも大共感。

そして、最後には

「あれ? 言ってなかったけ? あたしら不老不死なんだよ」

大橋ちよさん「ヒカルとカオルの裏家業」から引用

思わず、え~~~。
すみません、擬音ばかりになってしまいそうな感想になりましたが、なかなかインパクトのある、そして、前半からはまさかの展開の後半でした。
創作って、やはり書き手の個性によって、色々な展開になるということを、改めて実感。

あなたとぴりか、四色コンプリートもしてくださった、大橋ちよさん。
絵に歌に、様々な創作を楽しんでいらっしゃるちよさんならではの作品を、ありがとうございました!


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ヒスイさん
「あの雲には黄金の裏地がついている」


誰にも言わないけどね。

ヒスイさん「あの雲には黄金の裏地がついている」から引用

この一文を私の前半の最後に添える形で始まる、ヒスイさんの後半。

医者の父親を持つ主人公ツカサは、幼い頃から、医者の心がまえ「三原則」

『1.病院および自宅で見たことは、即座に忘れること
 2.病院および自宅で見たことは、何があっても口外しないこと
 3.病院及び自宅で見たことを、聞こうとしないこと』

ヒスイさん「あの雲には黄金の裏地がついている」から引用

を守り、中学生のときに偶然知った、ヒカルとカオルの家庭の秘密を、誰にも口外せずに、自分の中にしまっておく。
そんなツカサも、高校生にはり、ますます困難な状況に陥ったように見えたヒカルを助けるべく、勇気を持って共にに立ち向かう。

その後、物語は、読み手の予想を遥かに超えた「仮想通過に関する遺産相続」という問題を中心に、複雑に展開される。

そして、

ちがう。きっと違う。何か、隠されたことがある。
わかっていたけど、僕は何も言わなかった。

ヒスイさん「あの雲には黄金の裏地がついている」から引用

というツカサの言葉で、読み手も、何か隠されたことがあるのだろうな、とは予想はできたものの、ラストの意表をつくどんでん返しは、なかなかのトリック!

途中、幾度も、金色が文中に散りばめられ、最後にまた、ツカサの

僕は、何も言わない、何も聞かない。ただ見ているだけ。
だけど絶対に、口外しない。

これは、三人だけの金色の秘密だ―。

ヒスイさん「あの雲には黄金の裏地がついている」から引用

この言葉で締めたところ、流石だと思いました。
ヒスイさん、巧みなトリック、ありがとうございました!


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最後までお読みくださり、ありがとうございました。

ピリカグランプリ、この冬は、この企画で終わりっ!

また次回、しっかり準備してまいります。
ぜひ、お逢いいたしましょう🎶

よろしくお願いいたします。


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ピリカさん《緑》まとめ記事

Marmaladeさん《赤》まとめ記事

さわきゆりさん《白》まとめ記事


それぞれお楽しみください!

いただいたサポートは、次回「ピリカグランプリ」に充当させていただきます。宜しくお願いいたします。