「かかわり行動」を1on1でやってみた

カウンセリングに携わったり学んだりしたことがある方はご存じかと思いますが、1960年代にアレン・E・アイビー(Allen E. Ivey)とその共同研究者によって開発されたマイクロカウンセリングという技法があり、その中で、「かかわり行動」というものが規定されています。

”マイクロカウンセリング”は何かというと、
コミュニケーションの形をひとつひとつ技法として命名し、目に見える形で習得できるようにしたもの

その中の”かかわり行動”とは何かというと、
カウンセラーとクライアントの間で、クライアントが安心して語り、問題 解決に向けて取り組めるような関係を築き、クライエントの内面変化を促すためにカウンセラーが行う、非言語的な行動
を指しているようです。

代表的な4つの要素があり、それは以下になります。

・視線を合わせる
・身振り手振りや姿勢に配慮する(身体言語)
・声の調子(大きさ、高低、トーン)
・話を最後まで聞く(言語的追跡)

なるほど、かかわりを深めるためには、目(視覚)耳(聴覚)を中心に気を配る必要性があるということですね。
もしかすると、ほかの五感(嗅覚、触覚、味覚)も活用するとさらに進化するかも?ですね。部屋の香りに気を配るなどなど。

そしてさらに、この4つの要素を踏まえた「かかわり技法」、つまり具体的な方法があるようなのでご紹介します。

観察
 
質問に対する応答と表情・態度との間の矛盾点や変化に気づく
 起きていることへの手がかりを得る
質問
 
「開かれた質問」と「閉ざされた質問」がある。
 最初から矢継ぎ早に「閉ざされた質問」をしないように
はげまし
 
「うんうん」「ええ、ええ」「もっと話しをしてみて下さい」など
いいかえ
 
相手の話した内容を、違う言葉で表現
要約
 
相手の考え、感情そして行動を短くまとめる
感情の反映
 
「今ここ」の感情の確認、言語化
意味の反映
 
意味の探求。主に行動の背景にある感情や思考

なんだか難しいような、これならできそうな、やってみないとわからない感じですね。

これがいわゆるマイクロカウンセリングの技法のうち、”基本的かかわり技法”というものに該当するそうです。

わたしもせっかく学んだのだから、と、最近この「かかわり行動」を1on1に取り入れて、メンバー(部下)との会話に意識的に活用してみました。

例えば、メンバーの悩みを聞く流れになったとき。

このときのメンバーには、いろいろな状況にあることが考えられます。
・不安や緊張状態にある
・自分の考え、感情をうまく言語化できない
・問題の本質がわからない
・解決の考え方が整理できない

こういったときに、これまでだとつい「問題はこれじゃないの?」とか「こう進めたら?」とか、ややもすると、上から目線で、アドバイスを送ろうとしていたように思います。そして、そういう行動に自分の存在価値を感じてしまっていたと思います。

しかし「かかわり行動」をわたしは、敢えて答えを出さず、自分の目と耳に意識を傾けて、じーっと聴くようにしました。そうだね、とうなずきながら。

そして、相手の言葉をいいかえてみたり、少し声を高いトーンにして「そうだよね」という言葉で、理解していることを伝える。

するとこれが、驚くほど、メンバーの表情が変わるんですよね。
なんというか、もっと話そうとしてくれる。

わたしが特に意識しているのが、「どういう気持ちだった?」とか「なんでその気持ちになったの?」と確認すること。
一瞬、うーんという表情や言葉が出てきたりするのですが、これを思い出して言葉にしてもらうのは、本質に近づく重要なことなんですね。いわゆる内省ってやつでしょうか。

自分がちょっと意識を変えて話を聴いていくと相手も変わる、というこの体験はとても貴重ですし「いままでやってきたことって・・・」とまで思ってしまいますね。

実際やってみるのは少し我慢も必要ですし、日頃の関係性もあるなぁと思うところがありますが、とにかく「かかわり行動」が1on1の本質に気付かせてくれたことに感謝した今日この頃でした。


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