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社内勉強会でマーケター脳筋ブートキャンプをやってみた #マーケティングトレース

みなさんこんにちは。リモートワーク楽しめてますか?
私はというと「在宅勤務ガイドライン文書」を作りつつ、出来心で筋肉体操の動画リンクもりもり仕様で社内へ展開して楽しんでしまったことをここに懺悔いたします。(健康維持だいじ)

さて、筋肉といえば先日社内からこんなオファーがありまして。

CS同僚「今年入社したメンバー2人がマーケティング興味あるらしく、勉強会やってくれない?」

き「おお!もちろんいいですよ!マーケどんくらいご存知の方向けです?」

同僚「いや全く。ユーザー問い合わせ対応してる、サポート職2人」

き「へえ・・・なんで興味持ったのかしら。まーいいか、やります!アウトプットしたいことがあったので。マーケター思考が身につく、マーケティングトレース(マケトレ)っていってね…」

同僚「はーいじゃあ頼みました。CSチームから僕も参加しますねー」

(Slack終了)

はい、あれ?筋肉関係なかったですね...。

まあこんな流れで私がマーケティング研修講師やりますと宣言。それからほどなく、全社的にリモートワーク移行することになりまして。

オンライン勉強会にするか延期するか...メンバー的にワークは手書き派だろうし、対面サポートできないと厳しいかな...でもせっかく今興味あるわけだし、自分もアウトプットする機会を失いたくない。(マケトレミートアップ初めて参加してから1年半...未だアウトプットできず強制イベントが必要...)

こんな感じでやってみたい衝動に駆られるものの、不安要素に悩んで一歩踏み出せない方が少なからずいるのでは?と思い、勉強会主宰の実践事例としてログを書き起こしてみました。誰かのマケトレ事始めの手引きとなればこの上なく嬉しいです。

奇跡の出会い

悩んだ翌朝facebookを開けると、なんと黒澤さんが研修向けマケトレワークシート1枚版をアップしてくれていた。神よ...

このシートと黒澤さんの熱い文章に背中を押され、こりゃやるしかない!と決行を決意しました。

事前準備

事前アナウンスはこれだけ。

黒澤さんnote↑を読む&ワークシートダウンロード
テーマ企業 / ブランドだけ決めてくる
勉強会冒頭で、選んだ理由を各自発表する

情報過多でお腹いっぱいになりませぬよう...と建前を言いつつ
頭すっきりしっかり寝てきんさい!脳みそにぶち汗かいてもらうけんね! と、地元方言を心でつぶやいていた。

当日やったこと

あっという間に勉強会当日になりました。もうほとんど事前準備の時間は取れないが、さてどうしよう。ポケモンGOやるか・・・いや壮大になって時間切れだ。却下。

そんなとき、業務で情報収集のため視聴していたオンライン展示会 「SaaS Exhibition」でSansanさんのプレゼンが目に留まる。

ざっくり内容はこんな感じ。

・自社のドブ板営業プロセスをオンライン化にシフトする過程で、フルオンラインの営業マンが成績No.1になり改革断行へ
・きっかけはCM放映後に問い合わせが殺到し、訪問リソースをかけられずオンラインにシフトせざるを得なくなったこと

営業プロセスのデジタルシフトと組織改革を抱き合わせでやりきったストーリーに感動して、「そうだ!自分のテーマ企業にしよう」と、手元に印刷していたマケトレワークシートを書き始めた。

セミナーで気になった話を該当箇所にメモ→関連情報をWebで調べる→仮説立てながら書くと繰り返す。CMO視座での仮説立案まで含めて、ランチタイムで手書きネタはなんとか完成。こんな感じに↓(※手書きは判読不能に)

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なんという素敵な企業なんだろう。書くのが楽しくて仕方なかった。

ほっと一息、このシート使いやすっ!と感激するも束の間、重大な落とし穴に気づく。

フレームワーク解説入れないとワークできひんやん

ロールプレイ

黒澤さんのワークシート1枚目では、マーケティングトレースの流れとポイントをこのように丁寧に解説してくれている。

●マーケティングトレース6つのステップ

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これあればイケそう!と思ってたけど、進行を想像すると不安がよぎった。マーケターなら分かりよい説明だが、このまま伝えても使いこなすまでは到達できないのではないか?と。

思い起こせば初めてミートアップに参加したとき。自分はフレームワークを使いこなせなくて、片手落ちなプレゼンになった無力感を経験していたことを直前で思い出したのだった。チームメンバーのペルソナを考慮できてなかった。

やばいよやばいよーと、脳内のプラン(指導案)を書き出してみる↓

(ブートキャンプ教官のテンションで)

1.ウォーミングアップ 勉強会=受講者マインドを破壊する
マーケティングトレースはブートキャンプだ。
よく来たなみんな。
君はなぜマーケティングに興味を持ったんだ? 
選んでくれた企業とともに発表してくれ。

(テーマを各自発表してもらう)

2.今日チームで到達するビジョンを示す
今日の目標は、仕事/生活で気になった事象に対して、
マーケター脳で考えられるようになることだ。
だから、今日は企業を分析するだけでなく、
テーマ企業の事業を伸長させるプランを発表してくれ。
君たちはプロのマーケターで、会社の命運を背負っている。

だから今日は勉強会ではなく、脳の筋トレだと考えてくれ。
精神と時の部屋で、汗をしっかりかいてもらうようなことだ。
ハードワークになるが、お菓子と飲み物を今すぐ用意して、
2時間なんとか乗り切ってくれ。
筋組織を破壊して超回復させるイメージで、
脳に負荷をかけることがポイントだ。
明日からのお互いの生活を豊かにしよう。

3.アイスブレイク ゴールまでの道のりを共有する
1つ、すぐできるマケトレの実用例をあげよう。
さっき私はカラムーチョを買ってきた。
棚の見えやすい場所でセールをしていて且つ、何よりも
「ムーチョ35周年」と記載されたパッケージのキャッチに
惹かれたからだ。
「あのおばあちゃん、ムーチョって言うんだ...同世代か」
と驚きもあった。何より裏面に謎のQRコードがある。
これは手の込んだプロモーションの仕掛け、
いやむしろ湖池屋の命運かけたブランディング施策じゃないか?
だから意図的にセールしていたのでは・・・?
こんな想像をしてワクワクしてきたからだ。

なに?カラムーチョ食べたかったのを膨らませているだけだろと?
その通りだ。さっさとお前も食べたいものを用意しろ。

4.フレームワーク&ワークシート使い方説明
黒澤さんの資料使えばなんとかなるっしょ

5.もくもく会&適宜しつもん
各自ワーク
(一旦手を止めて)
サンプルを発表 Sansanさん
ワーク再開〜仕上げ

6.発表
全員発表&フィードバック

7.終わってから振り返り

いかん。もしフレームワークの使い方が伝わらず尻すぼみしたらこれ・・・

カラムーチョ食べる集いになる _:(´ཀ`」 ∠):

何かないかー何かないかーとストレージをひっかき回す(ドラえもん状態)



マーケティングトレース女子会のスライドがあるじゃあないかっ!
(※マーケティングトレースのfacebookグループに参加すると見れます)

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本スライドでパンダ先生(黒澤さん)はこう言っている。

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フレームワークごとに、問いをご用意下さっているパンダ神

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このスライドのおかげで、フレームワーク説明〜もくもくタイムのナビまで一安心。当時企画運営されたちゃんまいさんに感謝。拝みました。(しかもSansanの方...合掌)

こうしてギリギリ整って、いざマケトレオンライン勉強会へ。

※いまならマーケティングタウンさんの研修資料と、黒澤さん書籍を使えばもう万全ですね!

ビギナー向けの設計で正解

しょっぱなからHangout Meetが画面共有されないなど技術トラブルで焦り、ロールプレイの教官キャラを演じる余裕はなく。穏やかに進みました(笑)

案の定、序盤の参加者への質問で、想像していた通りのマーケ言語通じない問題が発生しました。

き「マーケティングとは?どんなことを意味すると思ってますか?」
A「売るための露出を高める活動。プロモーションとの違いが分からない」
B「営業のお友達的イメージ、広告やCMのような?」

思考停止しなくて良かった。ドヤ顔でこんな回答しました。

「営業は、モリ持って目の前の魚獲る人」
「マーケティングは釣り。どこで釣るのか、仕掛けやエサは?狙いが小魚なら網で一気に獲るとか。成果が戦略で全く変わりますよね?」

おーし、講師らしいこと言えたぞと。my目標をようやく1つクリアしたからえらい。(釣り好きの方が居たので隙あらば例えネタでfishする!)

筋繊維破壊から超回復へ

ファシリテーターとしてハードだったのは、フレームワークの使い方を自分の言葉で伝えること。ボロが出まくって混乱させてしまった。

こんな質問が出て、「今日は...どっちでもいいですよ」と穏やかな笑顔で誤魔化してしまった。

「ポジショニングって過去のものを分析して書くの?」
「PESTのSとEどっちに書くべき?」
「STPの箇所は3Cで代用してもいい?(3C知っていた方が1人居た)」
「5Forceの売り手 / 買い手交渉力などはシートに書かなくていいの?」

あとで調べて初めて気づく認識不足がいっぱい。次回はちゃんと答えたい。

逆に苦労したのはこれくらいで、あとはもくもくと全員がワークするだけ。
40分しかワークに充てられなかったためか、全然質問こなくて驚きました。(全員話しかけられないディープな集中モードだった感)

発表タイムになり、全員が資料化には至っていなかった。

その代わりワークシートは、判読不能な書き殴りで埋め尽くされて出来上がっていたのが、Webカメラ越しでもしっかり伝わった。

これ、ランチのときの自分と同じだ...
集中して脳みそに汗かいた結晶やん...

この時点でうるうる来てたのだが、発表を聞いて度肝を抜かれた。全員、テーマ企業の全体感を分析できていた。フレームワーク使い方が伝わっていたと体感できた。

小僧寿しのトレースをしたAさん(※テクニカルサポート職)は、社会背景と店舗立地からUberEATS開始へ舵を切るCMO戦略でV字回復をはかる収益モデルを提案してくれた。見事だった。

「地方に店舗多いし介護事業の方が収益支えてそうだから、出前と組み合わせた社会貢献型サービスもリリースすると良さそう!」とか、アイデアの原石がメンバーの意見で磨かれていくのには感動しました。
(※実はAさんは同社株を持っていて株価何とかしたいと告白し一同爆笑)

また来週、今度は講師にCSの彼が立候補してくれて勉強会開催が決まり。
脳筋ブートキャンプ第一回は幕を終えました。

さいごに:効果検証と振り返り

ここまでが勉強会の実践報告です。いかがだったでしょうか。

結果まさかの、死闘を超えた仲間みたいなチーム感が芽生えたという、予想を超えた展開で。勉強会が終わった後も、オープンにしてさらに仲間を増やそうとSlackチャンネルが立ち上がったり。人間は2週間で忘れるから、隔週では必ず勉強会やりたいです!とBさんが目標立ててくれたり。

リモートな日常でもできる脳ミソの筋肉体操とでも言いますか。知的好奇心を喚起できたうえ、スッキリした爽快感が全員に得られたようです。

やってみるまでは不安しかありませんでしたが、本当にチャレンジして良かったです。この時期の新入社員向けにも、十分実践可能だと確信しました。

実はファシリテーターとしての一番の達成目標(裏テーマ)はこれでした。

思考の筋繊維を一緒にぶっ壊して超回復したら、明日から楽しくない?

こう問いかけて、Yes!と返ってくるグルーヴをつくること。エンターテインメントKPIとでも言えますかね。事例はこちらのおじさんを参考ください。(電車で飛沫はダメだけど、在宅で1人ならいいボイトレにもなります!!!)


閑話休題。

達成度合いの検証対象はメンバーからの総評フィードバックで定性的なものですが、一方向ではないコールアンドレスポンスができた手応えを得ることができました。これが最高に楽しかったので満足。

学習到達度、ルーブリック的な観点で見ても、今の社会環境配下ならではの共通の関心事を軸に、異なる切り口でフィードバックしあえたことで、1人1人が深い学びを実感できた。ここに大きな価値があったように感じます。私自身、脳の筋トレを続けようと素直に思えるようになりました。

結果的に、マーケティングトレースの理念に共感するファンとしてやっと、一歩貢献できたことに嬉しく思います。

日本のマーケティングリテラシーを底上げしていきたい

なお、ちょうど新社会人向けに黒澤さんがミートアップ企画している模様なので、気になった方はぜひチェックしておきましょう!

個人的な今期目標としては、有価証券報告書を読んでから商談の場にいけるようになりたいです。最近PR・新規事業企画寄りのロールに変化してきたので、会計クイズにチャレンジしていこうと思ってます。こちらも社内勉強会でやりたいネタです。書籍の試し読みできますので、ファイナンス思考の筋トレご所望の方はぜひ!

最後に今回のブートキャンプの学びをまとめます。

家にいても脳は鍛えられる
アウトプット×創発的学び=脳の筋トレが楽しくなる
マーケター思考はどの職種でも共通言語にできる

現場からは以上です。

長文を最後までお読みいただき本当にありがとうございました。


※おまけ※

ムーチョ35周年企画は予想をはるかに凌駕していました。湖池屋さん好き!


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