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ひらがなエッセイ #33 【む】

    大阪生まれ大阪育ち、悪そうな奴は大体赤の他人の私の口癖は「まいど」である。誰かと出会い、まいど、お店に入り、まいどまいど、意味はあまり考えずに、こんにちは、のノリで使用している。これは商売人である両親の影響であろう。小さな頃から、まいど、おおきに、まいどまいど、おおきにおおきに、を繰り返し聞かされた私はいつの間にやら体に染み付いて、まいどと離れられなくなってしまった。いやー、マジでまいどやわ。

    私は汚い言葉を使う人が嫌いだ、とまでは、胸を張って言えないが、出来れば控えてくれないかなぁ、とは思って暮らしている。影響されやすい私は、汚い言葉のコミュニティに入ると自然と同化して、オラボケなんでや、となってしまうからである。何て悲しきカメレオン、侘び寂び幽玄、雅やかな言葉を紡いで暮らして行きたい。優しく穏やかに、誰かを傷付ける事なく生きて行くのは不可能なんでしょうか。どうやら私の辞書には不可能と言う文字があるようですわ。んーやり切れん。

    少し問いたいんだが、私の母親の口癖は【無論】である。何かを質問すると「は?【無論】」これは、当たり前の質問するな、答えを聞きたかったら答えて欲しくなる質問だけして来い、と言う解釈で間違いないのだろうか。私は母親以外で【無論】と言う人間に出会った事が無いので、この言葉が優しさなのか厳しさなのかわからずに、なんっっじゃこいつ、と思ってしまうのだが、親は敬って然るべき存在なので、えへへ、すいません、とか何とかヘラヘラしてその場をやり過ごしている。口癖が【無論】。わけがわからん。

    いやぁ、やってしまった。ストレスのはけ口にしてしまった。こんな私の文書でも少なからず楽しみにしてくれている人もいるだろうに、申し訳ない事をした。なんて、書き込まずに消せばいいじゃないか、と思う人も中にはいるだろう。

    そんな事は【無論】承知の上なのさ。

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