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筆談って難しい…

突然ですが、私の職場(運動特化型デイサービス)では、難聴の利用者様が少なくありません。

そのほとんどは軽度〜中等度の難聴者ですので、
・補聴器を用意していただく
・耳元で喋る
・ゆっくりはっきり話す
・声音の高さを調整する
・短いフレーズを使う
・ボディランゲージを用いる
・動きの真似をしてもらう
といった方法の組み合わせで十分対応が可能です。

しかし、重度の難聴となるとそうはいきません。
声量とか話し方の問題ではなく、音を拾ってもらうこと自体が難しい。

特に、未だマスクが外せない=口元が見えないという状況や、相手方の理解力の問題も絡み合って、本当に対応が難しいと感じる今日この頃。

何より「大声」での対応はこちらの喉が持ちません←ここ大事!マジで



筆談という選択肢


そこで活用するのが「筆談」という手段。

筆談と言っても、一語一句を文字でやりとりする訳ではありません。
こちらが文字に書いて伝え、相手には口頭で返答してもらうのです。

椅子に座ってゆっくり会話するのであれば、筆談という手段はとても良いものだと思います。



さて、問題はここから。


実際の現場では、
・難聴の方と歩きながらコミュニケーションをとりたい
・難聴の方へ、とっさに声をかけなければならない
・施術しながら意思疎通をしたい

↑こうした場面の方が圧倒的に多いのです。
(うちの施設での場合です。)


「筆談」のココが難しい!


筆談は便利な半面、幾つか課題があると思っています。

例えば、口で話すほうが圧倒的に速いです。(当然ですね)

文字に書こうとすると
・こちらが文字に起こす時間
・相手が文を読む時間
・それを理解して反応してもらう時間
こうしたプロセスが生じるため、どうやっても数テンポ遅れます。

スピーディなコミュニケーションとは程遠い。
特に、「危ない!」「ちょっと待って!」といった咄嗟の危険を伝えることができないのです。

しかも現場は常に人手不足。
周囲の状況に注意を配り、限られた時間の中、大量のタスクを掛け持ちしながら「書く時間をとる」というのはとても難しい。

「書く」という作業は、両手を使う作業でもあります。
つまり、介助しながら一緒に移動している間や、施術で両手が塞がっているような場面では、通常の筆談が使えないということです。

こちらの文章力も問われるでしょう。
伝えたいことを、相手が理解しやすい表現で、極力短いフレーズで、瞬時に、キレイな字で書く←ムリゲー

このように、現場で普通に筆談するというのは割とハードルが高いことだと感じています。

そこで最近、次の手を試しました。
音声入力という方法です。

音声入力を活用する


今の時代、スマホに向かって話すだけで文字起こしができます。
変換機能も近年はだいぶ改良されたと聞きます。

早速、普通のメモアプリ×Google音声入力を試してみました。



結果は上々!
やはり「書く」という作業が短縮できる分、かなり便利。
Google音声入力は優秀でした。
短いフレーズを意識し、難しい単語を使わない限り十分使えます。


とはいえ、さらなる課題も見つかりました。

・パッと読みやすい文字サイズで音声入力したい
・前の文章が溜まっていくと画面が見にくい
・音声入力開始と終了のコマンドを手で押さなければならない
・スマホを常に手元に置かなければならない

こうした点がネックになり、個別機能訓練中に使うのは難しかったです。

相手がベッド上臥位であれ、座位や立位であれ、スマホ操作のためには一旦手を離さないといけないんですよね。
手書きと違って、タッチ操作の場合は一瞬こちらの視線が完全にスマホへ向く分こわいです。
現場がうるさくて、周囲の声を拾ってしまうことも課題でした。


というわけで、さらに次の一手。
筆談アプリ」なるものを使ってみました。

筆談アプリを使ってみた


筆談アプリは、音声入力を活用しつつ、筆談に特化したアプリです。
私が先程挙げた課題はクリアできるのでしょうか…?
(今回はこえとらというアプリを使ってみました。)

結果は…



まず音声入力される文字がデカい!
とっても見やすいんです。
スマホサイズの画面でも、高齢者が十分読めるサイズで入力してくれます。

しかも音声入力を開始すると、前の文章を自動で消してくれる!
画面上に履歴が溜まらないので大変読みやすい。

音声認識能力は十分。
短いフレーズを選び、難しい単語を避ければ問題ありません。

そして音声入力を自動で終了する機能がついています。
これで停止操作をしなくて済みます。
(入力開始時だけタップ操作が必要)

他にも、定型文を用意しておく機能や手書き機能、音声再生機能などもあり使いやすかったです。

一方、まだ万能と言う訳ではなく、
・一瞬スマホを直接操作する必要があること
・周囲の声を拾ってしまうこと
・足元の施術中などは、画面を相手に見せるためいちいち移動しなければならない
といった点が課題だと思いました。


それでも通常の手書き筆談よりは圧倒的にスピーディです。
まだ使ったことがない方は試してみると良いかもしれません。


まとめ

今回はお仕事関係の話でした。
また発見があったら書き加えたいと思います。

ちなみに、まだまだ欲しい機能や願望があります。

例えば、
・音声入力開始や停止の操作を、手を使わず操作する
・周囲の音を拾わずに入力する
・スマホが手元になくても音声入力できる
(こっちの両手をフリーにしたい/相手に端末を持たせたい)
・送迎中、車の運転中でも難聴者とコミュニケーションをとりたい
(特に、真冬のガタガタ道、暖房MAXでうるさい中とか、難聴者が遠くに座っている時とか)

などなど。
何か良い手段やアイデアをお持ちの方がいたらご教授くださいましm(_ _)m

使えるツールはどんどん使っていこうと思う今日この頃なのでした。

それではまた次の記事で。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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