冷酷な決断力のある人は、むしろ弱者寄りなのではないかという話
我々は弱い人間が弱さのゆえにふり絞らざるを得なかった勇気とその狂騒的行動を見て、強さだと勘違いしすぎという話をした。冷酷な実力主義を標榜する裏には、世界を童話のようなヒロイックな解釈をするに留まっている幼児性があり、実はその人は強くも怖くもないのである。鬼退治より鬼と友達に。ある人は部屋に虫が現れたとき、この虫を倒すことが私の成長に課せられた使命なのだと勇気を振り絞り、キンチョールをプシューと吹きかける。怖くて気持ち悪い虫という、その人の人生の途上に現れた強敵を倒し、平穏無事