徳は子供のおもちゃか

子供の頃はおもちゃで遊ぶのに夢中になっていても、大人になると見向きもしなくなる。これは脳の活動という意味ではおもちゃで遊ぶ子供のほうがきっと活発に活動しているのだが、大人の知力体力経験からすると取るに足らないのでおもちゃに夢中になれないのも仕方がない。これと全く同じことが道徳や倫理の領域で自分に起こっているのが実感される。子供のころに比べて、人様やお天道様に見られて恥ずかしくない行動をしているのかとか、そういう徳の高い葛藤がどんどんなくなってきている。あたかもゲームの勝敗に一喜一憂していたころの緊張感と真剣さを、大人になった今全く思い出せず遠い過去のものになってしまい、ほこりをかぶったゲームを横目に過ごしているかのように。

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