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#33 Berlin

2019年10月5日

起きた瞬間からどんよりした天気なのがわかる。気温もひやりとしていて、ここぞとばかり用に持ち歩いていたインスタント抹茶を飲みながら体温を取り戻す。起きたて抹茶、かなり癒される。

友人とお店で集合。有名なケバブショップ〈Mustafa's Gemüse Kebap〉の味をぜひ食べて欲しいということで、同じくわたしも好きなので楽しみにしていた。開店時間より少し前に着いたのだが、すでにちらほら列ができている。午後にかけて意味がわからないくらい並ぶという噂なので午前中に来れてよかった。オーダーする頃に後ろを振り向くとすでに列がぐんと伸びていた。

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ケバブを手渡された瞬間、ずんと重みが伝わってくるほどボリュームがすごいのに、たった約4ユーロとめちゃくちゃ安くてありがたい。もしベルリンに住んでいたら外食いっぱいしちゃうだろうな。フードトラックなので立ち食いするのだが、小雨かつ冷え込んでいてその場で食べるのがなかなか辛かったので、駅のホームのベンチを拝借して座って食べた。

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奥の方には炒めた野菜がぎっしり詰まっていて、サクサク?カリカリ?のパンにちょっと汁が染みるのがなかなか良い。上にのったフレッシュ野菜もお肉も盛り盛りで幸せ。ピリ辛のソースと酸味のあるチーズがまた旨味を広げてくれる。きっとみんな、時々あの味食べたいな、って思ってしまうはず。

その後、間髪入れずベルリン名物カリーヴルスト。だってケバブショップと目と鼻の先に有名なお店〈Curry 36〉があるからしょうがないじゃない。せっかくなので食べておかないと。

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カリーヴルストのどこがカリーなのかというと、ソーセージとポテトフライはただただシンプルで、上にトッピングとしてたっぷりのケチャップ・マヨネーズとともにカレーパウダーがかかっているところがカリーなのだ。ちなみにヴルストは、ソーセージのこと。

お店には立ち食いできるようにスタンドがあったので、ここでいただく。ぶりっぶりのジューシーなソーセージと、いもいもしいホクホクなポテトフライを交互に食べる幸せ。ケチャップとマヨネーズの味がしっかりしすぎて、カレーパウダーの味がよくわからなくなる。でもないと寂しい。あったかくなった満腹の胃袋と外の冷気の寒暖差がなんだか心地いい(満腹でご機嫌だから言えること)。

午後は友人の買い物についていきながらぺちゃくちゃしゃべったりして過ごす。暗かった空も明るくなってきて、日が差してきた。アレクサンダー広場ではマーケットが開かれていて、通るだけで楽しい。子どもたちが大道芸人の作るいくつものどでかいシャボン玉を追いかけまわしているのが微笑ましかった。

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朝昼兼用をケバブとカリーヴルストで満たしたわたしたちは、てくてく歩きまくってそろそろ糖分と水分を欲していたので、近くのワッフルとアイスクリームのカフェ〈Waffel oder Becher〉でひと休み。贅沢にワッフルにアイスクリームを乗せたものを注文。アイスクリームは選べるので、うんと悩み、スパイスの効いたものを。

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ほおずき、いちじく、ざくろ。絵画にするとなんだかすごく雰囲気が出そうな3品が添えられて出てきたプレートは秋の風を吹かせていた。最後はハッケシャーマルクト周辺の、どこ見てもおしゃれなお店しかないエリアで色々と物色。いつの間にかすっかり暗くなっていて解散。

もう数日泊まっているけれど、宿の最寄り駅周辺は、家はいっぱいあるのにほとんど街灯と人通りがなく、ちょっと不安になる。平和そうなエリアだから怖くはないけれど。でもそういう街に限ってサスペンスなドラマが潜んでいたりして…(完全にNetflixの観すぎ)。そんなことをてくてく歩きながら妄想したりして、宿の部屋のオレンジ色のランプが窓越しにぼわんと映っているのが見えると、すごくほっとした気持ちになるのだった。ヨーロッパでは部屋の窓にカーテンがなかったり、あっても薄手だったりする家が多い気がして、わたしは歩きながらその部屋の様子や人の動いているのがちらっと垣間見えるのが結構楽しみだったりするのだ。勝手に中のインテリアや生活のストーリーを想像してみる(失礼)。開放感もあるし、窓辺に物を飾ったりしていて見る側も住む側も楽しい気がする。日本だともちろんわたしも安全やプライバシーを考えてしまってぴしゃりとカーテンは閉めてしまうので、こうやって気にせず暮らせるのってちょっと羨ましい。なんだろう、国民性の違い?

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