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#26 Prague

2019年9月28日

週末に滞在している街では、出来る限りマーケット巡りをする。お昼過ぎまではフリーマーケット〈BLEŠÍ TRHY Praha〉でうろうろ。広い敷地に日用品・食料品・家のがらくた・アンティークのお店がずらりと並んでいる。本当のフリーマーケットだ。中古のタイヤやローラースケートがやたらと売られていたけど、買っている人は見かけなかった。誰かが履いていたローラースケートはあんまり履きたくないな、とか思ってしまった。

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早朝は雨が降っていたようで、地面に並べられているグラスたちには雨粒が残り、きらきらを纏っている。時間をかけてくまなく歩きまわり、家族経営のようなお店でひとつ甘すぎないレースをゲットした。お母さんが店主、息子たちがお手伝いをしているようだが全員だらりと座っていて、売る気がなさそうに見える。というかどのお店でもおすすめしたり話しかけてきたりする人はおらず、ただただお客を眺めているだけだった。せっかくなのでいろんなお店で買い物したかったけれど、何が欲しいかもわからなくなってくるし、荷物もあまり持ちたくなかったので、レースだけで買い物を終えた。留学する前、旅の妄想をしていて「もしヨーロッパを周遊できるなら、いろんな蚤の市を巡って買い付けみたいなことがやってみたい」と夢見ていたが、留学終了後にそのまま旅を始めたので荷物はすでにぱんぱん、資金も少ない、いちいちそんなに郵送するわけにもいかず、私の妄想は甘く儚く終わりそうだ。今回の旅ではたくさん買うことはできないけれど、これからの生活の中で寄り添ってくれるものを少しずつ見つけていきたい。

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次はファーマーズマーケットへ。歩き回ったしお腹もぺこぺこなので早速ランチを。と言いたいところだが、気になるお店がありすぎて早く食べたいのにぐるぐる3周ほど歩きながら吟味した。こういうところに出しているお店ってなんでだろうか、そそられるでしかない。

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結局、ハンバーガーに落ち着いた。シンプルなバーガーだけれど、並んでいる間に目の前で焼かれている具材たち、ひたすらにサンドするスタッフの手捌きに心を弾ませ、じっくり食べた。食後はオーガニックのアップルサイダーを片手にまたお店をまわり、トマトとパンを手に入れた。

今日はマーケットに夢中でこの後の予定のことは考えていなかったので、急いで調べてみる。この場所から近くにあるプラハ城に向かうことにした。世界最大規模の城で見所はたくさんありそうだが、まずは聖ヴィート大聖堂というこのエリアのシンボルを見に行く。いかにもゴシック様式の建物で、外観は渋くかっこよく尖りまくっている。

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色鮮やかに組み合うステンドグラスがたくさん飾られてあり、光が聖堂の壁に反射してなんとも神秘的だった。昔、何を思ったのか「将来はステンドグラス職人になる!」と言っていた時期がある。常日頃、雑な上に不器用極まりないし、今までステンドグラス作りの体験さえもしたことないのに。職人のお仕事を軽々しく言うものではない。ま、言うのはタダですからね。そんなことはどうでもいいのだが、とにかくこの光を見つめているだけで心が清々しくなった気がする。

他のエリアも散策した後は、ブルタバ川沿いまで歩いて下って行くことに。ドイツ語では「モルダウ」。小学生だか中学生だか忘れたが、音楽の授業で歌ったことがあるあの曲だ。小さい頃は、この曲全然わくわくしないな、とか思いながら歌っていた記憶がある。そのあと聴く機会は特になかったはずなのに、今でもあの短調の有名なメロディがすぐに浮かぶ。これが有名作曲家のパワーなのか。

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昨日「まんまと食べるもんか」と思っていたTrdelnik(トゥルデルニーク)のお店の前をちょうど通りかかり、いつの間にかしれっと列に並んでいる自分。なんと意思の浅いことよ、もう強がるのはやめよう。

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トゥルデルニークのリアル看板がキュート。焼き目が美味しそう。

喉が渇いてきたので、人通りの多い道に面している建物に入り中へ進んでいくと、ひっそりとしたカフェ〈ROESEL〉を発見してひと休み。ケーキが美味しそうだったのでコーヒーとともに食べたかったけれど、ついさっきトゥルデルニークを食べたところだ。やっぱりまんまと食べないほうがよかったのかな、とちょっと悔やんでしまう(意思ゆらゆらぐらぐら)。自家製レモネードを頼んで甘い口をリフレッシュさせる。これまた美味しい。ご飯や食器も好みの感じで魅力的だったのに、食べられなかったのが残念。

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旧市街へと続くカレル橋は、ごっさごっさに人が行き交う。

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橋から眺める光景が、まさに絵画のようで胸をぎゅっとされたような感覚になる。本当に目がシャッターならいいのに、とこの旅で何度思うことだろう。

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橋を渡り終え、また旧市街周辺を散策していると、どんどんあたりが暗くなってくる。土曜日の夜はどこのお店の前を通ってもテラス席は人で溢れている。こんなロマンティックな光景が日常というのは信じがたいものだな。

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