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#17 Warsaw

2019年9月19日

またぐっすり寝てしまった。ブランチを食べに、宿のオーナーがワルシャワのおすすめのカフェとしてあげてくれていた〈Charlotte〉に向かう。中心地から歩いて南に下っていく。中央駅を境に、北側はオフィスや旧市街が、南側には若者が多く活気があるような気がする。店内は素敵なスタッフとお洒落なお客で溢れていた。大きなシェアテーブルにひと席だけ残っていたので、慌ててそこへ座りに行く。スタッフの働いている姿がちょうど見える席だったので、可愛い女の子たちが軽やかに(でも、せかせかてきぱき、と)動いている様子をそこからずっと眺めていた。

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オーダーしたのはモーニングセット。パンはバスケットにいろんな種類を入れて持ってきてくれる。ジャムは数種類から選べたのだけれど、今日はマーマレードの気分だった。野菜は半分に切られたプチトマトが気持ち程度に、ぽいっ、ぽいっ、とプレートに放り投げられているだけ。なんだか可愛く見えてくる。のんびり食べ終え外に出てみると、外のテラス席もぎゅうぎゅうに埋まっていた。テラス席で誰かとわいわい共に食べるのは、ひとり旅をする私にとってはかなりの憧れで、眩しい。いつか…!

30分ほどバスに乗って郊外へ。着いた先はヴィラヌフ宮殿というところ。

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中はミュージアムになっていて、貴族の暮らした部屋(貴族すぎて日常感は漂わないけれど)や衣装や絵画などたくさん飾られていてゆっくりできる。東欧は西側のヨーロッパの国よりは観光に来る人は少ないので、人混みなどにあまりストレスを感じず、どこでもゆったり回れるのが良いところ。

…と思っていた矢先、校外学習に来ていた中学生らしきグループと足並みが揃ってしまい、部屋を行ったり来たりしながら巡る。

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漫画「コジコジ」のキャラクターに出てきそうな顔が書かれた床。

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幅広・甲高の、私と真逆の足を持つ像。

すぐ横にあるヴィラヌフ・ポスター美術館へ。こちらは私しか入場客はいないようだ。ちょうどこの期間は、バウハウスとキューバのポスターの2つの展示がされていた。どちらも言語は読めない国のものだけれど、デザインだけで意図していることがなんとなく誰にでもわかるポスターの可能性を感じた。私にはこういうひらめきの発想が欠けているので(つまり単純)芸術に関わる人たちを見ると、尊敬で憧れでしかない。

そしてちょっと歩いたところにある、ポーランド陶器のお店〈Kim’s〉へ。いかにも異国の民芸品、という感じが漂う可愛らしい特徴的なデザインが日本でも人気があり、実家にもマグカップがある。お店に入ると、床も棚も全てポーランド陶器で埋め尽くされていた。そろりそろりと商品の間を通り抜け家へのお土産を吟味する。ひとアイテム持っていると、総柄でインパクトがあるので、アクセントに使えそうな細長いスプーンと小さなポットの置物を購入した。

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さっきまであんなに晴れていたのに、お土産選びに夢中になっている間にものすごい雨雲がやってきていて、店を出た瞬間激しすぎる雨が降ってきた。つらい…。お店の屋根をそっと借りて15分ほど立ち尽くしていたが、強弱はあっても止む気配は一切なさそうだ。待ってもキリがないので、結局走って市内へ戻るバス停へ向かう。乗るバスを間違えそうになり、直径15メートルくらいの内にいくつかあるバス停をばたばた無駄に往復したりした。バスの中が暖かく、じんわりと雨で冷え疲れた体に熱が伝わってきて、あぁ、このままバスにぼーっと乗っていたいな、と思ったところで到着。

着いたのはユダヤ人歴史博物館 POLIN。博物館は、2013年にオープンしたらしく、想像よりもはるかにモダンな建物でかっこいい。雨とバスの間違いによりかなり時間をロスしてしまったので閉館時間が迫っているが、自分のご機嫌を取り戻すため、ミュージアムカフェでとりあえずご飯。体が冷えていたので、スープ(ポーランド語でスープはZUPAとかZUPYとかいう、可愛い、すぐ使う)とゴウォンプキ(Gołąbki、読めなさすぎ)と呼ばれるポーランド式ロールキャベツのほかほかセット。あとで調べると、このロールキャベツの中にはお肉だけでなくお米や麦も混ざっているのが日本と違うポイントということらしいが、お腹が空きすぎてお米感を全く感じる間もなく食べきってしまった…。

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窓から降り注ぐ夕方の光と赤色の服を着ているマダムがなんとも美しくて思わず写真を撮る。

お腹も落ち着きゆっくり館内を回りたかったのだが、閉館まで全然時間もなく早足で。しかもほんの一部のコーナーしか見ることができず感想も乏しい。いつかまた訪れることができたら、じっくり。

少し歩き古着屋さんに入ってみるも、何もときめきはなく。そして、夜が近づいているけれどコーヒーブレイクは欠かさず。雨上がりは寒くってチョコレートを食べたい気分だったので〈E.Wedel〉で。2粒のチョコレートがお立ち台みたいに乗ってきて高貴で可愛らしい。チョコレートの数が多くってオーダーに迷っていると、スタッフさんがハート型のチョコをおすすめしてくれた。あまり選ばないチョイスもたまにはいいな、でもやっぱりシンプルなダークチョコレートが好きだ。

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夜の街に眩しく光るネオンをカメラに収めながら、宿に着く。

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