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マルチリンガルの考察

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#外国語

外国語習得と自己変容

外国語習得と自己変容

外国語学習で日本語を捉え直す

各言語は地域文化の価値観が色濃く反映されている。
よって、外国語学習のプロセスにおいては、母語である日本語と対象言語との間でどうやって翻訳したらいいか難儀する機会が幾度となく訪れる。
こういった経験を経て、自分の日本語を客観的にメタ的に捉え直すことができているんではないだろうか。

日本語の勿体無いを世界にMottainaiと表現されたことがある。
これは、英語に訳

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後天的な言語適性の向上について

後天的な言語適性の向上について

日本人の英語力の低下が叫ばれて久しいが、日本人は外国語学習に圧倒的に不利である。
日本語は、アルタイ語族にも属せず独立した言語と言語学者に見做されているのに対して、英語やドイツ語などの欧州諸語は、インド・ヨーロッパ語族に属しているわけで、各言語同士が似ているのである。
日本人は同じ土俵で勝負できないのである。不公平である。

ただ、現実を見ることも大事だ。
以下の図表を見れば、日本のバイリンガルは

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シンガポールで出会ったペンタリンガル(5か国語話者)たち

シンガポールで出会ったペンタリンガル(5か国語話者)たち

ペンタリンガルって?「ペンタリンガル」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
あまり聞きなれない言葉だが、これは5か国語話すことのできる人を指す。
日本では、バイリンガル・トリリンガルは日常でも聞くかもしれないが、それ以上のクワドリンガル、ペンタリンガルはなかなか耳にしない。
なお、便宜上は、3か国語以上話せる人をマルチリンガルということが多いようである。

そんなペンタリンガルの知り合いがシンガ

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マルチリンガルの言語習得レベルについて

マルチリンガルの言語習得レベルについて

複数の外国語を操れる場合、各言語ごとに得意な環境(occation)というのがある。

個人的な感覚として、母語以外の複数言語が上級者になってくると、それぞれどちらが得意か、という質問に容易に答えるのは難しい。
もちろん、第三言語の学習初期段階では、第二言語(多くは英語か)の方がスムーズに話せるであろうが、第三言語がスムーズに話せるレベルとなれば、状況によって使いやすい言語は違うのではないだろうか

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