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タマちゃんとわたし。⑥~それはある日突然に~
できるなら冗談であってほしい。
そんな願いも虚しく時は過ぎ去り、気づけば暖かな風が吹きはじる季節となった。
気づけば春はすぐそこ…
わが家のペット、桜文鳥のタマちゃんを亡くして1か月以上が過ぎた。
タマちゃんは昨年1月17日、次男の誕生日にわが家へやってきた。その時は、まだ桜文鳥特有のグレー・白・黒のカラーを身にまとっていない、全身がやや茶色がかったヒナ鳥だった。
タマちゃんは、それはそれは大切にわが家へ迎え入れられた。
タマちゃんがやってきて数日後、動物病院に行ってオウム病の検査をした。その時に診察してもらった先生によれば、タマちゃんは生後半年ぐらいだということがわかった。広げたときの羽の大きさや色などでわかるのだという。
「タマちゃん」と名付けたのは次男だ。なぜタマちゃんなのか、それは今でもよくわからないけれど、呼べば呼ぶほど耳に馴染み、気づけば家族の一員となっていた。
春夏秋冬を共に過ごして
昨年の夏、キャンプへ出かけたとき。夫・私・長男・次男に加え、タマちゃんも鳥かごに入れて一緒に現地へ。
普段の家の中とは違う景色に、目をシロクロさせるタマちゃん。可愛かったなあ。
タマちゃんは殻付きのエサが好きで、そして水浴びが大好きだった。
透明なプラスチックケースのような水浴びセットを購入し、鳥かごに取り付けてみたところ、しばらくすると中に入ってパチャパチャ。元気よく、水を浴びては羽を整えていた。
今年の1月17日。次男の誕生日と共にタマちゃんへのお祝いもした。
「これからもよろしくね」
そんな投稿をして間もなくだった。
それはあまりにもあっけなく…
桜文鳥の寿命は6~7年だという。まだまだこれから、タマちゃんとの楽しい暮らしが続くものだと、そう信じて疑わなかった。
17日の前日、16日にちょっと気になることがあった。タマちゃんの羽がたくさん抜けた。ちょっと多いな、大丈夫かな?と思って見ていたところ、寒そうにブルブルと体を震わせるタマちゃん。思えば、あれが異変のはじまりだった。
17日も少し震えていたけれど、18日、いつもより動きが鈍いな、大丈夫かな…。
そう思っていたら、19日の朝、タマちゃんは冷たくなっていた。
いつものように朝起きて、タマちゃんが過ごしている鳥かごを見ると、タマちゃんは大好きな水浴びセットの中で静かに漂っていた。
ピクリともしなかった。
今でも、目に焼き付いている。
まるで眠っているかのような、閉じた瞳。
かたく伸びきった足先。
硬直したカラダ。
そのすべてが、タマちゃんがもうこの世に生を受けているいきものではない、もう動かないことを知らしめていた。
もう一度、もう一度…。
どうしてあの時、病院に連れて行かなかったのだろう。
もっと配慮すべきだったのではないか。
日々、命を軽んじた自分を責める。
けれど、責めたところで、タマちゃんは戻ってこない。
それを認識し、時だけがこくこくと過ぎていく、哀しみ。
タマちゃんに会いたい。
振り向けば、そこにいるような気がする。
もう一度、タマちゃんに会いたい。
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