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画像生成AIのリアル展示会を終えて、私が何を思ったのか。(前編)

先日、会社として画像生成AIのリアル展示会を開催しました。
展示会をやったことで気づいたことも多くあったので、みなさんにも共有したいと思い書いています。


Lab Time / 研究発表

■まずはどうして画像生成AIのリアル展示会をやろうと思ったのか。

まず弊社はモーショングラフィックスの映像制作会社です。
弊社には週に数時間スキルアップの為の実験Lab Time(通称:モグラ部)というのがあります。
昨年にそのLab Timeで画像生成AIを実験的に触ったところ、斜め上をいくものが多数生成され、AIの可能性が非常に面白い!となり、Lab Timeで実験&研究することにしました。

例えば、スクランブル交差点の100年後や、自分達の顔を老人や有名人風にしてみたり、名前を打たず過去の実績だけを入力した上で顔を生成してもらうとどんな顔が出るのかなど、遊びながら実験を始めました。

そしてせっかくならその内容を多くの人に共有し反応が見てみたい
でもその面白さを口で語るより、私たちはクリエイターなので手で表現するのが良いと思い、そして、始めるならゴールがあった方がダラダラせず気持ちも入りやすいと考え、AIの展示会を開催することをゴールに置きました。

■展示会するにあたり決めたルール

・Generative AIではなくCreative AI
AIで生成するだけのアートワークはNGで、生成したAIをどうアウトプットするかを考えること。
・研究テーマを考える
面白い、かわいい、凄い、だけの浅いアイデアはNGで、しっかり掘り下げること。
・しっかりゴールを設定する
AIまかせな運まかせな画像生成はNGで、しっかり目指す完成の世界観を想像すること。

アーティストではなくプロのクリエイターとして、展示会で見てくれる人のことを考え、AIという食材をどう調理しどう振る舞うかを考えるべきだと考えました。

■展示会をすると決めてから開催するまでにかかった時間

2022年10月21日に展示会を開催することを決めました。当初は2022年内にAIを使った作品の展示を目指すことになっていました。しかし、いざ蓋を開けてみると開催したのは2023年の7月28日です。約9ヶ月もズレました。。それにしても、どうしてここまでズレてしまったのか。

これには色々な理由がありますが大きくはこの3つ。
・研究テーマを決めるのにそれぞれが苦戦した。
・画像生成AIで自分の思い通りの絵を出す為の研究に時間がかかった。
・仕事をしながらの制作ではどうしても仕事優先で、作品作りが遅れてしまう。


特に研究テーマを決めるのに6ヶ月位はかかっていると思います。テーマが決まったらとてつもない数のヒット&エラーの繰り返しです。AIを使えば誰でも面白いものが出来ると考えている人もいますが、あれはウソです!w
面白いも面白くないも企画次第で、そこはAIでは出来ないので人間が苦労するしかない。

■画像生成AIのコントロールの難しさ。

画像生成AIを使い思うのは、イメージする5〜6割くらいのものはすぐ作れる。でも定期的に仕事で使えるかといえば5〜6割の完成度では厳しいなと思います。仕事で使うには最低でも8割以上の完成度でコントロールできる必要があり、展示会作品制作に関しても、最後の2割をレタッチや技術で補完するようにしていました。
安定的にAIをどこまでイメージ通りにコントロール出来るのか、ここが難しいポイントでした。
AIは勝手に人を入れてきたり、勝手にドラマチックにしたり、お節介なおばさんみたいな感じです。

画像生成AIは自分で想像もし得ないものを作るのは簡単ですが、自分の思い通りに使おうと思うとまだまだ難しいと思いました。

ありがとうございました。


後編は展示会当日のお話です。

画像生成AIについて興味ある人、良ければ1度何が出来るか一緒に話しませんか?気軽なご連絡お待ちしておりますw

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