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90年代に活躍したダンスアイドルグループ『B☆KOOL』について

B☆KOOLは、1994年にデビューした男性5人組のダンスユニット
1990年代の日本の音楽シーンにおいては先進的な活動を行っており、日本におけるストリートダンスボーカルグループの先駆け的な存在でサウンドプロデュースはMISIAやモーニング娘。などのアーティストを手掛ける松原 憲が担当した。また当時、大人気だったイギリスのボーイ・バンド゛TAKE THAT゛と同じ5人組だったことから「日本のテイク・ザット」と呼ばれた。

ストリートダンスボーカルグループの先駆け的存在

メンバーは橋爪修、山口耕史、渡来敦敏、菊地大作、相川裕之の5人で構成され、所属事務所が数億円をかけて1994年10月にデビュー(レーベルはアンティノスレコード)。1stシングル「BABY BODY BEAT」はエリアコードドラマのエンディングテーマに起用され、約3万枚を売り上げた。またデビューアルバム「KOOL STUFF」に収録されている「BABY BODY BEAT(RED MONSTER MIX)」は、国内ダンス・チャートで1位を獲得。当時、猛威をふるっていたMETAL MINDED MANIACSやジョン・ロビンソンなどのテクノ勢を抑えての快挙であり、日本人によるユーロビート・ミックスで大きな成功を収めた。

5枚目のシングル「BOOM!BOOM!BOOM!」のコマーシャル

当時、ストリートダンスをするグループは珍しく、ツッコミどころ満載の愉快なラップを織り交ぜた楽曲も特徴で他の男性アイドル(ジャニーズ等)と差別化してテレビ番組、新聞、ラジオ、コマーシャル、音楽番組などの出演。ライブ、イベント、握手会なども行い人気を集めた。東京でもファンクラブが作られており、ファン層は主に10代の女子中高生が中心だった。国内では計シングル12枚、アルバム4枚、プロモーションビデオ3枚を発売した。

1994年デビューのB☆KOOL / 1997年デビューのDA PUMP

本格的なストリートダンスを取り入れたパフォーマンスとラップを織り交ぜた楽曲を歌うスタイルでアイドル的な人気を得たグループという点においてB☆KOOLのデビューから3年後の1997年に登場したライジングプロダクション所属のDA PUMPと似ている点が見られる。実際にDA PUMP結成前の玉城幸也と奥本 健(当時はKEN&YUKINARI)が沖縄アクターズスクールの練習生時代にB☆KOOLの楽曲「BOOM!BOOM!BOOM!」をカバーしたことがある。

現役当時のB☆KOOLのメンバー

日本でデビューした後、韓国と台湾でもデビューした。韓国では1994年に同じアンティノスレコードレーベルから日本デビューした3人組の男性アイドルグループであるソテジワアイドゥルとの交換条件として韓国でも活躍する。そして台湾では日韓を上回る人気を獲得し、楽曲やプロモーションビデオが音楽チャンネル・Channel Vでヘヴィー・ローテーションされていた。日本ではシングル1枚の売上が3万枚程であったが、台湾では4万枚~5万枚ほど売り上げた。1996年10月には台北中山足球場(台湾台北市中山区にかつて存在したサッカースタジアム)で行われたマイケル・ジャクソンのフィルムコンサートにも参加して約2万人の動員を集めた。日本ではブレイクできず、あまり良い成果が残せなかったがアジア圏での人気が高かった。そのため、『台湾でブレイクした日本のアイドルグループ』と評価するのが正確である。

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