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最強のLo-FiカメラQV-300

ごきげんよう正刀です。
今回は私の使っているカメラから、イチオシの一台をご紹介します。

CASIO QV-300

このカメラは1996年11月29日に発売されました。
当時私は3歳ですね。バブバブです。

では、私の持っているQV-300の写真をはじめにどうぞ。

ケース付きで購入
養老ランドの古い筐体で撮ったプリクラが貼ってある

私はローファイカメラ(画質の悪いカメラ)のなかで最強だと、今のところ結論づけています。その根拠を今回はご紹介します。

CASIO QVシリーズとは

CASIO QV-10から始まったQVシリーズはデジタルカメラ黎明期を代表するカメラです。細かいところは各々めくっていただければいいと思いますが、ざっくり言うと、液晶付きデジカメの初代です。

1995年3月10日に発売したQV-10の解像度はQVGA(320×240)ピクセル

QV-10Aで撮影

その翌年、1996年に発売されたQV-100はVGA画素(640×480ピクセル)モードを搭載したモデル。

QV-100で撮影

ただ、撮れる枚数は精細モード(640×480)だと64枚で、標準モード(320×240)の192枚に比べ、三分の一となっている。
とはいえ、QV-10が(320×240)で96枚だったことを鑑みれば、一年で飛躍的な向上ですが。

QV-100で画質モードを変え撮影したのが次です。


標準モード(320×240)
精細モード(640×480)

原寸大で比較すると、このようなスケール感。

標準モード(320×240)
精細モード(640×480)

トリミングして同じくらいの大きさに揃えると、結構わかりやすい画質の差がある。
とはいえ、わたしからすれば問題ないくらいどちらも解像している……わけないんだろうが、現代のデジカメとの比較は他の人に任せよう。

今回は私が持つ、QV-300がいかに最強のローファイカメラかということの自慢話だからだ。

QV-300を手に入れた経緯

まず、ローファイカメラという写真の抽象性に興味が惹かれ、真っ先に手に入れたのはQV-10AとQV-100でした。
同時期ぐらいにメルカリで入手し、どちらも数千年程度。ジャンクが多いですが動作品も、そこまで入手困難というほどではないという程度でしょうか。
使っていくうちに、普段さすがに2台両方は持ち歩けないわけですから、『大は小を兼ねる』を体現したように解像度が選べるQV-100だけを使用するようになりました。

それから数年経ち、フィルムカメラを使いだし始めると、途端にQVカメラというものの再評価がされました。自分の中で。
フィルムカメラのファジー感とはめっきり違った、デジタルローファイカメラの素晴らしさを比較的対照的に思い出したのです。

そこで長らく使っていなかったQV-100を起動させようとしてみると、なぜだが起動しない。原因は電池蓋です。
QV-10Aや100の電池蓋のツメは非常にもろく、破損している個体が多いです。仮に今は破損していなくても、いずれ電池を入れて使っていると、ちょっとした衝撃などで電池蓋から電池が飛び出し、抑えていた貧弱なツメが折れます。

ダイソーの犬の首輪療法

なので、ダイソーの犬の首輪で電池蓋を抑えて、かつグリップ代わりにして使っていたのですが、どうもかれこれ数年立つと接触が悪くなった。
持っている間、すこし抑え方が緩くなるだけで落ちます。まぁ、幅広の輪ゴムでもしたらいいとか、雑な対症療法は色々あると思うのですが、これを機に違うものを買ってみようかなと思ってメルカリを開いたわけです。

そこで出品されていたのが、運命のQV-300です。このカメラはどのフリマサイトやオークションサイトでも滅多に出品されておらず、ましてや動作品はかなり希少であることが分かったのですが、それは後述。

数千円のそのカメラをろくに調べもせず購入。
しかしこのQV-300、最強のローファイカメラだったのです。

QV-300最強説

では、ようやく本題となります。
QV-300がなぜ全ローファイカメラ最強と思うかを説明させていただきましょう。

1.解像度が選択可能

三桁番のこのカメラはQV-100と同様、精細モード(640×480)と標準モード(320×240)が選べます。もしガッツリと撮影するなら枚数を優先して標準モードを選ぶということも可能です。

2.広角と望遠が切替可能

切り替えレバー

なんとこのカメラ、iPhoneのように2つのレンズを切替可能なのであります。35mm換算で広角(標準?)は47mm、望遠が106mm相当となっており、物理的にレンズが回転して切り替えるというギミック感も好き。

3.撮影汎用性が高い

レンズの切り替えに加え、絞りもF2.6とF8を選べ、画素数が多いほど取り込む光量のロスが増えるため、低画素機であるこのカメラは、絞り開放なら暗いところでも結構写ります。また、焦点距離は近くを撮るためのマクロモードがあり、7cmまで寄れます。それ以降も絞りによりますが、ほとんどパンフォーカスなのでピント合わせ不要。結構どんなシチュエーションでもいけちゃいますね。

4.スナップ撮影が捗る

レンズ部分が回転するため、ハイアングルやローアングルにも対応。人を撮るときもディスプレイを見ているように見せかけて盗撮盗撮することも容易となる重要な装置です。人はカメラを向けられることに敏感です。撮っていることが分かったらとたんに、加害者と被害者、撃つ側と撃たれる側になります。許可をいただくのも重要ですが、ステルス努力は必要だと考えています。

5.単三電池駆動と内蔵メモリ

古いカメラを使うときにネックとなるのが、電池やデータ記録媒体です。今はなかなか手に入らないものや高価な媒体を使っているものが多い中、その点このカメラは単三電池で動き、よくわからんデータカード不要の内蔵メモリなので、ランニングコストはほとんどかかりません。

弱点

利点ばかり書き出したので、欠点だなと思うところもフェアに書こうと思います。もちろん、デジカメ黎明期の技術です。欠点は利点の裏表であることは前提として聞いてください。

・コンパクトとは言えない

これはディスプレイが大きくなっていたり、カメラ部が大きかったり持ちやすくなってたりすることと引き換えです。ポケットに入れて持ち歩くのは厳しいので、バッグとかに入れましょう。

・堅牢性低め

プラスチック製かつ精密機器なので、壊れやすく少しデリケートです。実体験込みで警告しますが、絶対落とさないようにしてください。
しかしこれも、軽さと引き換えなので難しいところです。仮に重いチタン製とかだったら冷たいし重いし嫌かな。ローファイカメラとしてのチープ感も好きだし。

・データ転送の敷居は高い

転送中写真

ほとんどパソコンが普及していなかったという時代性を考えれば仕方ないことなのですが、データの抜き出しは敷居高めです。専用のケーブルと専用の『QVLINKソフト』というものが必要となります。
私はMacユーザーなので、windows10を仮想的に立ち上げ、転送しています。ケーブルやソフトはフリマサイトやオークションサイトなどで手に入れるしか無いでしょう。日本中のどこのお店を駆け回っても、手に入れられる確率は低いです。

余談

実は私、QV-300を秋葉原で落として破損、起動不能にさせてしまった経験があるのです。原因はぶら下げていたストラップが切れてしまったことによるものでした。
失ったことで気づく、QV-300の素晴らしさ。
なんとか直せないかと、その足でCASIOの秋葉原修理センターへ行ったりしましたが、サポートがとっくに終了しているとのことで直してはもらえませんでした。つまり、自分で直すしか無いということです。
ああ、思い出すのはドラえもんの都市伝説…。(ドラえもんが壊れて、のび太がドラえもんを発明する科学者になって直すみたいなやつ)

分解してみると、電源機構の破損が原因だと判明
状態の悪いQV-30を購入し、回路部分を移植
いわゆるニコイチで修理完了

ご参考になれば幸いです…。

作例

最後にQVシリーズの作例をいくつか載せて終了といたします。(QV-300はずっと故障状態だったため、まだあまり撮れてない)

ありがとうございました。ごきげんよう!


QV-300
QV-300
QV-300
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QV-100
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QV-100
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QV-10A
QV-10A
QV-10A
QV-10A
QV-10A
QV-10A

以上。

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