【しびれ】への考え方
しびれの原因
しびれの原因にはいくつかあります。
①循環器の問題
②神経の問題
③呼吸器の問題
④飲食物 など
そのなかで、僕たちセラピストが対応できるのは、①②の一部だけです。
できることが限られるにもかかわらず、
「カイロに行けばしびれは取れる」
という期待値が高いことから、僕は症状の中で、一番むずかしいのが【しびれ】だと感じています。
今日はこの【しびれ】について、臨床で出会ったときに考えなければいけないことを、シェアしたいと思います。
しびれの位置づけ
【しびれ】の患者さんに現状を説明する時、最初にするのが『正座』の話です。
正座を長時間すると、痛くなってきて、しびれて、感覚がなくなります。
正座を終え、立ち上がる時は、感覚がない状態から、しびれがきて、痛くなり、正常に戻ります。
つまり、体は⇩の順で悪くなり、【しびれ】は麻痺の手前だと考えてくださいと伝えています。
正常 → 痛み → しびれ → 麻痺
もちろん一過性のものもありますが、
・それが持続的になり始めたり
・ある特定の動きをすると必ず発症する
ようになると、要注意です。
状態が改善する時は、この逆ということも伝えます。
麻痺 → しびれ → 痛み → 正常
【しびれ】から回復する過程の中で、【痛み】というステップを踏む場合があることをしっかり伝えておかないと、
「あそこに行ったら、痛くなった」
と言われかねません。
注意点
前述しましたが、【しびれ】は麻痺の手前です。
・素人が、セルフケアでなんとかしようとしない
・プロでも、しびれの治療に自身がない時は施術しない
⇧は絶対に守るようにしてください。
最悪、正常な状態に戻すことができなくなります。
僕のところでも、他店/他院/セルフケアで悪化した人が、毎年何人か来られますが
「これが限界です」
と伝えなければいけない時があります。
「先生、見捨てないでください」
と言われることほど辛いことはありません。
治療ポイント
【しびれ】治療のポイントは、人により様々です。
<ながれ>
①状態の確認(悪化・安楽姿位・範囲・健側患側比較・既往歴・現病歴)
②神経/血管、どちらの問題かを鑑別
③絞扼部のチェック
④レッドフラッグ鑑別
⑤施術/専門医紹介
※しつこいようですが、レッドフラッグの鑑別が最重要です。
「とりあえず治療して、ダメだったら専門医」
という流れだと、手遅れになることがあるのが【しびれ】です。
基礎科学・医療各論・神経学的検査・筋力検査・整形外科検査をしっかりオーバーラップさせて、診れると判断してから触るようにしてください。
僕は必要と感じたら、病院でMRIを撮ってデータの持参をお願いすることもあります。
診れると踏んだときには、施術方法は決まっているはずです。わざわざここで説明はしません。
まとめ
【しびれ】は、事故の中でも最も多い症状の1つです。
おそらくプロアマ問わず、事故を起こした方々も「そんなつもりはなかった」と思います。
症状が軽いからと安易に考えた結果が、さらなる悪化につながることがあるのが【しびれ】です。
正常 → 痛み → しびれ → 麻痺
⇧を絶対に忘れないでください。
ではまた
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