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医師が解説!睡眠を改善する上で最も大切なことは?

「よく眠れない」という悩みは、なんと5人に1人の日本人が抱えています。不眠症は、日中のパフォーマンスを低下させ、過食を引き起こし、人々の生産性を下げるとともに様々な病気のリスクを高めます。逆に、すでにある何らかの病気が不眠を引き起こしているケースもあります。

不眠症の種類と原因は?

あまり意識されませんが、不眠症には様々な種類・原因があります。闇雲にサプリメントやリラクゼーションに走るより前に、まずは自分の不眠症がどのパターンに当てはまるのかを理解しましょう。

不眠症は以下の4つに分類することができます。

<不眠症の4分類>

入眠障害:ベッドに入っても、なかなか寝付くことができない。

中途覚醒:真夜中に目が覚めてしまい、再び入眠できない。

早朝覚醒:朝早くに目が覚めてしまい、再び入眠できない。

熟眠障害:睡眠時間は取れているが、十分に眠れた感じがしない。

そして、それぞれについて様々な原因が複雑に絡み合っています。どのタイプの不眠かが分かったら、次にその原因を考えます。

身体的要因:過度な疲労がないか、腰痛など眠りを妨げる症状がないか、枕の不一致による姿勢の辛さがないか、などを分析します。

精神的要因:眠る前に頭を支配してしまう仕事や人間関係のストレスがないか、憂鬱な気分がないか、食欲の低下や「死にたい」という気持ちがないか、などをチェックします。

睡眠環境要因:カーテンは締めているか、一緒に寝ている人はいるか(その人はいびきをかいたり寝相が悪かったりしないか)、部屋の明るさはどうか、などをチェックします。

生活環境要因:日中のカフェイン摂取量はどうか、パソコンやスマホをみている時間は長いか、アルコールを取りすぎていないか、風呂・シャワーはどのタイミングで入っているか、などをチェックします。

疾病的要因:頻尿の症状がないか、いびきや日中眠気・集中力低下はないか、夜間に足がムズムズする症状はないか、睡眠中に大声を出したりしていないか、などをチェックします。

また不眠症とは少し異なりますが、睡眠リズム障害(睡眠のリズムが前や後ろにずれてしまう)や睡眠不足(そもそも設定している睡眠時間が短い)といった睡眠課題もあります。

睡眠を改善する上で最も大切なことは?

それでは、睡眠を改善する上で最も大切なことはなんでしょうか?データをとること?サプリを飲むこと?答えはシンプルです。

1, 自分の不眠の種類を知ること

2, 自分の不眠の原因を特定すること

3, 原因を取り除くための改善策を考えること

当たり前ですが、問題を解決するためには原因を特定し、それを取り除かなければなりません。

最近ではウェアラブルデバイスなどで詳細なデータが見れるようになりましたが、そのデータの活かし方についてはこれから期待される分野であり、現状睡眠の深さ・周期などが記録できたところで具体的な解決策が(エビデンスを伴って)分かるということは今のところほとんどありません。

また、原因を特定せずになんとなくサプリメントを飲んでも肝臓に負担をかけるだけということにすらなりえますし、ストレスが原因で寝れていない人が高価なマットレスを買ったところで睡眠改善はなかなか期待できないでしょう。

まずは網羅的に自分の生活を見直し、『何が本当に不眠をもたらしているのか』を分析する必要があります。そして、網羅的に信頼度をもって評価する上で、医師が持つ幅広い知識は大きな力になります。明らかな不眠で生活に支障が出ている方は、是非一度睡眠クリニックなどを受診してみましょう。

また、「睡眠の質をさらに高めたい」という方は是非、Wellnessを始めてドクターに相談してみてくださいね。

睡眠は人生の1/3を占める非常に重要な時間です。是非最大限質を高め、日々の仕事やプライベートをもっと充実させてくださいね。私たちも予防を研究する医師として、全力でサポートします。

written by wellness doctor team


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