自己保有ビルがあるなら、リノベして住んでも良いかも

 この記事が役に立つ人が、日本に何人いらっしゃるかわからないけど、一応書いておく。

 非常に古い話なのだが、ロングバケーションというドラマがあって、その舞台になったビルは、確か再開発のために取り壊される予定の古ビルを使っていたらしい。

 まぁ多分もともとは商業ビルで、住めるような内装ではなく、大道具さんがうまいことセッティングしたんだろうなと思うのだが、テレビで見ていた当時は、「オシャレだなぁ」とため息をついたものだ。

 そう。鉄筋コンクリートのビルをリノベして住居にするのは、大アリだという話である。

 我が家は15坪ほどの小さな6階建てのビルなのだが、もちろん鉄筋コンクリート造りなので、木造住宅とは異なる。外から見れば廃墟と化した商業ビルにしか見えないが、中に入って住んでいる私たちからすると、木造の戸建住宅に住んでいるという感覚はゼロで、完全に分譲マンションっぽい。なぜかと言うと壁が分厚いコンクリートだからだ。

 もちろん、断熱材などは入っていないと思われる、ただの分厚いコンクリート造りで、外壁にはタイルが施されている。ただし窓という窓はすべて二重窓にしたお陰で、室温は年中快適にコントロールできている。窓は総入れ替えしたわけではなく、内窓をつけただけで、その内窓自体が二重ガラスになっているので、最終的には三重窓になっている。

 そして家が狭い割には高馬力のエアコンを天井に吊るしているので、昨冬は寒くて寒くて辛いと思う時は一切なかった。

 我が家にはエレベーターが設置されていて、そのメンテナンス代が高い。すでに本体は廃番になっているので、根本的に壊れた場合は、システム改修だけで400万円、全体交換するなら1000万円と言われているので、これが悩みの種であるが、3~4階建てくらいのビルならばエレベーターを設置していないところも多く、メンテナンスのコストは必要ない

今は安い古民家を購入して、ゆっくりとリノベして住むという若い人が多くいらっしゃるが、ビル改修をして住む方はいないみたい。

もったいない。

廃墟ビルリノベのメリット

1、戸建とマンションの良い所取り。

周囲に気兼ねなし、自己保有なので好きに使えるという戸建てのメリットと、気密性や防音性が高く強度が高いマンションのメリットの両方を併せ持つ。前後左右の住民との騒音問題もなく、木造に比べると圧倒的に強度が高い。

2、もともとビルが立つ立地条件が通りに面していることが多く、意外とプライバシーが保てる。

隣のマンションの人から見られるというような環境ではない。

3、屋上を活用できる。

ワンフロア余計にあるようなもので、アイデア次第では色々と活用できる。我が家はガーデニングとBBQ、もちろん洗濯物も干せるし、お布団も干し放題。

4、少しずつセルフリノベできる

まずワンフロアさえリノベすれば住めるようになる。住みつつ、ゆっくりと他フロアのリノベにとりかかれる。

5、収納スペースが多い。

使っていないフロアは、まるまる収納庫にすることができる。断捨離はした方がいいけどね。

6、フロアごとに完全分離できる。

コロナ禍のこういう状況だと、メリットは計り知れない。現在オンライン授業になった末っ子バクが帰省しているが、完全に分離された空間なので、スープが冷めない距離感、である。

7、天井が高い。

物件にもよるだろうが、基本的にビルは商業施設や事務所として使われることが前提なので、個人宅よりも天井が高く設定させていることが多い。

8、オフィスや店舗としても活用できる。

自分の居住フロアと別のフロアに、オフィスを設定することで、公私を完全に分けることも可能だし、商品を輸入販売する仕事の場合は、倉庫として活用することもできる。一階部分を店舗にしても良いし、そこを賃貸として貸し出しても良い。

9、ウッドショックの影響をあまり受けない。

リノベをしてみて分かったのだが、鉄筋コンクリートのフレームを変えることはないので、新しく間取りを変えても、使う素材は、軽天(軽量鉄骨、石膏ボードなど)と、床の補正に使ったのは合板(コンパネ)などで、高級な太くて長い輸入木材などは不要である。ホームセンターで欠品なく手に入る資材で、十分にリノベが完了する。

廃墟ビルリノベのデメリット

1、購入価格が高めになる。

場所にもよるが、ど田舎の古民家を購入することに比べると高いかも。実家に保有ビルがあるなら、全力でそれを活用しよう。

2、貯水タンクや防水加工のメンテナンスなど、戸建て以上のメンテナンスコストがかかる。

維持費というものはどこに住んでもかかるのだが、貯水タンクの清掃や外壁塗装などのメンテナンスコストがかかり、一般的な住居に比べると高くなる。

3、商業ビルの場合、周囲の環境が住宅地と異なる。

閑静な住宅街ではないので、騒音などが気になる場合は、二重窓を設置するなどの工夫が必要だが、割とそれで解決する。場所にもよるが、景観の良さはあまり期待できないかもしれない。

4、物件によっては、耐震性のチェックが必要で、そのコストがかかることも。

これは割とクリティカルなので、不動産会社の人に十分に確認をとってもらわないといけない。

5、空間が大きくなればなるほど、冷暖房のコストは上がる。

ところで。

学生時代に多くのアルバイトを経験したのだが、長野県のレタス畑で夏休みの住み込みバイトも経験した。その休みの日に同じバイト仲間たちと「清里」に遊びに行った。当時はバブル直前の1984年であったが、既に清里はキラキラ状態で、レタス畑での生活どっぷりだった私は、ものすごく驚いた記憶がある。

そこが、今、廃墟になっているらしい。

えっ........。

私から見ると、お宝だらけよっ!!

今ならまだ安く買えるんじゃないかしら。若い人たちは数名のグループで移り住んで、セルフリノベしながら(それも動画コンテンツにして)、オフィス(店舗や倉庫)と住居にするといいよ。今ならオフィス用品も家具も、大量にリサイクルショップに出ているから、安くゲットできるはず。

個人的には、木造の古民家をリノベするよりも、廃墟ビルリノベの方がやりやすいと思う。外壁や内装はやり直さないといけないけれど、フレーム自体はそのまま使える。コンクリート構造は、そのままでもカッコイイしね。

どなたかのヒントになれば。

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