包丁を疑え

我が家のキッチンには、包丁が複数ある。

今、数えてみたら8本あった。

用途別というより、一般的な「文化包丁」と呼ばれるものが何本もあるのだ。その理由は、包丁が切れにくくなって、新しいものを買ったけれども、捨てずにいたら増えてしまっただけである。

では、使えない包丁をただ単に置いているだけなのかというと、そうではない。多少、刃が欠けているようなものもあるが、時々研いで使っている。つまり現役の包丁たちなのである。

つまり同じ用途のものが複数ある、のである。

時々、ミニマリストさんの記事や動画を見ることがあるのだが、ものが少ないというのはいいなぁと思うと同時に、私は真似できないなとも思う。その理由は、私自身のライフスタイルには合わない=合理的ではない、からである。そして私は、「まったく同じものを複数個用意する」ことが多々あるのだ。

たとえば、キッチンツールなのだが、包丁をはじめ、同じ機能のものがすべて複数揃っている。計量スプーンや計量カップ、キッチンばさみ、トング、しゃもじ、お玉等々、すべて複数ある。その理由は、複数あれば、使う度に洗う必要はなく、そのままシンクに投げ入れることができるからであーる。

もし、計量スプーンが一つしかない場合、ごま油などを計量すると、次に使うときに洗う必要が出てきてしまう。でも複数あれば、ごま油のついた計量スプーンは、そのままシンク行きになり、新しい計量スプーンを使って、他のものを計ることができる。

シンクの中に突っ込まれたキッチンツールたちは、そのままガシャガシャと雑な作業で濯がれた後、食洗機に入れられて、高温洗浄されてピカピカになる。

かくも私はズボラなのであーる。

「丁寧な暮らし」の対極を行っている(汗)。

ところで、包丁の話である。

我が家のキッチンのマグネットナイフラック」には、8本の包丁があると書いた。ちなみに、ラックは、これである。

(このラックはめちゃくちゃ良いので、これを取り付けるスペースのある方には全力でお勧めしたい。)

でね。

そんな私が、先日、大発見したのだっ!

8本ある包丁のうちの2本が、ペティナイフと呼ばれる小さい包丁なのであるが、そのうちの一番小さいものが、全長18センチ、刃渡り8センチで、コストコで大小の2本セットで買ったもので、実に安かった記憶がある。そして、このチビ包丁の方は、ほとんど使ってなかったのだ。

もともと果物の皮をむくにも、大きな包丁を使うことが多くて、何度もチビ包丁を捨てそうになったのだが、ほぼ新品でキレイな状態のままだったので、捨てるには忍びないという理由だけで、我が家には存在し続けたわけだ。

今回、マグネットラックに配置することになり、常に目のつくところに包丁があるようになったので、実にホイホイと包丁を選び、いろいろな包丁をまんべんなく使えるようになった。そして、包丁の多くを食洗機に放り込んだままでキッチンに立った私は、目の前にチビ包丁しかないことに気づいた。

食洗機を一時停止させて、一本だけ取り出すことはできるのだが、その場合は、包丁を自分の手で洗わないといけない。

それは、絶対に嫌、である。包丁洗うのキライ(汗)。

そこで仕方がなく、刃渡り8センチの超ミニ包丁に手をかけた。

「カッターナイフかよww」

その軽さとイージーさに笑いが込み上げたが、いかんせん全く使っていなかった包丁だ。切れ味が抜群すぎる(笑)。

えっ............

ええええええええええ。

これ、めっちゃ使いやすくない?????

ピーマンの種を取るのも無駄なくきれいにとれたし、そこそこ大きめの野菜でもサクサク切れる。大人数の料理の下準備には心もとないかもしれないが、夫婦二人分の食事の準備に使う野菜の量など、たかが知れている。

それからしばらく、そのミニ包丁で色々と切ってみたが、工夫をすれば大体のもののカットに使えることがわかった。キャベツや白菜などの大きめの野菜であっても、切る方向や順番を工夫すると問題なく切れる。この事実は、私にとっては大発見であった。

ちなみに我がキッチンには、まな板も複数ある。

まず、これが2枚ある。これ、我が家のプチ食洗という食洗機に入るサイズ。もう一枚買ったろかと思うくらい使い込んでる。「おろし」がついているが、マジで「おろし機能」いらない。時々手が当たって痛い......orz

これも一枚持ってる。片面にお魚マークついてていいよ。

この時は、ヘルシオオーブンくんで、スープカレーのトッピングを「フライ」モードで作ろうと準備していた時だった。色々な野菜を準備して、角皿の上にバンバンのせて、オイルスプレーでシャーっとオイルをかけてボタンを押すと、できちゃう(汗)。料理とも言えない代物かもしれないが、野菜たっぷりのトッピングつけると、一品で食事終わる。ってか終わらせる。

このミニまな板の上で、ピーマンや椎茸やニンジンなどなどを、チョコチョコとミニ包丁(ペティナイフ)で切っているうちに、なぜか色々と悶々としてきたのだ。

「料理って、包丁使えないとできないもんなの????」と。

たしかに、キャベツの千切りをリズミカルに包丁で切る音を聞くと、その人の包丁さばき(腕)のレベルは測れるかもしれない。でも料理って、そこがメインじゃないよね!

ペティナイフも刃の部分が8センチ位だと、カッターナイフで工作するのと大して変わらない。包丁を持とうとすると、怖いと思ったり、左手の位置はどこだとか、色々と考えないといけないのだが、ペティナイフはカッターナイフみたいなもの、と考えると、使えない人などいない、と思ったのだ。

私も長年キッチンに立っているから、好き嫌いは別にして、大体のことはできる。が、キャベツの千切りサラダの時は、スライサーを使っている。ピーラーは、T字型もI字型も持っている。大根の皮も、かつらむきなどせずにピーラーを使う。韓国暮らしが長かったので、焼肉はハサミで切るしね(生肉はハサミで切りにくいで(汗))。

これだけ色々とツールがあるんだから、「でかい包丁を扱えること」が即ち、料理上手っていうことではないはずで。でも何故か一人暮らしを始める人は、いきなり大きな包丁とまな板を揃えようとするんだよね。

ちゃうねん。一人暮らしだったら、量をたくさん作るわけではないからさ。目的のためには、手段は何でも良いのだから、大きな包丁を扱うのが苦手で料理しないより、カット野菜をジップロックコンテナーにぶち込んで、調味料を入れてレンチンできた方がいい。そのうち、ハムやベーコンを切って入れたり、玉ねぎやピーマンを切って入れてみようかなと思うようになる。そして、その時には大型の包丁など必要はない。

料理=大きな包丁が必要

ではない。常識を疑え、包丁を疑え、である。

ミニまな板、ペティナイフ、キッチンばさみがあれば、かなり色々とできるということが分かったので、お料理できない方、やってみようと思うけど難しいかな、と思う方は、無理せずに、工作と同じノリでペティナイフ・クッキングを試してみて欲しいなと思った次第であーる。

【2020年8月16日追記】

 長男のギンに、ペティナイフの有用性を力説して激推しついでに、我が家にあったペティナイフを押し付けてしまった。そのために我が家のペティナイフが不足したので、これを買ったら大当たり。安いのにめっちゃ使えるニトリのペティナイフ!!もう一本買いたいくらい。これも激推ししとく。



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