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「国内留職」を通してWELgeeに参画した東京海上日動社員が得たものとは?

2020年11月~2021年2月にかけて「国内留職」にてWELgeeに参画した東京海上日動火災保険株式会社・岩瀬さん。

長年培った営業経験と抜群の人間力で、大いに存在感を発揮してくれています。就労伴走事業の企業営業・セミナー事業営業戦略の立案・組織全体の法人施策立案・WELgeeサロンのファシリテーターなど、組織横断的に活躍をしてくれている岩瀬さんは、WELgeeにとって、本当に頼もしい存在です。

本記事では岩瀬さんがまとめてくれた「3ヶ月間WELgeeに飛び込み、得た気づき」について紹介します。

0.WELgeeとの出会い

私は、「国内留職」を通して、WELgeeに参画しました。

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▲留職初日の様子。WELgeeのオフィスにNPO法人クロスフィールズの荒井さんも足を運んでくれました。

国内留職」とは、NPO法人クロスフィールズが実施する、社会課題に取り組む日本国内のNPOや社会的企業とともに課題解決に挑むプログラムです。本プログラムは「自ら能動的に課題を設定し、課題を解決に導くことができる人材育成」を目的としており、参加者は所属元企業を数カ月間にわたって離れ、本業で培ったスキルを生かして派遣先団体での社会課題解決に全力を注ぎます。

↑本留職受け入れに関するプレスリリースはこちら

1.留職を通じて達成したい目標

私は国内留職への参加にあたり、特に以下の2点を伸ばしたいと考えていました。
①「現場で何が起こり、課題は何で、いかに取り組み、どう解決に導くか」を描き、やり切る力
②様々な背景・想いを持った人達が互いを生かし合う「ダイバーシティ・インクルージョン」を推進する力。

クロスフィールズさんと派遣先団体の検討を進める中、WELgeeの「難民支援でなく、難民とともに活動を行う」という姿勢に触れ、①の観点で自分も一緒に難民問題の現場から課題解決に挑戦したい、また②の観点で難民というユニークな背景を持つ方と接することで自身の人間としての幅を拡げたいという想いでWELgeeへの参画を希望しました。

2.WELgeeで取り組んだこと

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▲ 入社直後の人材の基礎力向上のためのワークを岩瀬さんが作成。人材とワークを行っている様子。

これまで経験してきた、営業・チームマネジメントを活かして、就労伴走事業での企業営業や難民の方の成長支援・セミナー事業営業戦略の立案・組織全体の法人接点強化施策立案・WELgeeサロンの企画運営・寄付者接点強化・WELgee職員成長支援体制構築など、様々な分野で組織横断的に取り組ませていただきました。

「WELgeeや難民の方の役に立ちたい」という想いで、様々な事業領域の課題発見・解決のため、当初の役割である「就労伴走事業の企業営業、WELgeeサロンの企画運営」だけでなく、自分の役割に上限を作らず「とにかく積極的に色々な方と関わり事業全体の理解を深めて信頼関係を構築し、自身の役立てることを探す」意識で3ヵ月間活動させていただきました。

私が3ヵ月間走り切ることができたのは、私を歓迎し、快く受け入れてくれたWELgeeの皆さん・難民の方々あってこそであり、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

3.WELgeeに飛び込む体験から得た気づき

今回の「社会問題の現場に飛び込み、理想実現に向けて取り組む体験」を通して、様々な気づきをいただきました。その中でも特に印象的であった2つを紹介させていただきます。

(1)難民という言葉の先にある個性
これまで難民の方と接点を持ったことのなかった私は「難民」という方々に対して、漠然と貧困をはじめとした厳しい環境におかれている方々といったイメージを持っていました。そのイメージはWELgeeで実際に難民の方々と接する中で大きく覆されました。

「元々は牧師で、日本で悩む外国人・日本人を励ましたい」「元々は産婦人科医で、日本に来て先進的な日本の医療を母国に伝える活動をするNPOを立ち上げた」。様々な背景によりこれまで積み上げてきたものが無くなってしまった中でも、再び前を向くマインドを持つ彼らは私の想像していた難民像とは大きく異なっていました。

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本留職を通じて「難民の方の中にも様々な方がいる。難民という言葉でひと括りにして理解したつもりになるのではなく、大切なのはその先にいる一人ひとりと向き合うべき」と気づけたのは私にとって大切な宝物です。

そして、この気づきから、これから様々な事柄に関して、「イメージや先入観に固執せず、実際に何が起きているのかを知り、一人ひとりと向き合っていく姿勢」を強く持ち行動したいと思いますし、またダイバーシティ・インクルージョンの観点でも「一人ひとりと真摯に向き合い、理解し合う」ことを大切にしていきたいと考えています。

(2)1人のチャレンジが応援の渦を作る
本当に有難いことにWELgeeには、ビジネスの関係性を超えて、応援してくださる方々がいます。「それはなぜか?」。
 WELgeeの仲間と接する中で、また、時に応援してくださる方に直接質問しながら、その理由を考え抜いた結果、WELgeeでは、組織および職員一人ひとりが大きな課題に気概を持ってチャレンジし続け、さらにそれを相対する方々に、取り繕わず自分の人間性を含めて想いをまっすぐに伝えていることに気がつきました。その姿が共感を呼び、応援の輪が広がっています。

WELgeeの「想いを持ってチャレンジし、さらにそれをまっすぐ表現する」ことはWELgeeを離れたあとも、いちビジネスパーソンとしての様々な関係者から応援いただけるように自身の行動の指針にしていきたいと考えています。

4.私の感じたWELgeeらしさ

(1)「自分たちにできることは何か?」を徹底的に考え、試行錯誤を繰り返す組織
WELgeeは設立が2018年の団体であることから、難民問題に取り組まれているより活動実績の長い団体から学びながらも、一人ひとりの難民の方々との対話を通して「ありたい社会の姿、自分たちに出来ること」を考え抜いています。職員一人ひとりが、正解のない中でも試行錯誤しながらも失敗を恐れず、歩みを止めず、前進し続けています。そんな「大きな社会課題に対して、一人称で取り組み失敗を恐れず挑戦する精神」がWELgeeらしさなのだと感じます。

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▲ セミナー事業部のインターン生たちとブレストを行うパンキー

(2)一人ひとりが組織の代表という意識
一人ひとりが「自分が組織の代表だ!」という意識もWELgeeらしさだと思います。一人ひとりが自分の業務を行う際にWELgee全体にとってどうか?WELgeeのビジョンに照らしてどうか?を考え抜いて行動し、さらに自身の担当外の領域でも主体的に考え、仲間を巻き込み熱く論議をする文化が素晴らしいと感じます。

5.WELgee職員からのメッセージ

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■ 就労伴走事業部 山本より
熱意と向上心にあふれ、誠実に人と関わり、一つひとつの仕事のスピード感と丁寧さには脱帽するほど申し分ないビジネスプロフェッショナルのパンキーですが、彼との三ヶ月間の協働でわたしにとって最も印象に残ったのは、道なき道を切り拓いていく彼のリーダーシップと実行力です。

この冬はWELgeeにとって、団体を取り巻く社会情勢の激動、代表の産休、WELgeeの中核を担ってきた職員らの卒業、それらに伴う事業・組織の再編成など、とにかく初めて尽くしのことが続く時期でした。

VUCA時代にも社会的インパクトを持続可能に出していけるよう事業を進化させること、多様な生き方や個性をもつメンバーが活躍できる組織にアップデートしていくこと、その両輪を財政面で支える仕組みを構築すること。

これらすべての挑戦において、パンキーは中核的な役割を担い、その中で数々の意義深いアイディアを出しては、いくつもの新しい試みを実践し、それらを自身の卒業後もWELgeeメンバーが継続的に仮説検証できるよう、仕組み化するところまで動いてくれました。前例も正解もないカオスから、自分たちが目指す変化までの道筋を立て、あらゆる手を尽くして想いを形にしていく、この道のりに果敢に取り組めるビジネスプロフェッショナルは、そう多くないと思います。パンキーと組織改革について夜遅くまで議論を交わし、難民の仲間たちやインターンの学生さんたち、プロボノさんたち、ビジネスセクターの人たちを巻き込んで事業を推し進めた日々は忘れがたいほど刺激的でした。信頼する”WELgeeのパンキー”、どうもありがとう!

■ リソース部門 渡辺より
来月で設立から5年目を迎えるWELgeeの、これでもか!というくらいに団体としてのエッセンスが詰まった時期(数年後に振り返った時にこの時期抜きでは語れない)に、"東京海上からきた岩瀬"ではなく、"WELgeeのPunky"として関わって下さったことが、本当に心強かった。

この人になら、WELgeeのメンバーとして任せてられるという安心感から、参画当初の想定を遥かに超える仕事をお任せしてしまいましたが、PDCAを回すのがとにかく早く、3ヶ月とは思えないほど今後のWELgeeに大切なものを残してくれたと思います。

パートナーシップの文脈でよく、民間とソーシャルセクターでは用いる言葉や、見ている視点が違うから連携が難しいという声を耳にします。しかし、今回の留職プログラムでの経験を通じて、つくりたい社会や未来という一枚の絵が共有でき、そこに向かい集まるひとの主語が揃うことで、むしろ、集まる一人一人が見てきた世界が異なるからこそ、互いのこれまで見てきたものを活かし合って、より昇華したものを生み出せるということを実感しました。そう思わせてくれたPunkyさんには本当に感謝です。

そして、Punkyとともにした3ヶ月はWELgeeの財産です!(いなくなる前にパンクロック披露してくれたら、もう言うことない笑)

■ PR部統括 林より
Punkyは、過渡期のWELgeeをともに乗り越えてきた戦友です。

難民人材の採用のための営業活動、研修事業の事業開発、法人施策チームの運営、サロンのファシリテーター、インターン生のエンパワーメントなどなど、関わってくれた業務は数知れず。時に強く、そして時にみんなを包括する優しいリーダーシップで組織を先導してくれたPunkyは、本当に頼もしい存在でした。
 
「人生は有限だ。」

Punkyが度々口にしていた言葉です。限りある時間や、制約条件の中で、限界まで挑戦をしてきたPunkyの背中から、私たちは多くの大切なことを学びました。

WELgeeでの経験や気づきが、Punkyのこの先の人生に何かしらのポジティブな影響を与えるものであれば、この上なく嬉しいです。3ヶ月間、本当にありがとうございました!!

6.最後に 

今回、これまでにない環境・仕事内容でのチャレンジを通して、いままでの自分になかった新しい視点や発想を沢山学ばせていただけた、また自分自身気づいていなかった自分の中の新しい扉を開けることができたと感じています。温かく受け入れ共にチャレンジさせていただいたWELgeeの仲間に心から感謝しています。本当にありがとうございました。


WELgeeの応援をありがとうございます。みなさまからいただいたご寄付は、主に難民申請者一人ひとりへの長期的なキャリアの伴走のための『JobCopass』運営費や、組織の継続的な基盤づくりに使わせていただきます。