今までの努力が崩れ去る瞬間
こんにちは。新年明けましておめでとうございます。今年も不定期ではございますが記事を書いていきますので、読んでいただけると幸いです。
年末に筋トレで背中を追い込みすぎたようで、大みそかに背中が超筋肉痛になり一日中ほぼ寝るという残念な年の瀬を迎えました。あきのすけです。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
さて、タイトルが新年に全くふさわしくないようにも思われますが、自分としては前向きな気持ちになるよう書いておりますので、ご安心を。(?)
それでは、どうぞ。
やってみたかった事が、目の前に。
ある日の登山の帰り道、温泉に入ることにした。
たまった疲れと、汗にまみれた体を早く洗い流したかったので、すばやく券売機で入場券を買い、男湯へ歩みを進める途中。
見つけてしまった。
ピアノ。
白いグランドピアノ。
ピアノを始めて約2年。
家で電子ピアノを弾いていて、何度も思ったことがある。
今までの自分なら、きっと弾かなかっただろう。
そうやって何だかんだで逃げて、何もしてこなかったから。
でも、あの頃とはもう違う。
失敗の不安もあるけれど、最初からうまくいくことのほうが稀だというのは分かっている。
何より失敗してもいいから、「外でピアノを弾く」という事を経験したいという気持ちが強かった。
(お風呂から上がったら、弾いてやる。)
脱衣所で服を脱ぎながら、静かに決心を固める。
気持ちが高ぶっていたので、体を洗う手が荒々しくなる。
汗と疲れを洗い流し、湯船に浸かる。
そして人目につかないように、指のストレッチを始めた。
いざ、いざ。
お風呂から上がり、ゆっくりとピアノへ向かう。
ふと人の多さが気になったので、歩きながら周りを見る。
平日だったので、そこまで人はいないようだった。
練習には丁度いい。
人が多すぎると、怖気づいてしまい弾くことはなかっただろう。
お風呂セットをピアノの下に置き、椅子に座って、鍵盤の感じを軽く弾いて確かめる。
今までグランドピアノなんて、レンタルスタジオにあるピアノしか触ったことがないのに、不思議ととても手に馴染む感じがした。音も何だか綺麗だった。メーカーを見る余裕がなかったので分からないけど、おそらくとても良いピアノメーカーだったんじゃないか、と思う。知らんけど。
意を決して弾いてみる。
曲は一番最初に覚えた、AIRの「夏影」。
…
…
あれ
どこを
弾くんだっけ
あれ
思い出せない
どれだけブランクがあっても
体が 指が 覚えていて
ちゃんと弾けていたのに…
落ち着けと、どれだけ体に言い聞かせても、震える指は止まらなかった。
焦りと緊張により終盤あたりで完全に弾く鍵盤を忘れて、中途半端に終わる結果となった。
でも、諦めきれない。せっかくの機会をこんな形で終わらせたくないという気持ちが湧いてもう一曲弾くことにした。
しかし、やはり途中で弾く鍵盤を忘れたり、弾き間違えたりしてグダグダになって終了した。
結果、大失敗。
2年ほど繰り返し繰り返し弾いていたのに、場所を変えるなりその積み重ねた努力が一気に砕け散った瞬間だった。
人前で弾くのは難しいことではない。人前でいつも通りに弾くのが難しいのだ。
椅子からゆっくりと立ち上がり、お風呂セットを拾い上げて、ピアノから去る。
(…あんな感じかぁ。)
頭の中では、緊張による指の震えと、ド忘れの感覚を思い出していた。
あの感覚が、いつもなら出来ることを出来なくしてしまう。
では、あの感覚を無くすにはどうすればいい?
①もっと練習する
②外で弾く機会を増やす
弾けなかったというショックはあった。だけどそれ以上に「次上手に弾けるようになる」には何をすれば良いかを考えていた。
家で弾いているだけでは絶対に分からなかった次への課題。
とりあえず、単純だけどもっと練習しようと思った。
色んな趣味活動でおろそかにしていたピアノの練習。
この出来事をきっかけに、僅かな時間でも練習するようになった。弾きたい曲もたくさんあるし。
意味のある失敗って、こういうことを言うんだなぁ、と無駄に感動さえした。
【小余談】
コンサートで上手に、失敗なくパフォーマンスできる人の凄さを改めて知った。どれほどの鍛錬を積んできたんだあの人たちは、と。
今まで費やしてきた時間の違いを知った。有名であろうとなかろうと、人前で上手に弾ける人は凄い。
そして、新たな目標が生まれる。
そして、新たな目標が生まれる!(無駄に2回言う)
それは!!!
年末に都庁のピアノを見た際に思いました。今はまだ無理だけど、たくさん練習して、自分が好きな曲を弾く。
今年中に達成できるように、頑張っています。
住んでいるのは大阪なので、次回東京へ行く用事のついでにやってやろうと思っています。
今回は以上です。
最後まで目を通していただきありがとうございました。
(おまけ)それはそれで
もし、あの時上手に弾けていたら、それはそれで大きな自信につながったと思う。今まで何もしてこなかった自分が、頑張った末に人前でピアノを弾けるようになったんだって。下手したら泣くかも知れない。
でも現実はそうはならなかった。
けれど、次上手にできたなら、喜びはこっちの方が大きいと思う。
感動の涙は、まだまだ先のようです。
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