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我が心の師匠「白ごはん.com」への感謝をこめて

クックパッドはすごい。なぜなら料理をしない人でもその存在を知っているからだ。将棋を知らなくても羽生善治を知っているように、競馬を知らなくても武豊を知っているように。いわばレシピサイト界のレジェンド。料理をしようと思いついたら、みんなきっとまずはウィークエンドダイニングではなくクックパッドにたどり着くはずだ。

しかし、思うに料理初心者が扱うには少し荷が重いのではないかと感じることがある。

具体的にはレシピの「当たりハズレ」があるということ。おいしいかどうかではなく、わかりやすい表現になっているかどうかのバラつきが大きい。料理に慣れた人なら「ああ、だいたいそんな感じね」でわかることでも、不慣れな人物の場合はそうはいかない。例えば「(1) ◯◯は下ごしらえしておく」とか無愛想に書いてあることもあって、いやその下ごしらえのやり方を教えていただきたいのですが..となったり。不特定多数のユーザーが投稿できるのだから、仕方ないといえば仕方ないのだけど。

料理に本気を出し始めた当時、「もう少し今の自分に合ってるサイトがあればいいのにな」と願っていたところで出会ったのが「白ごはん.com」。本日の主賓です。料理研究家の冨田ただすけ氏が運営している、和食を中心としたレシピサイト。どういうキッカケでたどり着いたのかはもう忘れてしまったが、何らかのメニューを新しく作ろうとした時に普通にgoogleで検索したら出会ったというのが経緯だった気がする。

このサイトが僕の料理における聖典になっている。

シンプルで見やすいサイトのデザインも好みだし、味付けも書いてある通りに作れば確実においしくなる。そして何よりも工程がわかりやすい。「お好みで」とか「適量」、「サッと茹でる」や「やや弱火」などのアバウトな表現は殆ど見たことがなく、「30秒ほど茹でる」とか「鍋肌がふつふつする程度の火加減」など、定量的な表現をしてくれるのが初心者には非常にありがたい。途中で詰むことがないという安心感。あと、手順の説明も「◯◯した方がいいです!」と力強く断言してくれるケースが多く、素直に従おうという気持ちにさせてくれる。
おかげで、和食を中心にメニューのレパートリーが一気に増えた。「白ごはん.comの教えに導かれれば何だって作れる」という確信があるもんだから、あれこれやってみたくなっちゃう。中でも思い出に残っているのが、初めて肉じゃがを作った時のこと。自分の中で「女子力の象徴」というイメージが強く、絶対そんなの作れないと思い込んでいたのが、おいしく完成した感動は今も忘れられない。

家庭料理の手軽さと楽しさを教えてくれた白ごはん.comは、いわばウィークエンドダイニングの師匠的存在である。先週おでんを作った時も、ダシの準備から具材の下茹での方法まで全て学んだ。さらに言えば、以前にアップした鶏そぼろ丼のレシピも実は白ごはん.com流。というかそのままコピペ。おいしかったでしょう。
危うくレシピ盗作野郎のレッテルを貼られそうな気配だが、僕の役割はレシピを新たに開発することではなく、数多くの選択肢の中から、「初心者の男性(特に小さい子どものいるお父さん)向け」のものを選んでいくこと。ウィークエンドダイニングを読んで「父の料理」の基礎をつかんだら、ぜひとも白ごはん.comに昇格して自分が作りたいものを自分の手で見つけ出していってほしい。そうすることでさらなる家庭料理の世界が広がっていくから。

知名度は意外なほど高くないようで、オフラインで「白ごはんドットコムってサイトがあって..」とちょっと照れながら紹介すると、現時点では誰ひとりとして知らなかった。これは非常にもったいない話である。レジェンドの牙城を脅かすだけのポテンシャルがあると確信しているだけに。


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