見出し画像

≪目次≫迫る台湾有事に無防備な日本 それでも目を背けるのか

 「両岸(中台)関係の隔たりは軍事衝突では解決できない」。新たな年を迎えた1月1日、台湾の蔡英文総統は新年の談話でこう述べた。
 この地域が戦火に見舞われることは誰も望んでおらず、絶対に避けなければならない。
 コロナ禍での北京五輪開催で自信を深め、成果を強調して秋の中国共産党大会に臨む。異例の3期目を勝ち取ったその先に、習近平国家主席が見据えるものは何か。強硬姿勢を隠さなくなった中国の言動や「中国の夢」として掲げる「中華民族の偉大なる復興」という〝野望〟を直視すれば、米国や台湾が具体的な時期を示して〝有時〟の分析に走るのも無理はない。
 だが、20XX年を的中させることが勝利ではない。最悪の事態を招かぬこと、そして「万が一」に備えておくことが重要だ。政治は何を覚悟し、決断せねばならないのか、われわれ国民や日本企業が持たなければならない視点とは何か——。
 まずは驚くほどに無防備な日本の現実から目を背けることなく、眼前に迫る「台湾有事」への備えを、今すぐに始めなければならない。

[PART1]
中台紛争が勃発した日、日本の〝戦場化〟は避けられない
https://note.com/wedge_op/n/n028d2a9ff5f2
文・岩田清文(元陸上幕僚長)

[PART2]
知らぬ間に進む影響力工作 中国が目論む日米の〝分断〟
https://note.com/wedge_op/n/n2d3d90bb7b61
文・桒原響子(日本国際問題研究所 研究員)

[PART3]
甘い企業の対中認識 このままでは日本人が〝人質〟になる
https://note.com/wedge_op/n/n83e6317bd7c0
文・久末亮一(日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所 副主任研究員)

ここから先は

0字
一つひとつの記事をご購入いただくよりも、「マガジン」(450円)でご購入いただくほうがお得にご覧いただけます。

「両岸(中台)関係の隔たりは軍事衝突では解決できない」。新たな年を迎えた1月1日、台湾の蔡英文総統は新年の談話でこう述べた。  この地域が…

いただいたサポートは、今後の取材費などに使わせていただきます。