新型コロナウイルスの特徴は周期性である。2020年に流行が始まった時は誰も免疫を持たないので、人口の7割が感染して集団免疫を得るまで感染が続くと言われた。実際はそうではなく、これまでに約4カ月周期で6回の流行が起こり、それぞれは少数の感染者が出た時点で収束した。
感染者数で言えば、20年1月20日に横浜港を出港したクルーズ船内で感染が発生し、2月5日に隔離措置が行われるまでの16日間は対策がなかったが、感染したのは乗客乗員3713名のうち712名、19%だった。他方、国内の感染者は約550万人で人口の4%程度である(22年3月8日時点)。密閉された船内では感染拡大が起こりやすいが、それでも2割で済んだこと、市中での感染はそれよりずっと少ないことがわかる。
周期の原因は、自粛が緩むと感染が拡大し、対策の強化で収束すると言われている。しかし世界全体でも日本と全く同じ約4カ月周期で6回の流行が起こり、波の形から両者はよく似た経過を辿っていることがわかる(下グラフ)。日本と世界が同じ時期に自粛が緩み、同じ時期に対策を強化したことなどはあり得ず、感染の周期性はウイルスの性質と考えざるを得ない。
日本も世界も同じ周期で
感染の拡大と縮小を繰り返している
もちろん対策の効果はゼロではなく、中国は厳しい鎖国でゼロコロナを保っている。しかし感染が拡大したヨーロッパ各国でのロックダウンや日本の自粛政策が感染周期を大きく変えることはなく、感染者数に多少影響する程度と考えられる。ワクチンは有効だが効果は数カ月しか続かない。感染が4カ月周期で繰り返すことは追加接種の時期を決定する有力情報として利用すべきだ。
もう一つの特徴は……