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2000組の結婚式を見てきた現役司会者の忘れられない4組の結婚式

今日は、2021年5月27日。
東京は緊急事態宣言中で、3週間程度の再延長が明日決まるか…という所です。

長引く状況に、大変な想いをされている方も多いのではないでしょうか?

もうすぐ結婚式を開催する予定の新婦様は、ご不安な思いで過ごされている方もいるかと思います。
また、これから結婚式をしようかと考えているプレ花嫁の方は、先が読めずに、なかなか日程が決められない…なんて悩んでいるかもしれません。


こんな時だからこそ、温かい結婚式のエピソードで、結婚式の素敵な価値を感じて、心がほっこりし、前向きに過ごしてもらいたいと思っています。

お伝えする内容は…現役司会者が思わず涙した結婚式感動シーン4選です。


ブライダル歴16年の私が立ち会った結婚式は通算2000組。
どのパーティーも思い出深く、一組ずつに素敵な物語があります。

その中でも、様々なご事情を抱えてパーティーを行い、私も思わず当日涙してしまった4つのシーンをお話しします。

シーン1:お父様が6人!?


新婦様のお父様は他界しており、お父様代わりにおじ様やいとこ、近所の方やお祭り仲間など、様々な方が新婦様を支え、育ててくれました。
挙式はまずは新郎様がお一人で入場し、新婦様もお一人で扉を入った所で、司会からアナウンスが入ります。

「実は、新婦様をお父様代わりとなって支えて下さった方がこの会場に6名いらっしゃいます。バージンロードに並んで頂けますか?皆様、ご存知でしょうか…バージンロードは新婦様の生まれてから新郎様に巡り合うまでの人生を表しています。人生を振り返りながら、順番に新婦様を新郎様の元に届けて下さい。」


突然お名前を呼ばれた6名は、最初戸惑いながら、バージンロードに並ぶと涙を流し、一歩一歩かみしめるように新婦様と歩いていらっしゃいました。こんなに素敵な皆様に支えられて、幸せな人生を歩んでいる新婦様を天国のお父様も笑顔で見つめていると感じました。


シーン2:手紙で明かされる真実


その披露宴は、中座中にプロフィールムービーを流しました。
その映像を、大号泣で見ている新婦のお父様。
お父様はお母様の肩を叩いて、いい子に育って良かったなと言っているようでした。
素敵なご両親だなと見ていて、その後お2人が再入場し、いよいよフィナーレのお手紙朗読です。


新婦様からご両親へ、こんなお手紙を読まれました。
「お父さん…こう呼ぶようになったのは最近ですね。お父さんがお母さんと再婚してくれて、私はとっても幸せな人生になりました。大好きなお父さん…本当の子供じゃないのに、ここまで育ててくれて有難う。」


私も実はこの事は知らなくて、この手紙で知り、プロフィールムービーを見ていた時のお父様を思い出し、愛情たっぷりに育てたんだろうな…、親子の絆がしっかり結ばれていて本当に素敵だな…と涙が溢れました。


シーン3:なぜこんなに面白い音楽を流すの!?


そのパーティーは、とにかくユニークな音楽の連続でした。
入場もちょっとふざけた面白い曲で、ゲストも大いに沸き、笑い声が絶えないパーティーでした。
その理由は、新郎様の謝辞で明らかになります。


「今日は、私たちのパーティーにお付き合い頂き有難うございました。面白い音楽ばかりでびっくりされたのではないでしょうか?実は、うちの父は目が見えないので、音で楽しんでもらいたいと思い、ユニークな音楽とみんなの笑い声を父に届けました。これで、安心してくれたと思います。ぼくはこんなに素敵な仲間に囲まれてとても幸せです…」
その事を知ったゲストは、一斉に涙し、そして大きな大きな拍手を送っていました。

私はパーティー後にお父様にお声がけしました。
「パーティーは楽しめましたか?」

お父様は笑顔で「凄く楽しかった。パーティーが見えたよ。」
とおっしゃって下さいました。

このパーティーは、ことある事に思い出し、今でも涙してしまいます。

シーン4:結婚式当日に他界されたお父様からのメッセージ


その新婦様は結婚式を挙げるつもりはなかったのですが、お父様の余命がわずかと伝えられ、なんとかお父様にドレス姿を見せてあげたい、そして結婚式を行うという事で生きる活力にしてほしい…と思い、結婚式を計画してきました。
しかし、残念な事に結婚式当日の朝天国に旅立ってしまいました。


最後まで新婦様は迷われましたが、お父様から「結婚式はやってほしい」と言われていたので、その思いを汲んで決行されました。
とても穏やかで、澄み切った青空がお父様からのプレゼントのように感じました。


受付でゲストからお2人に誓ってほしい事をカードに書いてもらい、ガーデンでの挙式でその中から数枚選んでご紹介しました。
「それでは、最後の一枚を引きますね…思いやりを忘れずに…パパより」
その時、司会で入っていた私は一瞬言葉を失ってしまいました。
お父様からのカード!?
「お父様からの誓ってほしい事…お2人絶対守ってもらえますか?」と伝えるのが精一杯でした。
お2人は涙の中、「はい」と答えてくれました。
これは、誰が入れたのか、今になっても分からないんです…
奇跡が起きた瞬間で、私が一生忘れられない大きな愛に包まれた時間でした。

さぁ、いかがでしたでしょうか?
結婚式は人生の縮図であり、人と人との絆な交差する価値ある時間になります。

大変な時代ですが、是非伝えたい想いをしっかり届け、豊かな未来に繋がる結婚式をして下さいね。

こちらの記事は、YOUTUBEチャンネルでもラジオ形式でお話ししています。


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