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【マンション理事長インタビュー】住民参加型の議論を重ね全区画にEV充電コンセント設置を決定!モアグレース庄内通レジデンス(愛知県名古屋市西区)

「全住民で徹底的に議論を重ね、駐車場全区画にEV充電コンセントを設置することを決めました」 そう語るのは、名古屋市内にある築6年目の分譲マンション「モアグレース庄内通レジデンス」管理組合の理事長。理事長自身もEV充電設備の設置前からプラグインハイブリッド車を所有しており、かねてから自宅充電の重要性を実感されておりました。

マンションへのEV充電設備の導入に際し、率先して理事長に就任され、設置後の駐車場のイメージや実際の充電利用の方法、さらには具体的な工事内容について、同物件を担当した工事会社による説明会を複数回にわたり開催。説明会や検討機会はすべて全住民参加型とし、まだEVをお持ちでない多くの住民が抱いているEVそのものやEV充電に対する不安点や疑問点に対して丁寧に説明を重ねられたとのこと。

今回、同マンションへのEV充電設備の導入を推進された理事長、そして、施工を行った株式会社サウンドライフ 代表取締役 石井誠氏に話を聞きました。

■物件概要
物件種別:分譲マンション
総戸数:25戸
所在地:愛知県名古屋市西区
築年数:6年(竣工2019年2月)
駐車場:施設内平置 25区画
充電設備設置区画:25区画(全区画)
充電設備種類:EV充電コンセント(200V/16Aで3kW)
EV充電用電源:EV充電用に別引込にて確保(WeChargeにて電気契約)

モアグレース庄内通レジデンス

─EV充電設備の導入検討はどのように始まったのですか?

【理事長】2年前の2月、当時はまだ理事長でも理事でもありませんでしたが、ひとりの住民として、マンション管理会社に問い合わせを行いました。補助金制度や充電設備の種類、最適な設置台数、受益者負担の実現方法、実際の工事内容など、調べなければならないことがたくさんありました。

管理会社の担当を経由し、株式会社サウンドライフの石井さんと出会い、こうした疑問点についてとても分かりやすくご説明を頂きました。なかでも、充電インフラ補助金の制度について詳しく教えてもらったことは大きかったですね。せいぜい50%程度の助成率だろうと思っていたら、イニシャルコストの大部分が助成対象となると聞いて驚きました。新築であればデベロッパー企業が独自に判断できますが、既築マンションとなると全住民の意思確認が不可欠です。そこで、自分から立候補して理事長になり、本件にしっかり取り組むことにしました。

全25区画に個別にEV充電コンセントを設置

─全区画設置を決定されるに至った合意形成のプロセスについて教えて下さい。

とにかく全住民から意見を集めることに注力しました。理事会の場にこだわらず、設置に対する是非について意見のある人は集まって欲しいと何度も声をかけ、そうした機会を何度も作りました。「どうせ設置するなら急速充電器が良いのでは?」「EV購入計画がないので自分の区画には不要」といった意見もありましたが、自分自身もPHEVを所有し乗っていた経験もふまえて、マンション充電はコンセントで十分であることや、全区画設置の重要性を説明しました。

EV充電コンセントのある宿泊施設を利用して旅行に出かけたことがあるのですが、長時間駐車する場所で充電できるとガソリンがまったく減らないので給油する必要がなく、まっすぐ帰宅できました。この時の経験が役に立ちました。
今後住民の誰かがマンション住戸を販売する際、その買い手がEVオーナーの場合、駐車場が充電できない区画となっていたら、もうその時点で買ってもらえなくなってしまいます。物件検索サイトでも、すべての駐車区画にEV充電設備が完備されていなければ敬遠されてしまう時代がくるでしょうし、そもそも検索結果に表示されなくなってしまうかもしれません。資産価値が向上するかどうかについては「分からない」というのが正直なところですが、EVシフトのなかでこのような具体的なデメリットが発生することは明らかであるとお話をしました。

説明会では、理解や共感を得るというよりも、とにかく意見や疑問点を出してもらい、サウンドライフ石井さんにもご協力頂いて、そのひとつひとつに答えていきました。計3回の説明会を行い、それまでEV充電に関心がなかった方も独自に勉強や調査をされたり、EV購入を前向きに検討される方もでてきたりと、住民のなかにも明らかな変化があったのが印象的でした。

そうしたプロセスを経て、住民総会に先んじてEV充電設備の設置是非について、住民投票を行いました。結果的に過半数以上の住民の方に賛成して頂きました。

駐車場にうまく馴染むように施工されたEV充電コンセント

─設置や補助率についてはどうでしたか?

総工費の大部分を補助金で賄うことができました。住民からの意見のなかには「費用が抑えられるなら設置に賛成」というものもあったので、補助率が大きいことは合意形成にとって大きなプラスでした。

総会決議後、サウンドライフさんには住民向けの工事説明会を実施して頂きました。工事中の車両移動やスケジュール、施工内容について詳しくご説明頂き、住民の工事に対する理解が進みました。約15日間の工程も問題なくスケジュールどおりに進行し、2023年11月末に竣工となりました。事前に説明頂いた施工イメージどおりに仕上げて頂き、配管もきれいでとても満足しています。サウンドライフさんには感謝しています。

─ユビ電が提供するWeChargeを選ばれた理由を教えて下さい。

EV充電環境に関して管理組合が運営をしなくて良いことが第一の理由です。WeChargeはランニングコストもかからないですし、認証課金もアプリで実現できますから。EV充電用の電力を別系統で引き込む際も、その電気契約を事業者側で行ってくれたことも大きなメリットでした。今後長きにわたり付き合っていく設備となるので、株主構成など事業存続性についても問題がないかどうか調べ、最終的に決定しました。

また利用者目線では、料金プランが廉価であり、実際の充電量に基づく従量課金であることも理由のひとつです。

株式会社サウンドライフ 代表取締役 石井誠氏

─最後に施工を行ったサウンドライフ 石井さんにお聞きします。サウンドライフさんにとって今回のプロジェクトはどうでしたか?

とにかく住民のみなさんの関心度が高く、すべての方が参加して検討されていたので、丁寧かつ分かりやすい説明を心がけてきました。住民の方の意見を積極的に採り入れて、監視カメラの位置や歩行者動線を考慮し、分電盤の設置場所の見直しなどを行いました。

また、今はまだEV充電のことを知らない方が多いので、是非の判断をするための情報をしっかりご提供することが大事です。そこで、説明会では必ず充電コンセントのモックアップとEV付属の充電用ケーブルの実物を持参し「こんなふうに充電するんですよ!」と実際にデモンストレーションを行い、利用のイメージがしやすいよう工夫しました。

工事にあたっては、マンションの現状の景観を損なうことなく、駐車場にうまく馴染むように設置することを大事にしました。

─理事長、サウンドライフ石井さん、本日はありがとうございました。

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