【マンション理事長インタビュー】全区画設置の合意形成は「徹底した受益者負担」が重要!コスモ麻布十番(東京都)
検討のきっかけは自分がEVに乗り始めたから
2022年12月、東京都港区のマンション「コスモ麻布十番」の敷地内にある駐車場の全区画に、電気自動車(EV)の充電用200Vコンセントが設置されました。
EVオーナーであり、理事会を運営する立場でもある小松崎理事長に話を聞きました。
マンション駐車場へのEV充電コンセント導入の経緯や、充電サービス選びの基準、実際に利用してみた感想など、これからマンションやアパートなどの集合住宅にEV充電設備の導入を検討されている方にとって役に立つ情報をお届けします。
なお、今回の取材は東京都環境局との共同取材となっております。
■物件概要
物件名:コスモ麻布十番
種 類:分譲マンション
築年月:2000年1月
場 所:東京都港区
駐車場:全5区画
充電設備設置区画:全5区画(全区画設置)
充電設備種類:EV充電コンセント(200V)
EV充電用電源:管理組合既存引き込み
■今回お話をお聞かせ頂いた方
導入のきっかけ
ー EV充電サービス検討のきっかけを教えて下さい
すでにEVを購入し利用していたものの、オーナーとしては特に不便は感じていませんでした。「急速充電スタンドやスーパーチャージャーが街中にあれば自宅に充電設備がなくても、不便なことは何もない」と当初は思っていました。
ただ、自分が理事長になってマンション全体を考える機会が増えたときに、想像以上にEV普及は早く訪れそうな予感がし、またその変化は不可逆な印象を持ちました。同時にいつまで補助金があるかわからない、という考えもありました。
そこでいくつかの会社にコンタクトをして比較検討を行いました。最初は少数の共用充電設備があればよいかなと考えていましたが、WeChargeのサービス説明を聞き、「すべての車室にコンセントを設置することが重要」である点と「普通充電の3.2kWの出力で十分である」ということを確認し、その選択が合理的であると判断しました。
コンセントなので充電設備そのものの費用負担も数千円程度と非常に廉価で、かつ、故障も少ない点がいいですね。1ユーザーの立場としては、充電した分だけが正しく課金される点や、携帯電話のように利用者それぞれのライフスタイルに合わせて個別にオトクな料金プランを選べる点も魅力でした。
ー設置にあたり、どのような意見がありましたか?
理事会での反対はありませんでした。総会決議でも賛成多数でしたが、若干名は反対の意見もありました。EVを乗っていない人にとってはEVやその充電の仕組みを言葉で伝えてもなかなか伝わりづらく理解しにくいものではありますが、丁寧な対話を重ね、最終的には導入決定となりました。
プロセス自体はスムーズに進んだ印象です。電気代相当額の返戻金の仕組みについてや、受益者負担の考え方に関する議論はいろいろと行いました。
そうした議論の結果、「少数の充電設備を設置して儲けよう!」というような考え方ではなく、全区画に充電コンセントを設置し、WeChargeの仕組みも組み合わせて受益者負担を実現する考えが理解されるに至りました。
理事長という立場で、今回、マンションへのEV充電設備の導入検討から設置までの一連の流れを実体験し、集合住宅への導入ハードルは、技術面というよりも住民同士の合意形成だと感じます。
ユビ電は、そうした合意形成のためのプロセスについて、いろいろとサポートしてくれました。とくにWeChargeは共用部の電気料金と切り分けができることが決め手の一つとなりました。
ー設置までのスケジュールや費用を教えて下さい
去年(2022年)の2月ごろに検討をはじめ、WeChargeにコンタクトをしたところ翌日に折り返しの電話がかかってきました。そのまま3月の理事会にご同席頂いて導入プランの説明がありました。そのプランを元に理事会で検討を重ねました。
補助金申請のための手続きを行ったのが7月、補助金の額も判明し、9月の臨時総会で無事可決となりました。総会では、受益者負担のしくみを細かく説明し、充電利用をしないかぎりは費用が発生しないことや充電に利用した電気代相当額は管理組合に返戻することなどを、丁寧に説明しました。
工事は11月となりましたが、着工からわずか1週間程度で完了し、竣工したその日から充電できるようになりました。
設置にかかったトータル費用は、約230万円でした。国の充電インフラ補助金で8割以上が賄えましたので、管理組合としての負担はごくわずかで済みました。
導入後の使用感
ー実際にご利用になられていかがでしょうか?
自宅マンションで充電できない頃は外部の充電スタンドに通って充電することに不便を感じていなかったのですが、いざ自宅充電できるようになると、充電スタンドに行くことはなくなりました。よっぽど遠出するときは経路充電として充電スタンドを使うことはありますが、そうでない日常での充電は自宅充電だけですね。
通常は、自宅のEVコンセントに充電ケーブルを挿しっぱなしにしておいて、旅行のときだけ、その充電ケーブルを抜いてトランクに入れて携行する。まさに、スマホと同じ感覚です。
EVに乗り換えてから、走行距離もずいぶん長くなりました。それでも、ガソリン代よりも安くなっているので経済的です。
寝ている間に充電すれば、朝起きたら満充電になっていますので、本当にコンセントで十分です。実運用上はバッテリー保護の観点から、クルマ側の充電上限設定を90%にしています。EVのアプリで管理できます。
本当に、自宅でEV充電できる生活は最高です。この生活にいったん慣れてしまうと、もう戻れないですね。
ー充電料金はいかがですか?
最初は、定額プランではなく「Guest」プランで充電していたので約7,000円/月でしたが、自分の走行距離にあったオトクな定額プランに翌月から切り替えたところ、半分にも満たない料金に最適化されました。
WeChargeはマンション居住者のライフスタイルによって個別にプランが選べることも魅力です。
私がマンションでEV充電をする様子を日々見ているほかの住民の方からも「そろそろにEVに買い換えをしようかな?」という声を聞くようになってきました。やはり、マンション駐車場の全区画に充電コンセントが存在することで、EVへの乗り換えも進んでいくと感じています。
ー本日はありがとうございました。
電気自動車の充電といえばWeCharge
お問い合わせはこちら
■この記事を読んでいる方には、下記の記事も人気です!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?